巻末には、ルリユール叢書の特色の一つ「世界文学史・文化史が見えてくる作家年譜」として「ルイザ・メイ・オルコット年譜」が収録。大串先生による訳者解題では、発掘された煽情小説家としてのオルコットの軌跡、同時代アメリカ文学およびイギリス文学との共鳴を辿り、そこに託された女性の燃ゆる「言葉の力」についてご解説くださいます。引用されたセンテンスが静かに佇む帯と併せて、装幀も大変美しい一冊です。ぜひご一読ください!
【ルリユール叢書】
◆◆◆ Reliure(ルリユール)は「製本、装丁」を意味する言葉です。ルリユール叢書は、全集として閉じることのない世界文学叢書を目指し、多種多様な作品を綴じながら、文学の精神を紐解いていきます。一冊一冊を読むことで、読者みずからが<世界文学>を作りあげていくことを願って——(幻戯書房より)◆◆◆
※「<ルリユール叢書>発刊の言」は、こちら(幻戯書房 News [ 2019年 5月 14日])からお読み頂けます。
『仮面の陰に——あるいは女の力』
ルイザ・メイ・オルコット、大串尚代訳
ルリユール叢書
【目次】
第一章 ジーン・ミュア
第二章 出だしは上々
第三章 情熱と憤慨
第四章 発見
第五章 彼女のやり口
第六章 警戒
第七章 最後のチャンス
第八章 不安
第九章 レディ・コヴェントリー
ルイザ・メイ・オルコット(1832-88)年譜
訳者解題
【関連リンク】
【関連書籍】
大串尚代『ハイブリッド・ロマンス——アメリカ文学にみる捕囚と混淆の伝統』(松柏社、2002年)
フェリシア・ミラー・フランク、大串尚代訳『機械仕掛けの歌姫——19世紀フランスにおける女性・声・人造性』(東洋書林、2010年)