2021/07/03

モナ・アワド著『ファットガールをめぐる13の物語』が、加藤有佳織先生と日野原慶先生の翻訳によって、書肆侃侃房より絶賛刊行中です!

モナ・アワド著『ファットガールをめぐる13の物語』が、加藤有佳織先生と日野原慶先生の翻訳によって、書肆侃侃房より刊行されました!本書は、カナダ生まれでボストン在住、モナ・アワドのデビュー短篇集。題名に記されているとある「ファットガール」をおおむねの主軸としながら、このファットガールがある一定の年月のなんでもない日々をうねりうねりと紆余曲折を経て過ごしていく人生と体重と心の変動が全 13篇の「物語」——第一章「宇宙にさからう時」から最終章「海のむこう」まで——をとおして練りあげられます。巻末の「訳者解説」では、本作を「ボディー・イメージ」の視座より読み解くことで、本作が抱える「居心地のわるさ」を浮彫にしてくださいます。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!

◆◆◆どこに行くんだろうって思うんだ、と昔メルに言われた。
何が?
うちらの脂肪。脂肪を落とすって言うけど、そのあとは? 汗かくけど、でも、それ全部が脂肪じゃないっしょ。水分と塩分になるだけじゃないはずじゃん。ただ消えるなんてあり得ないし。あたしたち溶けんのかな?(「海のむこう」274頁)◆◆◆

なお、以前 CPAでご紹介した『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』には(CPA詳細)、訳者のお一人、日野原先生による「FATをめぐるものがたり」も収録されています。こちらも併せてぜひご一読ください!

また、本書刊行を記念しまして、下記のとおりオンライン・トークイベントが開催されます。ぜひふるってご来聴ください!

加藤有佳織さん×日野原慶さん×山崎まどかさんトークイベント
「初邦訳刊行! いま注目の作家「モナ・アワド」ナイト!」
日時:2021年 7月 3日(土)19:00~21:00
開催方法:本屋 B&Bのオンライン配信
※イベント詳細&ご予約はこちらをご参照ください。

磯野真穂さん×加藤有佳織さん×日野原慶さんトークイベント
「自分の体をどう生きるか? 『ファットガールをめぐる13の物語』から考える」
日時:2021年 7月 9日(金)19:00~20:30
参加方法:代官山 蔦屋書店のオンライン配信
※イベント詳細&ご予約はこちらをご参照ください。



『ファットガールをめぐる13の物語』
モナ・アワド著、加藤有佳織、日野原慶訳
四六判、並製、286ページ
装幀:成原亜美
装画:牛久保雅美
定価:本体1,800円+税
ISBN: 978-4-86385-461-1 C0097

【目次】
宇宙にさからう時
最大のファン
全身写真
そんなことなら
わたしの嫌いなあの子
それって欲張り
母にとってのセクシーな人
Fit4U
あの子はなんでもしてくれる
フォン・ファステンバーグとわたし
カリビアン・セラピー
アディション・エル
海のむこう

謝辞
訳者解説


【関連リンク】


【関連書籍】
青木耕平、加藤有佳織、佐々木楓、里内克巳、日野原慶、藤井光、矢倉喬士、吉田恭子『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)



トミー・オレンジ著、加藤有佳織訳『ゼアゼア』(五月書房新社 、2020年)