2020/03/20

ミネルヴァ書房より、巽先生&宇沢先生編著『よくわかるアメリカ文化史』刊行です!

本書『よくわかるアメリカ文化史』(ミネルヴァ書房)は、全六部構成。「近代国家以前」(第一部)から「南北戦争以前/以後」(第二部/第三部)、そして「 20世紀」(第四部)をつらぬき、「戦争と環境」および「環太平洋的ヴィジョン」(第五部/第六部)へと「アメリカ文化」の歴史を辿ります。もちろん、どこから読み始めるかは読者の自由!全 22章より成る各章は、おおむね三つのセクションを持ち(※第 12&18章は四つ、第 15章「ポップカルチャー」は充実の 12セクション!)、各セクションは見開き二ページの読み切りタイプで大変簡便。かくして織り重ねられる複数の「物語」を通じて、その多面的かつ魅力的な有様が浮かびあがります。

また、豊富に収録された図像群および各章附録のコラム(一ページの読み切りタイプ!)は、「一つのトピック」「一つの事物」「一つの作品」を出発点に、ときに日本という磁場からアメリカ文化の内奥を照射します(たとえば、最終章附録コラム二篇「原爆乙女」&「『ミリキタニの猫』(2006年)」など)。全セクションにおいて執筆担当者がおすすめする「おすすめ文献」も必見です。ご関心のある方は、ぜひお手にとってみてください!


『よくわかるアメリカ文化史』
巽孝之、宇沢美子編著
B5 / 244ページ
2020年 4月 10日刊行
本体 2,500円+税
ミネルヴァ書房による本書紹介
※各オンライン書店より注文可能です。

【目次】
はじめに
地図1 アメリカ全図と地域区分
地図2 1861年当時の自由州と奴隷州

序 アメリカ文化史の変容 (巽孝之)
第一部 近代国家以前 Early America
1 アメリカとヨーロッパの邂逅
 1 侵略か植民か (加藤有佳織)
 2 宗教をめぐって (小泉由美子)
 3 植民地文化と性 (加藤有佳織)
 コラム1 『ある産婆の日記』――性と医療する女 (加藤有佳織)
 コラム2 チャップブック――識字率の向上 (小泉由美子)

2 アメリカの魔女たち (白川恵子)
 1 セーラムの魔女狩りとその背景
 2 魔女狩りとインディアン・コネクション
 3 魔女狩りと文学表象
 コラム1 ピューリタン共同体の生活倫理と修辞的言説
 コラム2 魔女と映像作品

3 18世紀イギリス植民地と独立戦争
 1 ボストン茶会事件 (加藤有佳織)
 2 合衆国憲法とザ・フェデラリスト (駒村圭吾)
 3 ベンジャミン・フランクリンと出版文化 (佐藤光重)
 コラム1 描かれたアメリカ図像の変遷 (加藤有佳織)
 コラム2 ベンジャミン・フランクリンの暦 (佐藤光重)

第二部 南北戦争以前 Antebellum America
4 アメリカ固有の文化の誕生
 1 ミンストレル・ショー (大和田俊之)
 2 『アンクル・トムの小屋』とトム・ショー (常山菜穂子)
 3 ミュージカルの誕生 (常山菜穂子)
 コラム1 ジャズ・シンガー (大和田俊之)
 コラム2 クーン・ソング (大和田俊之)

5 アメリカン・ルネサンス――エマソンとホイットマン (佐久間みかよ)
 1 南北戦争前 VS 南北戦争後
 2 ラルフ・ウォルドー・エマソン――知識人の作法
 3 ウォルト・ホイットマンとほめる文化
 コラム1 出版界のライバル――19世紀のボストンとニューヨーク
 コラム2 「明白な運命」とカトリック布教

6 ペーパー・ムーン
 1 ピール対バーナム (細野香里)
 2 世界の詐欺師バーナムの見世物文化考 (細野香里)
 3 写真と広告――事始め(冨塚亮平)
 コラム1 バーナムとマイケル・ジャクソン (細野香里)
 コラム2 象のジャンボとオスカー・ワイルド (冨塚亮平)

7 南北戦争とリンカン大統領
 1 リンカンの演説――政治と宗教 (奥田暁代)
 2 南北戦争(南部)の遺産 (奥田暁代)
 3 南部再建と「黒人文化」形成 (奥田暁代)
 コラム1 リンカン映画史 (南波克行)
 コラム2 フォークナーからみる南部文学史事始め (山根亮一)

8 見えないものをみる方法――(疑似)科学の想像力
 1 身体を読む(疑似)科学――観相学と骨相学 (宇沢美子)
 2 人種の科学――アメリカ学派民族学 (宇沢美子)
 3 古代エジプトをめぐる人種戦 (宇沢美子)
 コラム1 Xからはじまる目には見えない光――X線,ラジウム,原子爆弾 (小林エリカ)
 コラム2 エジソンとテスラ(SF) (海老原豊)

9 金鍍金時代
 1 資本主義と投機 (久保拓也)
 2 物質文化と貧困――汚職と戯画の力 (久保拓也)
 3 マーク・トウェインと翻訳の世界 (石原剛)
 コラム1 マーク・トウェインの発明品 (久保拓也)
 コラム2 鍍金時代の豪邸 (石原剛)

第三部 南北戦争以後 Postbellum America
10 消費文化――複製,カタログ→消耗から消費へ (秋元孝文)
 1 貨幣,紙幣論からみたアメリカ
 2 デパート,ウィンドーショッピング,カタログ文化
 3 『オズの魔法使い』のウィンドー・ドレッシング
 コラム1 これぞ贋金?
 コラム2 万博とミュージアム,そして見世物文化

