2016/05/04

巽先生のご著書『プログレッシヴ・ロックの哲学 増補決定版』が、河出書房新社より刊行されました!

2002年に『プログレッシヴ・ロックの哲学』が刊行されてから 14年。本書は、2002年度版から第一部「プログレッシヴ・ロックの哲学」と巻末「キメラの音楽−−プログレッシヴ・ロック 20選」を再録・改訂しつつ、第二部〜第四部が大幅に増補された決定版となっています。

増補された第二部「ロック文学の起源 プログレ SF論序説」には、総合講座「前衛と伝統」にご登壇されたことのある高野史緖氏の『ムジカ・マキーナ』を扱った「高野史緖、またはサイボーグ・ミュージックの交響楽」を含むほか、第三部は先日の『メカデミア』国際会議でのご講演と関連する「ロック漫画の詩学」となっています。また、第四部「ロック批評の方法−−幻惑の向こう側」には、キング・オヴ・ポップことマイケル・ジャクソン 後期のスタイルを思索する「晩年の人類」や、斎藤環氏との対談「ガラクタを金に変える錬金術─レッド・ツェッペリン論」などが収録。キメラの音楽にもう一つのアメリカの夢を見いだします。ぜひご一読ください!


『プログレッシヴ・ロックの哲学 増補決定版』
著:巽孝之
カバー:ロジャー・ディーン
四六 / 240p / 河出書房新社
2016年 4月 28日(刊行予定)
2,700円(本体 2,500円)
河出書房新社による詳細

【目次】
第一部 プログレッシヴ・ロックの哲学
第一章 キング・クリムゾン、または奇跡の恐竜
第二章 逆説の怪物─ひとつの理論体系
第三章 パトリック・モラーツ、またはプログレッシヴ・ロックの標準
第四章 エマーソン・レイク&パーマー、またはコンセプチュアル・アート
第五章 イエス、またはロマンティック・ファンタジア

第二部 ロック文学の起源 プログレ SF論序説
第一章 幻想音楽
第二章 キメラの楽典
第三章 佐藤春夫、または風流廃園譚のために
第四章 高野史緖、またはサイボーグ・ミュージックの交響楽
第五章 『サージェント・ペパーズ』神話体系─ビートルズ論

第三部 ロック漫画の詩学 
第一章 あしたのアロン─水野英子論
第二章 ロック・トリオの戦略─青池保子論
第三章 あのアメリカン・パイをもう一度─萩尾望都論
第四章 戦慄の少女─クイーン論

第四部 ロック批評の方法 幻惑の向こう側
第一章 紫の魂─ディープ・パープル論
第二章 永劫の旅人─デヴィッド・ボウイ論
第三章 晩年の人類─マイケル・ジャクソン論
第四章 ガラクタを金に変える錬金術─レッド・ツェッペリン論(対談:斎藤環 VS巽孝之)

キメラの音楽 プログレッシヴ・ロック 20選
エピローグ 1 『プログレッシヴ・ロックの哲学』初版後記
エピローグ 2 プログレッシヴ・ファンクの哲学


【関連リンク】

【関連書籍】
巽孝之『プログレッシヴ・ロックの哲学 増補決定版』(河出書房新社、2016年)

巽孝之×難波弘之 特別対談「長大なものでしか世界をすくい取れなかったあの時、イエスの美しき過剰は輝いた」『レコード・コレクターズ 』(2015年7月号)

巽孝之寄稿「漆黒の触媒—プログレッシヴ・ロックの中のキング・クリムゾンの特異性」『キング・クリムゾン (文藝別冊) 二十一世紀的異常音楽の宮殿』(2015年7月)