2014/11/22

荒巻義雄メタSF全集第1回配本『白き日旅立てば不死(第3巻)』が彩流社より刊行!巻末に巽先生による "Introduction" 、付録に小谷先生による「冴子の中のクリステヴァ」が収録されています!

以前にCPAで取り上げさせて頂いたことのある、作家・荒巻義雄氏の初期メタSFの名作が、全7巻にて、彩流社より復刻されることになり、巽先生が編集委員をつとめられています。このたび、第1回配本『白き日旅立てば不死 (定本荒巻義雄メタSF全集 第 3巻)』 が刊行!巻末には、巽先生によります "Introduction" が、付録には、小谷先生によります「冴子の中のクリステヴァ」が収録されております!

本書は、荒巻義雄氏による1972年の処女長編!その後、早川書房(1976年)と角川書店(1980年)より文庫化されました。主人公の白樹直哉は、優等生の道を順当に進み堅実な会社に就職したにもかかわらず、突如、日本を飛び出し香港をはじめとしヨーロッパへと放浪する過去を持ちます。しかし、精神病院に入院し部分的に記憶を剥落させる主人公は、事実と虚構を混濁させていき…。数学の論理性と賭博のランダム性との狭間をのぞいた主人公の狂気は、翻って、読者の正気の基盤に迫ります。

巽先生の "Introduction" では、荒巻氏の作品が、1960年代のニューウェーブから80年代のサイバーパンクに至るSF史に文脈化され、小谷先生の「冴子の中のクリステヴァ」では、70年代以降におけるフェミニストたちのユートピアニズムと本書の邂逅が浮き彫りにされます。なお、本書には、これまで書かれた荒巻氏本人によるあとがきと、付録として書き下ろし「本作の執筆の裏側」が収録!読み応え抜群の一冊となっております。ご興味のある方は、ぜひご一読ください!


『白き日旅立てば不死 (定本荒巻義雄メタSF全集 第 3巻)』
著:荒巻義雄
編:巽孝之、三浦祐嗣
判型:四六
頁数:394
出版:彩流社
刊行:2014年11月
価格:3,200円 + 税
彩流社による本書詳細
彩流社による全集詳細

【目次】
第一章 森の街の記憶
第二章 虚なる勝利
第三章 憂鬱なる季節
第四章 陽光の寛解
第五章 裁かれし者

参考・白樹直哉の主要経路——創作ノートより
あとがきにかえて(早川書房ハードカバー版)
あとがきに代えて(角川文庫版)

解説 漂白する魂の記憶(ファラオ企画版)
解説 鏡明(ハヤカワ文庫版)
解説 波津博明(角川文庫版)
Introduction (Takayuki TATSUMI)

<付録>
物語る脳 荒巻義雄
冴子の中のクリステヴァ 小谷真理

*なお、全集全体は下記のとおりです:
  • 第1巻「柔らかい時計」(第7回配本)// 2015 年5月
  • 第2巻「宇宙25 時」(第4回配本)// 2015 年2月
  • 第3巻「白き日旅立てば不死」(第1回配本)// 今回配本
  • 第4巻「聖シュテファン寺院の鐘の音は」(第2回配本)// 2014 年12 月
  • 第5巻「時の葦舟」(第3回配本)// 2015 年1月
  • 第6巻「神聖代」(第5回配本)// 2015 年3月
  • 第7巻「カストロバルバ/ゴシック」(第6 回配本)// 2015 年4月

【関連リンク】

【関連書籍】
荒巻義雄『白き日旅立てば不死 (定本荒巻義雄メタSF全集 第 3巻)』(彩流社、2014年)


岡和田晃編『北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』(寿郎社、2014年)

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