巻末所収の巽先生による解説では、20世紀後半における SF 定義論争を、日本も含めて概観しつつ、世界初のジャンル SF 専門誌『アメージング・ストーリーズ』の創始者ヒューゴー・ガーンズバックによるポー作品への賞賛を始めとし、70年代〜80年代に空前のSFブームが生じたなかで、ポー作品がさらに注目を集め、SF史的に再評価されてきた経緯がご説明されます。その上で、七つの作品一つ一つの読みどころが明らかに!「メルツェルのチェス・プレイヤー」「アルンハイムの地所」「灯台」は、SF・ファンタジー?春休みの一冊に、ぜひご一読ください!
エドガー・アラン・ポー
巽孝之訳
文庫、256頁
*新潮社による本書詳細
【目次】
大渦巻への落下
使い切った男
タール博士とフェザー教授の療法
メロンタ・タウタ
メルツェルのチェス・プレイヤー
アルンハイムの地所
灯台
解説 巽孝之
年譜
【関連リンク】
- 巽先生による翻訳ポー短編集第三巻『大渦巻への落下・灯台—SF&ファンタジー編 』(新潮文庫)が、2月26日刊行!(CPA: 2015/02/12)
- 第4回国際ポー会議のパネル "Originality and Plagiarism" にて、巽先生ご報告! "Origins of Originality: Poe, Noguchi, and Pound" @ローズベルトホテル(NY)9:00-10:15(CPA: 2015/02/06)
- リーハイ大学出版よりTranslated Poe が刊行!巽先生のご論文 "The Double Task of the Translator: Poe and His Japanese Disciples" が寄稿されています!(CPA: 2014/11/12)
- The Poe Studies Association
- 日本ポー学会
- フィラデルフィアでのポー国際会議にて巽先生司会(CPA: 2009/09/29)
- 巽先生が日本ポー学会第一回大会の特別講演の司会を担当!(CPA: 2008/08/23)
- 森晶麿氏による人気黒猫シリーズ第三弾『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』(早川書房)が待望の文庫化!巽先生が解説を寄せています!(CPA: 2015/02/04)
- Miscellaneous Works:解説・評論・講義(英文)//*巽先生のポー論文、"The Masque and/or the Red Death: A Deconstructive Reading" (1984) と"Literacy, Literality, Literature: The Rise of Cultural Aristocracy in 'The Murder in the Rue Morgue'" (1995) をお読みいただけます。
【関連書籍】
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『大渦巻への落下・灯台: ポー短編集 〈3〉 SF&ファンタジー編 』(新潮社、2015年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集〈1〉ゴシック編』(新潮社、2009年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編』(新潮社、2009年)
Contributed by Takayuki Tatsumi, Edited by Emron Esplin, Margarida Vale de Gato, Translated Poe (Perspectives on Edgar Allan Poe) (Lehigh UP, 2014)
巽孝之『NHKカルチャーラジオ 文学の世界 エドガー・アラン・ポー 文学の冒険家』(NHK出版、2012年)
Takayuki Tatsumi, Full Metal Apache: Transactions Between Cyberpunk Japan and Avant-Pop America (Duke UP, 2006)
八木敏雄、巽孝之編『エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携』(研究社、2009年)
巽孝之『E・A・ポウを読む (岩波セミナーブックス)』(岩波書店、1995年)
巽孝之、下河辺美知子、鷲津浩子『文学する若きアメリカ―ポウ、ホーソン、メルヴィル』(南雲堂、1989年)
笠井潔、巽孝之解説『群衆の悪魔 下 (デュパン第四の事件) (創元推理文庫)』(東京創元社、2010年)
森晶麿、巽孝之解説『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』(早川書房、2015年;単行本、早川書房、2012年)