2018/10/22

巽先生新著『パラノイドの帝国――アメリカ文学精神史講義』11月8日刊行& 11月21日19:00@東京堂ホール 記念トークショウのお知らせ

巽先生の新著『パラノイドの帝国――アメリカ文学精神史講義』近日刊行予定です!2008年の編著『反知性の帝国――アメリカ・文学・精神史』(南雲堂)の第二部を成すともいえる本書は、反知性主義、反権威主義、陰謀史観、そしてポピュリズムを主軸として、アメリカ文学の正典作家から現代作家まで論じ尽くします。11月 8日に店頭に並びます!お楽しみに!

また、11月21日(水)19:00より、東京堂ホールにおいて刊行記念トークショウも下記のとおり開催されます!『異端の時代――正統のかたちを求めて』を刊行された森本あんり先生(国際基督教大学)とともに、トランプ以降のアメリカと世界の容を語ります。ご興味ある方はぜひお運びください。ご予約はお早めにどうぞ!

日時:2018年11月21日(水)19:00-(開場 18:30-)
会場:東京堂書店神田神保町店 6階 東京堂ホール(アクセス
会費:800円
予約:要 ※店頭または電話(03-3291-5181)にてご予約ください。ウェブサイトには専用予約フォームもございます。


著:巽孝之
判型:四六判
出版:大修館書店
刊行:2018年11月8日
価格:2200円+税
※詳細は大修館特設ウェブサイトをご覧ください

【目次】
はじめに――二一世紀エンサイクロペディアのために

序章 パラノイド・スタイルの精神史――ホフスタッターから始まる
1 リチャード・ホフスタッターの復権
2 『アメリカ政治におけるパラノイド・スタイル』を読み直す
3 ディックとピンチョンの遁走曲

第一章 愚行のパラドックス――テイラー、ゴールドウォーター、トランプ
1 魔弾の射手
2 共和党の耐えられない軽さ
3 愚行のパラドックス

第二章 感電するほどの墓碑銘を――メルヴィル、ブラッドベリ、ヘミングウェイ
1 魔女たちの末裔
2 モビイ・ディック連続体
3 ブラッドベリ・マシーン 

第三章 宇宙アパッチ族――ニール・ブロムカンプ『第9地区』論
1 サイバーパンク新世紀
2 『第9地区』再訪
3 エイリアン・アパッチ降臨
4 南アフリカSFの詩学

第四章 空から死神が降ってくる――ラヴクラフト、アンダーソン、村上春樹
 アンダーソンの『マグノリア』とファフロツキーズの記憶
2 村上春樹の『海辺のカフカ』に見る超自然と脱自然

第五章 惑星思考のスラップスティック――オールディス、筒井康隆、シェリー・ジャクソン
1 カトリーナの眼
2 「リトル・ボーイ再び」の系譜学
3 日米作家の環太平洋的想像力

第六章 都市は準宝石の螺旋のように――サミュエル・ディレイニー『ダールグレン』論
1 ディレイニーの作り方――人と作品
2 ベローナ観光案内――マルチプレックス都市
3 では「ダーレグレン」とは何か?
4 同時代評価からオフ・ブロードウェイまで      

第七章 モンローは誘惑する――トルーマン、ケネディ、ボラーニョ
1 モンロー・ドクトリンの二〇世紀
2 トルーマン・ショウの瞬間――『ナイアガラ』と戦争神経症
3 百年以上の孤独――『悪の法則』と神聖恐怖症
4 ボーダータウン・ナラティヴの起源

第八章 災害狂時代――トウェイン、バラード、ロビンスン
1 マーク・トウェインの「戦争の祈り
2 エコ・テロリズムの言説空間
3 カタストロフィリアの詩学は可能か? 

終章 内乱の予感――エル=アッカド、ウィンズロウ、エリクソン
1 米墨戦争/南北戦争再び
2 中東と中米のはざまで――ボーダー・ウェスタンの消息
3 スティーヴ・エリクソンのポスト・トランプ小説『シャドウバーン』

おわりに

【関連リンク】

『現代思想 2015年 2月号 特集=反知性主義と向き合う』(青土社、2015年)


巽孝之編著『反知性の帝国―アメリカ・文学・精神史』(南雲堂、2008年)


巽孝之『ニュー・アメリカニズム』(青土社、2005年)

巽孝之『メタファーはなぜ殺される』 (松柏社、2000年)