2018/01/20

02/19:科研費研究会 2017年度第 4回@成蹊大学 3号館 101教室 18:30-20:30

2月 19日(月)に成蹊大学にて、巽先生が携わっている文部科学省科学研究費主催 2017年度第 4回研究会「ポストモダン・アメリカの現在形」が下記のとおり開催されます。

基調講演は、渡邉克昭先生(大阪大学)による「デリーロ文学における微粒子――『ポイント・オメガ』から『ゼロ K』へ 」です。ワークショップ「Don DeLillo, “The Starveling” を読む」には、大学院在籍の冨塚亮平さんがご登壇されます。ご関心のある方は、ぜひご来聴ください!


 2017年度第 4回研究会
ポストモダン・アメリカの現在形
日時: 2018 年 2 19日(月)18:30-20:30
会場:成蹊大学 3号館 101教室(アクセス/キャンパス

基調発表
デリーロ文学における微粒子――『ポイント・オメガ』から『ゼロ K』へ
渡邉克昭(大阪大学)

ワークショップ
Don DeLillo, “The Starveling” を読む
近藤佑樹(大阪大学大学院修士課程)
田浦紘一朗(成蹊大学大学院博士課程)
冨塚亮平(慶應義塾大学大学院博士課程)
コメンテイター:渡邉克昭

主催:科学研究費・基盤研究(B)「マニフェスト・デスティニーの情動的効果と21世紀惑星的想像力
研究代表者:下河辺美知子(成蹊大学)、研究分担者:巽孝之(慶應義塾大学)、舌津智之(立教大学)、日比野啓(成蹊大学)

※どなたも歓迎ですが、会場整理の都合上、hibino●fh.seikei.ac.jp(●→@)に前日までにご連絡ください。


【概要】※フライヤーより
本基盤研究(B)は、マニフェスト・デスティニーというレトリックの国際政治における意義を歴史的にたど ると同時に、その心理的・精神的効果がアメリカ国民の情動を操作するナラティヴとしていかに機能してきているかに焦点をあて、地球規模でのアメリカの位置を読み直すことを目指している。

今回は、現代アメリカを代表するポストモダン作家である Don DeLillo の新しい諸作品に注目し、我々と同時代を生きる彼が過去数年の間に描き出した最先端の世界認識にスポットを当てる。

まず基調講演では、渡邉克昭氏が、デリーロ文学を「微粒子」という視座から読み直す。そのような試みはこれまでほとんどなされていないが、素材となる作品には事欠かない。今回は、そうしたテーマを概観したのち、 『ポイント・オメガ』に描かれた『二四時間サイコ』の光の微塵が織り成す超低速のシネマ空間と、『ゼロ K』 においてシャワーの水滴と化したアーティスの無限小の囁きに焦点を絞り、共通する微粒子のうち震えが、地質学的な無限大の時間相といかなる関係性をもつのか考察する。

その後はワークショップ形式とし、文芸誌 Granta に発表されたデリーロの “The Starveling” を取り上げ、本邦東西の若手研究者 3名に自由なそれぞれの視点から作品分析を行って頂く。2011年に発表されたこの短編を、上述の『ポイント・オメガ』(2010年)ならびに『ゼロ K』(2016年)ともあわせて見据えるとき、そこには、いかなる 2010年代の心象風景が――そしてポストモダン・アメリカの現在形が――立ち現れるのだろうか?


【関連リンク】


【関連書籍】
渡邉克昭『楽園に死す——アメリカ的想像力と〈死〉のアポリア』(大阪大学出版会、2016年)


ドン・デリーロ/渡邉克昭訳『マオ II』(本の友社、2000年)