巽ゼミの年間誌「パニック・アメリカーナ」最新号にして、ハードコピーでの最終号がついに刊行されました!第25号となる今年のパニカメのテーマは「PANICOLOGIC」。紙面としての Panic Americanaに一旦の終止符が打たれる今号では、本誌の名前 “Panic Americana”をなぞりながら、いったいパニックとは何であったのかを再考しました。今から四半世紀前、パニカメ創刊の前年 1995年は阪神淡路大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件などに見舞われた年であり、文字通りの “Panic”で始まる一年でした。時は流れ 2020年、コロナ・パンデミックが私たちの生活を大きく変化させ、世界中に大きな苦しみをもたらしました。そうした状況の中で、近年成立した “Panicology”(パニック学、パニック研究)という学問体系の名前から、本誌のテーマを設定しました。
——“Panic”とは何か?
“Panic”とは、ある人の嘆き——その人はとても苦しんでいるから、“Panic”を訴える
あるいは “Panic”とは、ある人の夢——その人は “Panic”におねだりをして、心を満たす鮮やかな驚きや、誰かを支配するための怪しい幻想を手に入れようとする
そして “Panic”とは、ある人の友達——その人は “Panic”を憎みながらも深く愛するから、 “Panic”は姿を変えながら繰り返しその人に出逢いにいく
私たちのパニック・アメリカーナが多くの方に出会えますように。
CONTENTS
HIGH LIGHT
- 4-7 #巽先生のおうち時間
- 24-39 鼎談 PANICOLOGIC 巽孝之×小谷真理×坂手洋二
- 40-44 2期生 山口恭司 And miles to go before I sleep
- 50-52 最後の巽ゼミ生に聞いてみた!
- 54-56 ゼミでのPANICエピソード
- 99 パニマークス Panimarks
- 100-121 パニカメハードコピー 最終号記念 Bonus Track 巽先生の単著をめぐる論考&裏話
ESSAY
- 8-12 巽孝之 PANIC ACADEMIA
- 14-19 小谷真理 パニックを始末する
- 18-22 大串尚代 1997年のリモート講義
- 46-48 ゼミ代表はやしはるか ゼミ大奉公体験記
- 78-83 Larry McCaffery Somewhere Over the Rainbow: 10 Things I Have to Thank the Pandemic for..
CHALK TALK
- 58-64 巽孝之研究会4年西山祥 A is for Adaptation
- 72-76 有光道生 ソーシャル・スリラー新時代
INTERVIEW
- 64-71 加藤有佳織 いざ行かん!日系アメリカ文学のすゝめ
- 84-93 大和田俊之 巽ゼミ生のためのヒップホップ入門
- 94-98 南波克行 俺はスピルバーグで行く!