先日逝去されました浅利慶太氏の追悼特集に続いて、『三田文學』初代編集長の永井荷風をめぐる特集が組まれています。特集「永井荷風と慶應義塾」には、巽孝之先生が「横浜正金銀行の文学史――漱石、荷風、米次郎」、ピーター・バナ―ド氏が「婬賓履怕客説――永井荷風「来訪者」の怪奇性をめぐって」、YOUCHAN氏が「荷風の幻影を追って」を寄稿されています。荷風の新たな一面を知ることのできる魅力的な特集です!
小特集は、戦後の『三田文學』編集部を担った奥野信太郎について、没後50年記念シンポジウムの模様が収められ、「中国の大学生」も再録されています。また、高橋昌男氏の「京極為兼の本懐」、今福龍太氏の「迷宮の夢見る虎」も引き続き連載され、新たに佐藤元状先生の映画評論「電影的温故知新」も始まりました。
この機会にぜひお手にとってみてください!
『三田文學』
No. 135( 2018年秋季号)
三田文学会
2018年 10月 10日発売
定価 980円(税込)
※三田文学による本誌紹介
※ご購入は三田文学会 HPの専用ページからどうぞ
【目次】
巻頭詩
「(デジタルバード、合わせ鏡のなかの)」 川村均
追悼 浅利慶太
- 「浅利さんを思う」 坂上弘
- 「LAのシェイクスピア」 横山千晶
- 〔インタビュー〕 「劇団四季 吉田智誉樹」 聞き手:関根謙
- 〔再録〕 「四季劇場竣工式典挨拶」 浅利慶太
- 「ユンタクサンド(or 砂の手)」 崎山多美
- 「最果てとしてのいま」 佐藤述人
- 「吾妹子」 大嶋岳夫
「水の繭期」 川口晴美
随筆
「幻想のカタストロフィー」 川口晴美
- 「そして武器を捨て、愛し合え、人間よ――永井荷風が慶應義塾に遺したもの」 末延芳晴
- 「横浜正金銀行の文学史――漱石、荷風、米次郎」 巽孝之
- 「三田の丘の硯の流れ――三田文学系の作家たちは荷風をいかに読んできたか」 持田叙子
- 「紫色の花は夕暮時」 長谷川郁夫
- 「婬賓履怕客説――永井荷風「来訪者」の怪奇性をめぐって」 ピーター・バナード
- 「荷風の幻影を追って」 YOUCHAN
- 〔年譜〕 「永井荷風と慶應義塾」関連年譜
- 「特集の終わりに」 末延芳晴
小特集 奥野信太郎
- 〔講演〕 「奥野信太郎を語る――没後五十年記念シンポジウム」 岡晴夫、金文京、田中和生
挨拶:松浦良充 司会:関根謙 - 〔再録〕 「中国の大学生」 奥野信太郎
対談
「半世紀を越えた創作と文壇回顧」[第三回]文学における悪 石原慎太郎×坂本忠雄
随筆
復活 学生創作セレクション 2
短歌/随筆「半世紀を越えた創作と文壇回顧」[第三回]文学における悪 石原慎太郎×坂本忠雄
随筆
- 「ドキュメンタリーを乱世の備忘録に」 陳梓桓 訳:中山大樹
- 「「聖典」を夢見ない「備忘録」――映画『乱世備忘録 僕らの雨傘運動』評」 吉永壮介
復活 学生創作セレクション 2
- 「夕化粧」 石田有澄
- 〔解説〕 「文章鍛錬と豹変のとき」 加藤宗哉
「千年を隔てた恋の歌のやりとり」[第十回]水原紫苑
俳句/随筆
「死季折々」[第九回]高柳克弘
映画評
〔新連載〕 「電影的温故知新」[第一回]佐藤元状
書評
- 梯久美子 『原民喜 死と愛と孤独の肖像』 村松真理
- 朝吹真理子 『TIMELESS』 河内恵子
- 小佐野彈 『メタリック』 久村亮介
- 高柳克弘 『どれがほんと? 万太郎俳句の虚と実』 井上柚季
- 「京極為兼の本懐」 3 高橋昌男
- 「迷宮の夢見る虎」 3 バベルの塔を再建すること 〈前編〉 今福龍太
- 「やんばるの深き森と海より」[第八回]目取真俊
- 「ラカンと女たち」 [X]立木康介
- 「ろばの耳」 井出真一路
- 「大銀杏の下で」 米田沙由葵
- 「新 同人雑誌評」 柳澤大悟/加藤有佳織
「SFとの遭遇――星真一から現在まで」
【関連リンク】
【関連リンク】
- 三田文学
- 09/08–09: 第 26回 アジア系アメリカ文学会フォーラム開催のお知らせ/二日目には巽先生による特別講演「ケイコ・イトウ『わが上海: 1942-1946』を読む―—横浜正金銀行と日系社会」が行われます!@早稲田大学早稲田キャンパス(CPA: 2018/08/13)
- 06/30-7/1: 第 22回アジア研究学会開催のお知らせ@国際基督教大学(CPA: 2018/06/22)
- 巽先生が編集委員の一人を務められる『三田文學』最新号が絶賛刊行中!今号の特集は「アメリカの光と影」です!(CPA: 2017/08/01)
【関連書籍】