「結婚は友情の墓場ですもの」と言う主人公エライザ・ウォートン。本作は、実在の人物エリザベス・ホイットマンに霊感を得たアメリカ感傷小説群ウィリアム・ヒル・ブラウン『共感力』、スザンナ・ローソン『シャーロット・テンプル』に連なりつつ、満を持してホイットマン/ウォートンを中心に据えたもの。婚約者ハリー亡き後、ボイヤー牧師と遊び人サンフォード少佐とのあいだで揺れてみせるウォートン嬢、さて、その結末は?全 74通の書簡は、登場人物たちの関係・思惑・感情および種々の駆け引きを生き生きと浮かび上がらせます。
訳者・田辺千景氏による解説「見知らぬ人たちの涙」は、18世紀末ニューイングランドの白人中・上流階級社会を念頭に、「友」「見知らぬもの」「馬車」「ウォーカー(歩く人・我が道を行く人)夫人」を切り口にして、本作を読み解きます。この機会にぜひご一読ください!
アメリカ古典大衆小説コレクション 6
『コケット−−あるいはエライザ・ウォートンの物語』
ハナ・ウェブスター・ フォスター
訳・解説:田辺千景
四六、271頁
松柏社、2017年 6月
2970円(税込)
*松柏社による本書紹介
【目次】
コケット−−あるいはエライザ・ウォートンの物語
解説「見知らぬ人たちの涙」(田辺千景)
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『コケット−−あるいはエライザ・ウォートンの物語』(アメリカ古典大衆小説コレクション 6; 松柏社、2017年)
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