2017/05/08

現在刊行中の『私にとっての憲法』(岩波書店)に、小谷先生による「 SFでもなく、絵に描いた餅でもなく」が寄稿されています!

本書『私にとっての憲法』には、日本国憲法をめぐる 53本の論考が収録。憲法の専門家だけでなく、他分野の研究者や、俳優/作家/芸術家/医者/活動家/ジャーナリストなど、各々の背景から各々の視点を提供されています。

小谷先生の「 SFでもなく、絵に描いた餅でもなく」は、日本の SFアニメにおける「想像力」が、憲法の概念と格闘しながら鍛えられてきた点に光をあてています。ほかにも、総合講座「愛とセクシュアリティ」で登壇されたこともある笙野頼子氏(小説家)による「ガラス細工の至宝」や、「バートルビーズ」作・演出の坂手洋二氏(劇作家)による「国民の自由と俳優の自由」も収録されています。なお、巻末には日本国憲法の全文も掲載。ご関心のある方は、ぜひお手にとってみてください!



『私にとっての憲法』
岩波書店編集部 編
四六、248ページ
岩波書店、2017年 4月
1700円(+税)
岩波書店による本書紹介

【目次】
はじめに

I
理念は力を持っている 坂本龍一
想いをつなぐ 竹下景子
元海軍航空隊員として、歴史家として 色川大吉
姓は「日本国」、名は「憲法」 松元ヒロ
国民の自由と俳優の自由 坂手洋二
憲法前文の勢いについて 藤原辰史
「われら」の内と外の結界で 仲里効
「押し付け憲法論」は無用ではないか 米倉明
ふたつの憲法危機を体験して 石田雄

II
学校、職場、そして報道の現場で、いま 永井愛
変えるべきは社会 仁藤夢乃
憲法は使うもの 保坂展人
飾っておくものではなく、差別を解消するツールとして 打越さく良
憲法は「スローガン」ではなく、「武器」である 想田和弘
私の憲法と学習権 大田堯
「日本国憲法の精神」を蘇生させるために 池内了
個人も家族も国家のため? 山口智美
信教の自由、政教分離をどう捉えるか? 島薗進

III
宛先はどこなのか 熊谷晋一郎
おかっぱとヘアゴムの「尊厳」 黒澤いつき
この子は一目で私がわかったんだよ 田中美津
渡れなかった道 赤川次郎
記憶と政治、尊厳と憲法 岡野八代
同性愛者と「日本国民」 尾辻かな子
会社法弁護士がなぜ一人一票訴訟に取り組むか 久保利英明
地方自治の視点で憲法改正を論ず 片山善博
人権を持たなかった女たちの本音から生まれたもの 北原みのり

IV
ガラス細工の至宝 笙野頼子
憲法に責任を押しつける前に PANTA
自然物としての憲法 内田樹
SFでもなく、絵に描いた餅でもなく 小谷真理
憲法と「政治」の発見 岡田憲治
堂々と九条の明文改正を問うべき 山崎拓
空文と化した憲法九条の戦争放棄条項 西山太吉
ガンバレニッポン、ガンバレニッポン 比嘉慂

V
どのようにして「自らのものとして」持つのか 白井聡
多様性の器としての憲法 平野啓一郎
未来へ向けた人民のための導きの星として 原寿雄
無視してはならない憲法九条の世界史的意義 西原春夫
日本国憲法はグローバル時代の救世主 浜矩子
第九条のこと 半藤一利
〝護憲〟はゴールじゃない 高遠菜穂子
「この国の依って立つところ」を皆で考える 佐藤芳之
憲法九条の心は明治にもあった 伊東光晴

VI
立憲国家のメルトダウン 西谷修
無題 鹿島徹
いまは憲法改正を議論する時期ではない 丹羽宇一郎
諸悪の根源は日本国憲法……なのか? 鈴木邦男
歴史の上に立ち、憲法の精神を活かす 保阪正康
免田栄さんの黒髪 佐藤直子
沖縄人(ウチナーンチュ)の私の日本国憲法 親川志奈子
「無戸籍の日本人」と憲法 井戸まさえ
六時二秒前 久米宏

日本国憲法(全文)