本書は、巽先生によるまえがき「マニエリスト的無意識」から始まります。第一章は、F.O. マシーセンの『アメリカン・ルネッサンス』および「ルネッサンス」という歴史・言葉・概念を出発点としながら、アメリカ文学の地層(学)が探られていきます。第二章は、「ピクチャレスク」を最初の鍵に環大西洋的英米文学史が縦横無尽に語られ、第三章は、環太平洋的英米文学史にひらかれつつ、(日本の)アメリカ文学における戦争記憶やトランプ政権下の「いま」が再度俎上にあげられます。あとがきは高山先生による「マニエリスムな出会い方」、本書の出発点が明かされます。随所に図版・文献リストが散りばめられ、 『ユリイカ』( 2015年 3月臨時増刊号)に掲載された対談「『不思議の国のアリス』と/のアメリカニズム」も特別収録!ぜひご一読ください!
フィギュール彩 100
『マニエリスム談義——驚異の大陸をめぐる超英米文学史』
THE CRITIQUE OF MANNERISTIC REASON
高山宏 × 巽孝之
四六、308ページ
彩流社、1,800円 + 税、2018年 4月
※彩流社による本書紹介
【目次】
まえがき マニエリスト的無意識 /巽孝之
序章 なぜ、いま、マニエリスムなのか?
第一章 アメリカン・ルネサンスとマニエリスム
第二章 ピクチャレスク・アメリカ
第三章 アメリカ・文学・日本
終章 マニエリストはどう生きるか
特別収録 『不思議の国のアリス』と/のアメリカニズム
あとがき マニエリスムな出会い方 /高山宏
【関連リンク】
- 『ユリイカ 臨時増刊号』総特集「150年目の『不思議の国のアリス』」刊行!巽先生と高山宏先生による徹底討議「『不思議の国のアリス』と/のアメリカニズム」、小谷真理先生による「キャロル狩り」が掲載です!(CPA: 2015/02/05)
- 荒巻義雄氏最新作『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』(彩流社)が絶賛刊行中!『北海道新聞』に、巽先生による書評「未来誘う異界の奇跡」が掲載されています!(CPA: 2017/11/18)
- 荒巻義雄氏の代表作『神聖代』英訳版 The Sacred Era: A Novel がミネソタ大学出版より刊行!巽先生による序文 “Apocrypha Now!: Welcome to the Quintessence of Japanese Speculative Fiction” が寄稿されています!(CPA: 2017/07/01)
- Panic Literati #2 Hiroshi Takayama
- Panic Literati #4 Toshio Yagi
【関連書籍】
巽孝之×高山宏『マニエリスム談義——驚異の大陸をめぐる超英米文学史』(彩流社、2018年)
八木敏雄『マニエリスムのアメリカ』(南雲堂、2011年)
荒巻義雄『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』(彩流社、2017年)
Yoshio Aramaki /Translated by Baryon Tensor Posadas /Foreword by Takayuki Tatsumi, The Sacred Era: A Novel (U of Minnesota P, 2017) *amazon / 極東書店
『ユリイカ 2015年3月臨時増刊号 総特集◎150年目の『不思議の国のアリス』』