11 流行・食・身体美 (若林麻希子)
 1 19世紀「アメリカの神経症」大流行
 2 食べる文化と食べない文化
 3 健康美,不健康美,筋肉美
 コラム1 科学的調理法とアメリカの味覚
 コラム2 シャーロット・パーキンス・ギルマン『黄色い壁紙』

12 新しい女 (大串尚代)
 1 社会改革運動から「所感宣言」へ
 2 女性と宗教――スタントン『女性の聖書』をめぐって
 3 世紀転換期と新しい女性の出現
 4 高等教育と専門職への道
 コラム1 幻の女性大統領候補
 コラム2 避妊と中絶をめぐって

第四部 20世紀 Twentieth Century America
13 移民と階級
 1 すっぱ抜くジャーナリズム (辻󠄀秀雄)
 2 人種のるつぼからサラダボールへ――モデル・マイノリティの出現 (辻󠄀秀雄)
 3 スポーツとエスニック・アイデンティティ (粂川麻里生)
 コラム1 ミスター・ドゥーリーの新聞コラム (辻󠄀秀雄)
 コラム2 『ジャングル』 (辻󠄀秀雄)

14 モダニズムとハーレム・ルネサンス (有光道生)
 1 俳句とモダニズム
 2 キャバレー,ダンス,音楽(ハーレム身体文化)
 3 ハーレムを越えた「新しい黒人」のトランスナショナリズム
 コラム1 キング牧師をめぐる記憶と忘却
 コラム2 マルコムX――変身し続けるセルフ・メイド・マンの物語

15 ポップカルチャー
 1 音楽――ジャズ/ブルース (佐久間由梨)
 2 ハリウッド映画と作られた西部 (川本徹)
 3 ディズニーランドとアメリカ (常山菜穂子)
 4 カルト映画の逆説 (松井一馬)
 5 ラジオの時間 (三添篤郎)
 6 「法と秩序」は永遠に――長寿番組からみえてくるアメリカ (渡部桃子)
 7 インターネット,メディアと読者の変容 (長澤唯史)
 8 戯画と漫画 (中垣恒太郎)
 9 ペーパーバックとアメリカ (尾崎俊介)
 10 アメリカの自己啓発文学 (尾崎俊介)
 11 ポップカルチャーとしての乗り物 (山根亮一)
 12 有名人文化と社交界 (大串尚代)
 コラム1 ハリウッドと日本 (中垣恒太郎)
 コラム2 日本人俳優たち (川本徹)

16 冷戦と核とカウンターカルチャー
 1 赤狩りとマッカーシズム (渡邉真理子)
 2 ビート・ジェネレーションからヒッピーへ (渡邉真理子)
 3 ヴェトナム戦争の記憶とトラウマ (渡邉真理子)
 コラム1 広島からゴジラへ (粂川麻里生)
 コラム2 冷戦,9.11,トランプ政権時代――『高い城の男』という託宣 (下條恵子)

17 現代セクシュアリティ (渡部桃子)
 1 ベティ・フリーダン――全米女性機構(NOW)創設者の2つの顔
 2 性革命と,もう一つの(ヒ)ストーリー
 3 トランスジェンダー
 コラム1 アドリエンヌ・リッチと「レズビアン連続体」
 コラム2 ゲイ・イズ・グッドからLGBTへ――ゲイ解放運動の軌跡

第五部 戦争と環境 Intertextual America
18 戦争が作った/壊した「アメリカ」像
 1 メイド・イン・オキュパイド・ジャパン――占領下の日本製品を集める (田中荘子)
 2 ノベルティ産業からみた占領期日米関係 (田中荘子)
 3 ヴェトナム戦争 (濟藤葵)
 4 キューバ危機 (濟藤葵)
 コラム1 ものから見える世界――5W1Hの問いかけ (田中荘子)
 コラム2 POW/MIAの物語 (濟藤葵)

19 環境をめぐるアメリカの想像力 (松永京子)
 1 <汚染の言説>と環境運動
 2 核汚染を語る
 3 ネイティヴ・ニュークリア・ナラティヴ
 コラム1 「インディアンの涙」は「偽物」?
 コラム2 ブラックヒルズの「ウラン・ブーム」

第六部 環太平洋的ヴィジョン Trans-Pacific America
20 海とアメリカ捕鯨
 1 ペリーが浦賀にやってきた (田ノ口正悟)
 2 環太平洋と黄禍論 (田ノ口正悟)
 3 ハーマン・メルヴィルと捕鯨文学 (田ノ口正悟)
 コラム1 一枚の絵,アレゴリーとしてのパナマ運河 (大木雛子)
 コラム2 他者の顔貌――ペリーとテイラー (深瀬有希子)

21 科学最先端からみるアメリカ
 1 再生医療 (八代嘉美)
 2 遺伝子と家族の多様化 (波戸岡景太)
 3 宇宙開発 (波戸岡景太)
 コラム1 トランス・サイエンスの壁を超える (八代嘉美)
 コラム2 科学を名づけて,手なずける――新井卓「49 pumpkins」の三つの企み (波戸岡景太)

22 日米比較文化考――広島・長崎の語り方
 1 ノンフィクション・ノヴェルが歴史を作る――ジョン・ハーシー『ヒロシマ』 (巽孝之)
 2 原爆文学・漫画はグローバル化する (宇沢美子)
 3 空から死神が降臨する――オバマ大統領広島演説 (巽孝之)
 コラム1 原爆乙女 (宇沢美子)
 コラム2 『ミリキタニの猫』(2006年) (宇沢美子)

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