本書は四部構成。序章には、初学者にむけられた二つの文章が「英文学への招待」として収録されています。第一部には、ジェイン・オースティン、アントニー・トロロプ、イーヴリン・ウォー、チャールズ・ディケンズ、および生涯研究されたジョン・ヘンリー・ニューマンを題材にして「紳士像」を考察された論考がおさめられています。続く第二部には、戦後 40年間教鞭を執られた上智大学とご専門のカトリシズムに関わる思索が、第三部には、1964年より毎夏訪れていた避暑地・富士見をめぐる随想が、第四部には巽豊彦先生の父・巽孝之丞氏の小伝(草稿)が収録されています。
なお、編者序文では巽先生による「一粒の砂のうちに」、解説では小谷先生の「午後の紅茶のあとさきで」がお読み頂けます。ぜひご一読ください!
『人生の住処』
巽豊彦著、巽孝之編
四六判、256ページ
表紙:橋元正一
彩流社、2016年 11月
2,500円 + 税
*彩流社による本書紹介
【目次】
編者序文
一粒の砂のうちに 巽孝之
序章 英文学への招待
第一章 英国と英語と英文学
第二章 偶然の世界
第一部 イギリス小説の紳士像
第一章 オースティンにおける紳士像
第二章 トロロプにおける紳士像
第三章 ウォーとカトリシズム
第四章 ディケンズにおける紳士像−− Great Expectations の場合
第五章 ニューマンの大学論−−理想としての自由教育
第二部 上智大学とカトリシズム
第一章 ニューマン・岩下・吉満−−復興への軌跡
第二章 舟川一彦著『十九世紀オックスフォード−−人文学の宿命』
第三章 戦後の高揚期を偲びつつ−−追憶の『ソフィア』
第四章 安堵の沙汰やみ−−刈田元司教授回想
第五章 極右と極左−−秋山健教授追悼
第三部 終の避暑地で
第一章 松目への道
第二章 ブブノワさんと富士見
第三章 ある修道士の生涯−−アロイジオ神父のこと
第四章 大学誘致の夢
第四部 ある伝記の試み−−父・巽孝之丞
巽孝之丞小伝(草稿)
巽豊彦 年譜
初出一覧
解説
午後の紅茶のあとさきで 小谷真理
索引
【関連リンク】
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【関連書籍】
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