2020/12/06

『機関精神史』2020年第 3号に巽先生ロング・インタビュー「アフロ・マニエリスム談義——「ダーク・マター」から「ブラック・ライヴズ・マター」へ」が掲載されています!

『機関精神史』は、「編集人・後藤護(暗黒批評)と刊行人・高山えい子(詩人)によって発足された「超」批評誌。林達夫「精神史」と山口昌男「歴史人類学」の二つの方法論の現代への復権を目論むという建前以上に、「高山宏の恐るべき子供たち」というサブテーマに固執」(公式 HPより)。現在絶賛刊行中の第三号は「アフロ・マニエリスムの驚異」を特集 です!

本号収録の「アフロ・マニエリスム談義——「ダーク・マター」から「ブラック・ライヴズ・マター」へ」は 50ページ以上にわたる巽先生への超ロング・インタビュー。トニー・タナーの『驚異の支配』やラルフ・エリスンの『見えない人間』を呼び水としながら、巽先生のとらえるアフロ・マニエリスムの系譜が照らされます(必見!)。同時に、1990年代の「時代精神」を刻んだ『サイバーパンク・アメリカ』、或いは『ニュー・アメリカニズム』『プログレッシヴ・ロックの哲学』、Full Metal Apache 等々を地脈に、実地にその身を寄せられたコーネル・アフロ・コネクションや慶應の精神史も克明に辿りつつ、今日の BLMのみならぬ Yellow Lives Matterの諸相よりアフロ・エイジアン・マニエリスムの可能性も問いかけます。

インタビュー末尾には先生による “Further Reading for Afro-Mannerism”も掲載!この機会に、未読の方は巽先生と高山先生による『マニエリスム談義——驚異の大陸をめぐる超英米文学史』(彩流社)も併せてどうぞ!

また、本号は有光道生先生による「ブードゥーから舞踏へ——キャサリン・ダナム、土方巽、トラジャル・ハレルによる「黒さ」の文化横断的再成型リ・ファッショニング」(訳:松井一馬先生)も収録。土方とダナムのこれまで見過ごされてきた環太平洋的邂逅をあらためて照射することで、ハレル舞踏における再成型の文化的意義をアフリカ系とアジア系のパフォーマティブな交流史に位置付け、その可能性を探り(続け)ます。ご関心のある方は、ぜひお手にとってみてください!

※本誌の販売は、年二回の文学フリマ東京に限られているそうです。販売情報は公式ツイッターおよび公式ホームページを要チェックです!



『機関精神史』
第 3号:特集*アフロ・マニエリスムの驚異
2020年 11月
編集人:後藤護
発行人:高山えい子

【目次】
序 アフロ・マニエリスムの黒い閃光

interview
アフロ・マニエリスム談義——「ダーク・マター」から「ブラック・ライヴズ・マター」へ(巽孝之/聞き手・構成:後藤護)

ideas
  • 髑髏柳(ランシブル)
  • シグニファイング・イエローモンキー——木島始の道化的知(山田宗史)
  • フリージャズ経済論(序の巻)——ビル・ディクソンのおたまじゃくしはカエルの夢を見るか?(工藤遥)
  • スクリーンに映る黒人の/への恐怖——ジョーダン・ピールと反逆する映画たち(西山智則)

translations
  • ブードゥーから舞踏へ——キャサリン・ダナム、土方巽、トラジャル・ハレルによる「黒さ」の文化横断的再成型リ・ファッショニング(有光道生/訳:松井一馬)
  • 【連載翻訳】空間的歴史——歴史に関する三つのテクスト(ミハイル・ヤンポリスキイ/訳:澤直哉+八木君人)

books
書物漫遊記——書物のブ(ラ)ック・ホールへ

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