2021/06/21

表象文化論学会学会誌『表象』第 15号が刊行され、巽先生による書評「古き良きボストンに乾杯!──入江哲朗『火星の旅人』」が掲載されています!

以前に CPAでお知らせした科研費研究会にて、入江哲朗先生によるご講演「アメリカン・サイエンスとパラノイド・スタイル」が行われました(CPA詳細)。このたび刊行された表象文化論学会の学会誌最新号『表象』第 15号には、入江先生のご著書『火星の旅人――パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史』を対象にした巽先生による書評「古き良きボストンに乾杯!──入江哲朗『火星の旅人』」が掲載されています!

また、本誌には同時に、入江先生によるご論文「現在性ははたして恩寵なのか――マイケル・フリード「芸術と客体性」のエピグラフをめぐる考察」も収録。題名のとおり、マイケル・フリードの論文「芸術と客体性」にエピグラフとして引かれたペリー・ミラーの『ジョナサン・エドワーズ』からの一節に焦点を絞り、その豊饒な文脈を緻密に刺激的に再構築されています。ご関心のある方は、ぜひお手にとってみてください!



『表象 特集:配信の政治――ライヴとライフのメディア
第 15号
A5判、234ページ
表象文化論学会、2021年 4月
2,200円(税込み)
ISBN: 978-4-86503-113-3

【目次】
巻頭言
「謎としての誠実さをめぐって」田中純

特集「配信の政治――ライヴとライフのメディア」
  • 「緒言」木下千花
  • 座談会「オンライン演劇は可能か――実践と理論から考えてみる」岩城京子+須藤崇規+長島確+横山義志(兼司会)
  • 「テレビという事実」スタンリー・カヴェル(堀潤之訳)
  • 「ウイルスに学ぶ――自宅という柔らかい監獄からの脱出」ポール・B・プレシアド(岸茉利訳)

論文
  • 「現在性ははたして恩寵なのか――マイケル・フリード「芸術と客体性」のエピグラフをめぐる考察」入江哲朗
  • 「宇宙開発時代のメディアアート——ソヴィエト連邦のキネチズム」河村彩
  • 「ランシエールの政治的テクスト読解の諸相――フロベール論に基づいて」鈴木亘
  • 「ラインハルト・コゼレックの政治的イコノロジー ――記念碑・イメージ・歴史」二宮望
  • 「風景から光景へ——『君の名は。』における仮想のレンズと半透明性」渡部宏樹

書評
  • 「バタイユの芸術論を新たなパースペクティブで考察する──井岡詩子『ジョルジュ・バタイユにおける芸術と「幼年期」』書評」酒井健
  • 「ドレスを脱ぐこと/純粋さへの還元──横田祐美子『脱ぎ去りの思考』書評」郷原佳以
  • 「「はじめに音楽、次に言葉?」──岡本佳子『神秘劇をオペラ座へ』書評」白井史人
  • 「描く手/描かれる手を読む思考──宮本裕子『フライシャー兄弟の映像的志向』書評」細馬宏通
  • 「超越の不在と弁証法──松田智裕『弁証法、戦争、解読』書評」長坂真澄
  • 「小津映画の美学的な起源をハリウッド映画に探る──滝浪佑紀『小津安二郎』書評」長谷正人
  • 「古き良きボストンに乾杯!──入江哲朗『火星の旅人』書評」巽孝之
  • 「色盲者の幽霊船を漕ぎ出す──馬場靖人『〈色盲〉と近代』書評」石谷治寛


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