2014/08/02

2014/07/01-:ジェラルド・ヴィゼナー先生来日記念講演レポート(Panic Literati #5)

以前にCPAでも告知したとおり、さる2004年7月、アメリカを代表する作家ジェラルド・ヴィゼナー先生が10年振りに来日され、記念講演「先住民作家ジェラルド・ヴィゼナーの神話的世界 」が行われました。これを記念しまして、巽先生と親交の深い作家・批評家・研究者を取り上げる Panic Literati にて、ヴィゼナー先生を特集いたします!慶應義塾大学三田キャンパス(7月1日)と、国際文化会館図書室(7月3日)で行われた講演会の原稿を特別に掲載!巽研究会の院生より寄せられた講演会レポート10本とともに、講演会を振り返ります。(*こちらよりお読みいただけます)

今回行われた講演会では、「トランスモーション」の概念が一貫して強調されていました。7月1日の講演会では、トランスモーションの視点から、アメリカを代表する作家ハーマン・メルヴィルの傑作長篇『白鯨』が読み解かれ、7月3日の講演会では、同じくトランスモーションを下敷きとし、日本の俳句と照らし合わしながら、先生の新著 Favor of Crows についてのお話とご朗読が行われました。

7月1日の講演会へは、6本の院生レポートが寄せられています。研究者としてのヴィゼナー先生による『白鯨』の鮮やかな読解方法に注目するもの、こうした先生の方法論によって提示された「白鯨」の姿にあらためて驚嘆するものがある一方、質疑応答で交わされたインディアン・アートをめぐるお話に着目するものもあり、まことにヴァラエティに富んだ構成となりました。7月3日の講演会に関する3本のレポートでは、詩人としてのヴィゼナー先生に魅了されながら、それぞれ「巡り合わせ」「喪失」「詩人の声」に目を向けております。また、1日の講演会後にひらかれた懇親会の様子も、「ワインと笑いとアイロニー」と題し、特別に報告していただきました!

3日以降に予定されていた講演会は、先生の健康の都合上、残念ながら中止となってしまいましたが、慶應義塾大学と国際文化会館で行われた講演会の模様が、まことに僭越ではありますが、少しでもお伝えできれば幸いです。

◆◆◆ Panic Literati #5 Gerald Visenor ◆◆◆
こちらよりお読みいただけます)



【関連リンク】

【関連書籍】
Griever: An American Monkey King in China (U of Minnesota P, 1987/ニューヨーク・フィクション・コレクティヴ文学賞と全米図書賞をダブル受賞)

ジェラルド・ヴィゼナー 著、大島由起子訳『逃亡者のふり――ネイティヴ・アメリカンの存在と不在の光景』(開文社出版、2002年)

Fugitive Poses: Native American Indian Scenes of Presence and Absence(U of Nebraska P, 1998)

Hiroshima Bugi: Atomu 57 (Lincoln: U of Nebraska P, 2003)

Survivance: Narratives of Native Presence (U of Nebraska P, 2008)

Blue Ravens: Historical Novel (Wesleyan, 2014)

Favor of Crows: New and Collected Haiku (Wesleyan UP, 2014)