2018/11/24

12/12: 土田知則氏博士公開口頭試問のお知らせ

12月12日(水)に土田知則氏の博士論文口頭試問が下記のとおり行なわれます。

日時:2018年12月12日(水)17時より
会場:慶應義塾大学三田キャンパス東館8階小会議室(アクセスキャンパス
※口頭試問は公開で行なわれます。入場無料、予約不要です。
※お尋ねございましたら管理人までお寄せください。




千葉大学大学院人文科学研究院教授の土田知則氏は、フランス文学および文学理論をご専門にされ、『プルースト――反転するトポス』(新曜社、1999年)や『ポール・ド・マン――言語の不可能性、倫理の可能性』(岩波書店、2012年)をはじめとする多くのご著書があり、とりわけド・マンをはじめとする脱構築批評を中核とした文学理論を長くご研究されています。また、翻訳も多数手がけられ、ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉〈1〉〈2〉』(共訳、岩波書店、2006年)、ポール・ド・マン『読むことのアレゴリー』(岩波書店、2012年)、バーバラ・ジョンソン『批評的差異(法政大学出版局、2016年)他があります。


このたび慶應義塾大学大学院文学研究科において、土田氏が20185月に上梓された
『ポール・ド・マンの戦争』(彩流社)を中心に博士論文口頭試問(論文博士)が行なわれます。本書は、イエール学派の領袖と言われるほどに北米文学研究の学界を席巻したド・マンが 1983年に没したのち、彼が戦時中、ベルギーからアメリカに渡ってくる前に発表していた親ナチス的記事が発掘され、脱構築批評に対する非難と大論争が引き起こされた、いわゆる「ド・マン事件」の意義を精緻に再検討するものです。 1939年から  1943年まで、母国ベルギーでのジャーナリスト時代、若く才気煥発なド・マンはいかに思索していたのか。それ以後のド・マンの思想はどのように連続/断絶しているのか。そうした観点から、ド・マンの思想体系に新たな光を差し込んだ力作です。
審査団は、対象の性質上、専攻を横断する主査・副査四名で構成されます。主査を巽孝之先生(慶應義塾大学、アメリカ文学・批評理論)、副査を小倉孝誠先生(慶應義塾大学文学部・フランス文学)、平田栄一朗先生(慶應義塾大学文学部・ドイツ演劇)、宇沢美子先生(慶應義塾大学文学部・アメリカ文学)がお務めになります。

土田氏の博士論文口頭試問は公開です。入場無料、予約不要です。
ご関心のある方は、どうぞご来聴ください。


【関連書籍】
『ポール・ド・マンの戦争』(彩流社、2018年)


『ポール・ド・マン――言語の不可能性、倫理の可能性』(岩波書店、2012年)


『プルースト――反転するトポス』(新曜社、1999年)


『批評的差異――読むことの現代的修辞に関する試論集』(法政大学出版局、2016年)



ポール・ド・マン『読むことのアレゴリー――ルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにおける比喩的言語』(岩波書店、2012年)


ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉〈1〉』(共訳、岩波書店、2006年)



ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉〈2〉』(共訳、岩波書店、2006年)