2015/09/28

巽先生が編集委員の 1人をつとめられる、定本荒巻義雄メタ SF全集の第 8回配本『骸骨半島 花嫁他 (別巻)』(彩流社)刊行中です!

作家・荒巻義雄氏の初期メタ SFの名作が、巽先生を編集委員の 1人にむかえ、全 7巻で彩流社より復刻されました。大好評につき、第 8回配本として別巻『骸骨半島 花嫁他』が刊行決定。絶賛発売中です!

本巻は、第 46回北海道新聞文学賞を受賞した処女詩集『骸骨半島』(+3編)と、旭太郎名義のメタ俳句 100句が掲載されております。荒巻氏による「覚え書き」(2011年7月)では、詩を改めて書き始めた契機としてのアイスランド取材旅行体験、英国帰化詩人 T・S・エリオットの魅力や「憂鬱な時代」における詩の使命が綴られます。また、工藤正廣氏(詩人/ロシア文学者)による解説では、荒巻氏をガスパディン・アラマキと呼び、ロシア詩人 V・フレーブニコフとの共振性を提示されながら、詩集巻頭の「老人と飛行士」から「ウォール」「バタフライ・ソング」「化石の書庫」「エリオット氏に捧げる詩」「タイムズ スープ」を辿りつつ、「アラマキ・ポエティカ」における、暗黒のニヒリズムと愛への反転をご指摘されます。

なお、併録として 8本の傑作短編&ショート・ショートが掲載されるほか、ルイス・シャイナー氏による解説「日本 SF英訳計画」と、荒巻氏による「<定本 荒巻義雄メタ SF全集>のためのあとがき」が掲載されています。<付録 月報 8>には、荒巻氏による「<詩の精神>が<SF>を書かせる」に加え、藤元登四郎氏(精神科医/ SF評論家)による「荒巻義雄の詩学」と岡和田晃氏(SF評論家/ライター)による「「世界にあけられた弾痕」にふれて」が収録。憂鬱な時代に言葉の可能性を探究した一冊。氏の詩学を求めて、本巻もぜひご一読ください! 


『骸骨半島 花嫁他 (定本荒巻義雄メタSF全集 別巻)』
荒巻義雄
巽孝之、三浦祐嗣 編
イラスト:中野正一、装幀:渡辺将史
推薦帯:夢枕獏
四六判 / 353ページ / 上製
定価:3,200円 + 税
2015年 7月刊行
彩流社による本書詳細

【目次】
骸骨半島
 老人と飛行士
 骸骨半島
 ウォール
 バタフライ・ソング
 化石の書庫
 エリオット氏に捧げる詩
 タイムズ スープ
 上昇通路
 一分一幾何学
 無限印刷機
 樵(きこり)の哲学
 霞論哲学
 フロイト博士の貸家
 表徴の帝国よりあなたへ
 アインシュタイン・タンゴ
 解体現象学
 神の三角函数
 淤能碁呂島幻歌(おのごろじまげんか)
 虫族の詩(うた)
 世界接触部品

追加三編(2011年 8月 30日以降)
 花嫁
 神話
 カット・アップ・レストラン

覚え書き
解説 工藤正廣(詩人・ロシア文学者)

虚数界−−メタ俳句自選百句 旭太郎名義

短編&ショート・ショート
 花嫁
 紅い世界
 土星の環の上で
 スネーク
 測量士
 工具惑星
 カリフィヤの少年
 パンフー・ヤクザ

解説 日本SF英訳計画 ルイス・シャイナー(海老原豊訳)

<定本 荒巻義雄メタ SF全集>のためのあとがき
 SF作家の幻視眼−−未来はどうなるか?
 謝辞/あたかも星座のごとく

Introduction (Takayuki TATSUMI)

<付録 月報 8>
<詩の精神>が<SF>を書かせる 荒巻義雄
荒巻義雄の詩学 藤元登四郎(精神科医・SF評論家)
「世界にあけられた弾痕」にふれて 岡和田晃(SF評論家・ライター)


*なお、全集全体は下記のとおりです:
  • 第 1巻「柔らかい時計」(第 7回配本)// 既刊
  • 第 2巻「宇宙 25 時」(第 4回配本)// 既刊
  • 第 3巻「白き日旅立てば不死」(第 1回配本)// 既刊
  • 第 4巻「聖シュテファン寺院の鐘の音は」(第 2回配本)// 既刊
  • 第 5巻「時の葦舟」(第 3回配本)// 既刊
  • 第 6巻「神聖代」(第 5回配本)// 既刊
  • 第 7巻「カストロバルバ/ゴシック」(第 6 回配本)// 既刊
  • 別巻「骸骨半島 花嫁他」(第 8回配本)

【関連リンク】

【関連書籍】
荒巻義雄『骸骨半島 花嫁他 (定本荒巻義雄メタ SF全集 別巻)』(彩流社、2015年)