2012/09/16

高野史緒先生の新作『カラマーゾフの妹』江戸川乱歩賞受賞!これに際し巽先生が解説を寄稿されたデビュー作『ムジカ・マキーナ』再刊です!

作家・高野史緒先生が、最新作『カラマーゾフの妹』第58回江戸川乱歩賞を受賞され、巽先生が解説「クブラ・カーンの音楽」を寄稿された高野先生のデビュー作『ムジカ・マキーナ』(1995年)が待望の再刊です!



第58回江戸川乱歩賞受賞作
『カラマーゾフの妹』
高野史緒著
講談社/2012年/332頁

*目次
著者より
イワン・カラマーゾフの帰省
再捜査に向けて
『カラマーゾフ事件』とは何か
弟との再会、父との再会、そして多重人格
アリョーシャの失踪
バベッジの計算機械
フェティシズムとサイコパス
コスミズムと宇宙船
チェルマシニャー
最後の事件、そして最後の解答
エピローグ
*江戸川乱歩賞の沿革及び本年度の選考経過
*江戸川乱歩賞授賞リスト
*第五十九回(平成二十五年度)江戸川乱歩賞応募規定


著者の高野史緒先生は、1995年、前年の第6回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作になった『ムジカ・マキーナ』でデビュー。
その後、『カント・アンジェリコ』(1996年) や、『架空の王国』(2006年) など著作を発表されます。
2011年には、東欧SF傑作集『時間はだれも待ってくれない』を編纂し、同年の慶應義塾大学文学部総合講座「前衛と伝統」では、「小説と無意識——書く者の場所から見えるもの、見えないもの」を講義してくださいました。

本年度、第58回江戸川乱歩賞受賞作である『カラマーゾフの妹』では、ドストエフスキーの有名小説『カラマーゾフの兄弟』の13年後を舞台とした、第二部を書き継ぐかたちで進められます。
『カラマーゾフの妹』はロシア、『ムジカ・マキーナ』はヨーロッパという違いはあれど、双方ともに、19世紀末の政治的動揺/信仰心の懐疑/科学の可能性が交差する世界と、そこに生きる男たち、そして一人の少女の存在を描きだします。この機会に合わせてお読みいただくのも一興では?
ぜひご一読を!


【関連リンク】
高野史緒公式サイト「架空の王国」
2012年度総合講座「前衛と伝統」ホームページ
2011年度総合講座「前衛と伝統」ホームページ(高野史緒氏招聘)
「前衛と伝統」高野史緒氏招聘(CPA過去記事)
江戸川乱歩賞受賞作品一覧


【関連書籍】
『カラマーゾフの妹』(講談社、2012年)


『ムジカ・マキーナ 』(新潮社、1995年、早川書房、2002年)


『時間はだれも待ってくれない』 (東京創元社、2011年)
 

『カント・アンジェリコ(講談社、1996年)


『架空の王国(ブッキング、2006年)


  ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(上)(新潮社)