科研費研究会
ジョン・ウィンスロップ・ジュニアのトランスアトランティック・トランザクション——その展開と限界
ジョン・ウィンスロップ・ジュニアのトランスアトランティック・トランザクション——その展開と限界
講師:佐藤憲一(東京理科大学)
司会:巽孝之
日時:2021年 12月 3日(金)18:00-20:00
研究代表者:下河辺美知子(成蹊大学)
研究分担者:巽孝之、舌津智之(立教大学)
※ Zoomによるオンライン開催
※ 参加ご希望の方は、mayflower.compact.41★gmail.com(★→@)小泉までメールでお申し込みください。
【概要】※フライヤーより抜粋
本基盤研究(B)はメイフラワー・コンパクトが内包していた「排除/包括の理論」をさぐることによって、環大西洋文化を再定位し、アメリカ中心に進んできたグローバリゼーションの向かう方向を、環太平洋的視座も連動させつつ見定めることを目的としている。
マサチューセッツ植民地初代総督ジョン・ウインスロップの長子であるジョン・ウィンスロップ・ジュニアは、信仰にはさほど熱心ではなく、むしろ父によって固く禁じられた科学的探求や医術、さらには錬金術に熟達する、ひとことで言えば初期近代ヨーロッパに典型的な「知識人(ヴァーチュオー ゾ)」であった。彼の名声は北米植民地のみならずイギリスやヨーロッパ各地にまで及び、ロバート・ボイルやサー・アイザック・ニュートンとも親交を結んだとされる。 アメリカ通信員としてロンドン王立協会の数少ない創設メンバーに名を連ねたという事実は、初期近代トランスアトランティック文化圏における彼の地歩をよく説明するものと思われる。
融通無碍に大西洋の両岸を跋扈したこの異形のピューリタンは、メイフラワー・コンパクトが内包する「排除/包括の理論」 にどのように応答した、あるいは、せざるを得なかったのだろうか。発表ではまず、 父親の振りかざすメイフラワー・コンパクト的な包括の理論に抗うウィンスロップ・ジュニアのありようを、コットン・マザーによるジョン・ウィンスロップ・ジュニア伝を読み解くことで浮き彫りにしたい。そのうえで、ロンドン王立協会の自然誌収集プロジェクトに参画したウィンスロップ・ジュニアが、いかなる戦略をもって王立協会の北米植民地に対する覇権的振る舞いを排除しようと努めたかについて検討したい。
【関連リンク】
- 科学研究費・基盤研究 (B):「メイフラワー・コンパクトにおける「排除/包括の理論」と環大西洋文化の再定位」プロジェクトウェブサイト
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- 03/26: 科研費研究会「アメリカン・サイエンスとパラノイド・スタイルーーアメリカ科学思想史をジェディディア・モースから始めてみる」オンライン開催のお知らせ(14:30-16:30)(CPA: 2021/03/15)
- 02/28: 科研費研究会「ハート・クレイン——環大西洋の史学/詩学」オンライン開催のお知らせ(13:00-15:30)(CPA: 2020/02/14)
- 11/21: オンライン・科研費研究会「アメリカのネヘミヤとエズラが刻印したもの」(CPA: 2020/10/21)
- 02/19: 科研費研究会「地上の天と頭上の天――ピューリタン起源のダブルビジョン」@成蹊大学 6号館18:30-20:30/佐藤光重先生がご登壇なさいます!(CPA:2020/01/18)
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- 06/27: マイケル・J・コラカチオ先生特別講演会 “Consciousness and Ascription: Emerson and the Lonely Subject” のお知らせ@慶應義塾大学 三田キャン
【関連書籍】
佐藤憲一『異形のピューリタン—–ジョン・ウィンスロップ・ジュニアとトランスアトランティック・トランザクション』(春風社、2020年)