加えて、音楽シーンに欠かせないランキングのシステムに歴史的・メディア的分析が与えられるほか(第四章)、ヒップホップにおけるアフリカ系とアジア系(とゲーム音楽)の相互交流や(第三章)、アジア系である BTSの成功を用意した歴史的土壌が考察され(第九章)、最終章では、20世紀初頭のスペイン風邪を参照しつつ、21世紀の新型コロナウイルス感染症のパンデミックがアメリカのエンタテインメントおよびテクノロジーにいかなる変容を迫ったのかが浮彫にされます(第十章)。一人一人のアーティストや事象に寄り添いながら、2010年代〜2020年代のアメリカ音楽に生じた種々の現象を、社会的・歴史的文脈からダイナミックかつ詳細に分析します。各章末尾には、関連するアーティストのディスコグラフィも収録。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!
『アメリカ音楽の新しい地図』
大和田俊之
四六版、248ページ
筑摩書房、2021年 12月 23日
【目次】
- テイラー・スウィフトとカントリーポップの政治学
- ブルーノ・マーズとポストコロニアル・ノスタルジア
- ヒップホップにおけるアフロ=アジア
- 音楽メディアとランキング・システム
- ラナ・デル・レイとフェイクの美学
- チャンス・ザ・ラッパーとシカゴの政治/文化
- ケンドリック・ラマーと黒のグラデーション
- カーディ・Bとリズム・オブ・ジ・アメリカス
- BTSと「エイジアン・インヴェイジョン」
- パンデミックとアメリカ音楽
【関連リンク】
- 筑摩書房
- 大学院巽ゼミOB大和田俊之先生、初の単著『アメリカ音楽史』が、講談社選書メチエより刊行されました(CPA: 2011/04/23)
- 大学院巽ゼミOBの大和田俊之先生、院生の山根亮一さん、二大受賞のお知らせ(CPA: 2011/11/18)
- 大和田俊之先生共著『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング)、絶賛発売中(CPA: 2011/11/24)
- 大学院OB大和田俊之先生の新共著『文化系のためのヒップホップ入門2』が刊行されました!(CPA: 2018/09/28)
- Panic Americana #13 “Mirror”(※大和田先生によるギルモア氏アテンド日記「雷門!浅草寺!隅田川!ジャパネスク万歳!VIVA! オリエンタリズム!」収録)
- Panic Americana #16 “Cacophony”(※「大和田先生おめでとう!出版&受賞記念取材」収録)
- Panic Americana #18 “Alternative”(※大和田先生による「<オルタナティヴ>な音楽とは?」収録)
- Panic Americana #21 “Glittering”(※大和田先生による「絢爛と荒廃のニューヨーク」収録)
- Panic Americana #25 “Panicologic”(※大和田先生インタビュー「巽ゼミ生のためのヒップホップ入門」収録)
【関連書籍】
大和田俊之『アメリカ音楽史——ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社選書メチエ、2011年)
大和田俊之、長谷川町蔵『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング、2011年)
大和田俊之、長谷川町蔵『文化系のためのヒップホップ入門2』(アルテスパブリッシング、2018年)
大和田俊之、長谷川町蔵『文化系のためのヒップホップ入門3』(アルテスパブリッシング、2019年)