巽先生による序文 “Apocrypha Now!: Welcome to the Quintessence of Japanese Speculative Fiction” は、荒巻氏の伝記的背景および 1970年の氏の評論「術の小説論」と短篇「大いなる正午」の意義を確認した上で、本作『神聖代』(初版 1978年) を、本作原型短篇「種子よ」(1970) や同種メタ SF短篇「柔らかい時計」(1978)「トロピカル」(1972)「カストロバルバ」(1983)「ゴシック」(2001) だけでなく、1990年代以降における「仮想戦記小説シリーズ」への氏の文学的転換も考慮に入れて、読み解きます。
この機会にぜひご一読・ご再読ください!
なお、本書刊行に際しまして、極東書店による重要洋書案内「巽孝之 (慶應義塾大学教授) 著作・編集・寄稿タイトルリスト」が更新されました。こちらも要チェックです!
The Sacred Era: A Novel
Yoshio Aramaki
Translated by Baryon Tensor Posadas
Foreword by Takayuki Tatsumi
272 pages, 5 1/2 x 8 1/2
June 2017
University of Minnesota Press
$22.95 paper / $92.00 cloth
*ミネソタ大学出版による本書紹介
*amazon / 極東書店
CONTENTS
Foreword: Apocrypha Now! Welcome to the Quintessence of Japanese Speculative Fiction (Takayuki Tatsumi)
The Sacred Era
- The Sacred Service Examination
- Clara Hall
- The Quadrinity
- The Southern Scriptures
- Mechanical Doll
- Space Clock
- Sacred Route
- The Garden of Earthly Delights
Translator’s Acknowledgments
Chronology of Igitur’s Millennium of Prosperity
【関連リンク】
- 彩流社による全集詳細
- 荒巻義雄公式WEBサイト
- 『定本荒巻義雄メタSF全集附録 荒巻義雄年譜1933〜2015』 刊行(CPA: 2015/11/12)
- 第 8回配本『骸骨半島 花嫁他 (別巻)』刊行(CPA: 2015/09/28)
- 『骸骨半島』第 46回北海道新聞文学賞(詩部門)受賞者インタビュー(北海道新聞HP)
- 第 7回配本『柔らかい時計 (第1巻)』刊行(CPA: 2015/08/15)
- 第 6回配本『カストロバルバ/ゴシック (第 7巻)』刊行(CPA: 2015/08/12)
- 第 5回配本『神聖代 (第 6巻)』刊行(CPA: 2015/04/06)
- 第 4回配本『宇宙25時 (第 2巻)』刊行(CPA: 2015/03/12)
- 第 3回配本『時の葦舟 (第 5巻)』刊行(CPA: 2015/02/23)
- 第 2回配本『聖シュテファン寺院の鐘の音は (第 4巻)』刊行(2015/02/20)
- 第 1回配本『白き日旅立てば不死(第 3巻)』彩流社より刊行!巻末:巽先生 "Introduction" /付録:小谷先生「冴子の中のクリステヴァ」収録!(CPA: 2014/11/22)
- 大著『北の想像力——《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』(岡和田晃編、寿郎社)刊行!第 51回日本 SF大会 Varicon 2012にて開催され、巽先生と小谷先生がご登壇されたパネル「北海道SF大全」再録!(CPA: 2014/06/01)
- 特別展「荒巻義雄の世界」開催記念パネルディスカッション「荒巻 SF の原点を語る」に巽先生、小谷先生ご登壇@北海道立文学館(CPA: 2014/01/21)
【極東重要洋書案内】
最新版「巽孝之 (慶應義塾大学教授) 著作・編集・寄稿タイトルリスト」
【関連書籍】
Yoshio Aramaki /Translated by Baryon Tensor Posadas /Foreword by Takayuki Tatsumi, The Sacred Era: A Novel (U of Minnesota P, 2017) *amazon / 極東書店
荒巻義雄『神聖代 (定本荒巻義雄メタ SF全集 第 6巻)』(彩流社、2015年)
荒巻義雄『柔らかい時計 (定本荒巻義雄メタ SF全集 第 1巻)』(彩流社、2015年)
岡和田晃編『北の想像力 《北海道文学》と《北海道 SF》をめぐる思索の旅』(寿郎社、2014年)