2022/12/11

12/26: 科研費研究会「間大陸的ゴシック——C・B・ブラウン再読」のお知らせ

12月 26日(月)に、三田キャンパスにて、巽先生が研究分担者の一人としてたずさわる科研費研究会「間大陸的ゴシック——C・B・ブラウン再読」が下記のとおり開催されます。原田範行先生による基調講演「独立と環大西洋交流の諸相――Wieland を読む」と、各大学の院生による「ワークショップ——Wielandの着地点を読む」が行われます。本ワークショップには、大学院在籍の岩本遼さんと榎本悠希さんがご登壇されます。ご関心のある方は、ぜひご来聴ください!



間大陸的ゴシック――C・B・ブラウン再読
日時:2022 年12 月26 日 (月) 17:30~20:00
会場:慶應義塾大学三田キャンパス 研究室棟1階A 会議室(アクセスキャンパス
研究代表者:下河辺美知子(成蹊大学)
研究分担者:巽孝之(慶應義塾大学)・舌津智之(立教大学)
*参加ご希望の方は、舌津(zettsu●rikkyo.ac.jp ※●→@)まで事前にご連絡下さい。

基調発表
独立と環大西洋交流の諸相――Wieland を読む
原田範行(慶應義塾大学)

ワークショップ――Wieland の着地点を読む
菅田泰平(成蹊大学大学院博士前期課程)
梅澤琉登(立教大学大学院博士前期課程)
岩本遼(慶應義塾大学大学院博士後期課程)
榎本悠希(慶應義塾大学大学院博士後期課程)
コメンテイター:原田範行

【概要】
本基盤研究(B)は、メイフラワー・コンパクトが内包していた「排除/包括の理論」を探ることによって、環大西洋文化を再定位し、アメリカを中心に進んできたグローバリゼーションの進みゆく方向を、環太平洋的視座も連動させつつ見定めることを目的としている。

Charles Brockden Brown の Wieland (1798) は、魅力的な小説である。副題に「あるいは変身・あるアメリカの物語」とある通り、主な登場人物は、そして語り手までもが、その立場や境遇をさまざまに変身させる。そうした変身は、アメリカの流動性を感じさせるとともに、不安定で不透明この上ない人間の本質をスリリングに照射している点できわめて現代的だ。語りの中心は書簡だが、そこには裁判の記録や腹話術が差し込まれていて、重層的である。イギリスのWilliam Godwin による Caleb Williams (1794) の影響も指摘されているが、基調講演では、大西洋を渡った小説的言語表現の妙味を多角的かつ精緻に分析する。

続くワークショップでは、Wieland 終盤の 25章と 26章に焦点をあわせ、このゴシック小説がいかなる主題的・技法的・構造的な着地点を見出しているのか、新進気鋭の大学院生 4名が研究発表を行い、フロアーからの質疑とフリー・ディスカッションに向けての話題を提供する。

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