2019/01/06

「反知性主義とアメリカ精神史――文学という虚構が現実をつくり変えている」(『図書新聞』第3382号)掲載のお知らせ

巽先生の新著『パラノイドの帝国――アメリカ文学精神史講義』(大修館書店、2018年)の刊行を記念したトークショウ『パラノイドの帝国』刊行記念 「異端の時代のパラノイド・スタイル――ホフスタッターを超えて」(2018年11月21日@東京堂ホール)が、『図書新聞』第3382号(2019年1月12日付)に全文掲載されています。巽先生と森本あんり先生が「虚構」を鍵語としてトランプ以後のアメリカを論じ尽くす対談のすべてをお読みいただけます。ご関心お持ちの方は、ぜひご覧ください!


著:巽孝之
判型:四六判
出版:大修館書店
刊行:2018年11月8日
価格:2200円+税
※詳細は大修館特設ウェブサイトをご覧ください

【目次】
はじめに――二一世紀エンサイクロペディアのために

序章 パラノイド・スタイルの精神史――ホフスタッターから始まる
1 リチャード・ホフスタッターの復権
2 『アメリカ政治におけるパラノイド・スタイル』を読み直す
3 ディックとピンチョンの遁走曲

第一章 愚行のパラドックス――テイラー、ゴールドウォーター、トランプ
1 魔弾の射手
2 共和党の耐えられない軽さ
3 愚行のパラドックス

第二章 感電するほどの墓碑銘を――メルヴィル、ブラッドベリ、ヘミングウェイ
1 魔女たちの末裔
2 モビイ・ディック連続体
3 ブラッドベリ・マシーン 

第三章 宇宙アパッチ族――ニール・ブロムカンプ『第9地区』論
1 サイバーパンク新世紀
2 『第9地区』再訪
3 エイリアン・アパッチ降臨
4 南アフリカSFの詩学

第四章 空から死神が降ってくる――ラヴクラフト、アンダーソン、村上春樹
 アンダーソンの『マグノリア』とファフロツキーズの記憶
2 村上春樹の『海辺のカフカ』に見る超自然と脱自然

第五章 惑星思考のスラップスティック――オールディス、筒井康隆、シェリー・ジャクソン
1 カトリーナの眼
2 「リトル・ボーイ再び」の系譜学
3 日米作家の環太平洋的想像力

第六章 都市は準宝石の螺旋のように――サミュエル・ディレイニー『ダールグレン』論
1 ディレイニーの作り方――人と作品
2 ベローナ観光案内――マルチプレックス都市
3 では「ダーレグレン」とは何か?
4 同時代評価からオフ・ブロードウェイまで      

第七章 モンローは誘惑する――トルーマン、ケネディ、ボラーニョ
1 モンロー・ドクトリンの二〇世紀
2 トルーマン・ショウの瞬間――『ナイアガラ』と戦争神経症
3 百年以上の孤独――『悪の法則』と神聖恐怖症
4 ボーダータウン・ナラティヴの起源

第八章 災害狂時代――トウェイン、バラード、ロビンスン
1 マーク・トウェインの「戦争の祈り
2 エコ・テロリズムの言説空間
3 カタストロフィリアの詩学は可能か? 

終章 内乱の予感――エル=アッカド、ウィンズロウ、エリクソン
1 米墨戦争/南北戦争再び
2 中東と中米のはざまで――ボーダー・ウェスタンの消息
3 スティーヴ・エリクソンのポスト・トランプ小説『シャドウバーン』

おわりに

【関連リンク】

【関連書籍】
リチャード・ホフスタッター『アメリカの反知性主義』(原著1963年;みすず書房、2003年)



森本あんり『異端の時代――正統のかたちを求めて』(岩波新書、2018年)



『現代思想 2017年 1月号 特集=トランプ以後の世界』(青土社、2017年)

『現代思想 2015年 2月号 特集=反知性主義と向き合う』(青土社、2015年)


巽孝之編著『反知性の帝国―アメリカ・文学・精神史』(南雲堂、2008年)


巽孝之『ニュー・アメリカニズム』(青土社、2005年)

巽孝之『メタファーはなぜ殺される』 (松柏社、2000年)