巽先生による解説では、ポーへオマージュを捧げる昨今の文学・映画作品、ポーの日本受容が概観され、ポー作品が文学批評理論の隆盛とともに再読され続けてきた文脈に、森氏が位置付けされます。その上で、本作『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』はもちろん、黒猫シリーズ全作品が、いかにポー作品を綿密に織り込んでいるかが解体されていきます。ご興味のある方は、この機会にぜひご一読ください!
『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』
森晶麿
文庫/299頁
早川書房
756 円(税込)
2015年1月刊行
*早川書房による本書紹介
【目次】
プロローグ
第一章 落下する時間たち <テクスト篇>
第二章 舞い上がる時間たち <テクスト篇>
第三章 落下する時間たち <解釈篇>
第四章 舞い上がる時間たち <解釈篇>
第五章 黒猫の薔薇あるいは時間飛行
解説 巽孝之
【関連リンク】
- アガサ・クリスティー賞(ハヤカワ・オンライン)
- リーハイ大学出版よりTranslated Poe が刊行!巽先生のご論文 "The Double Task of the Translator: Poe and His Japanese Disciples" が寄稿されています!(CPA: 2014/11/12)
- Lehigh University Press
- The Poe Studies Association
- 日本ポー学会
- フィラデルフィアでのポー国際会議にて巽先生司会(CPA: 2009/09/29)
- 巽先生が日本ポー学会第一回大会の特別講演の司会を担当!(CPA: 2008/08/23)
【関連書籍】
森晶麿『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(早川書房、2013年;単行本、早川書房、2011年)
森晶麿『黒猫の接吻あるいは最終講義』(早川書房、2014年;単行本、早川書房、2012年)
森晶麿『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』(早川書房、2015年;単行本、早川書房、2012年)
森晶麿『黒猫の刹那あるいは卒論指導』(早川書房、2013年:文庫書き下ろし)
森晶麿『黒猫の約束あるいは遡行未来』(早川書房、2014年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集〈1〉ゴシック編』(新潮社、2009年)
エドガー・アラン・ポー、巽孝之訳『モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編』(新潮社、2009年)
巽孝之『NHKカルチャーラジオ 文学の世界 エドガー・アラン・ポー 文学の冒険家』(NHK出版、2012年)
Takayuki Tatsumi, Full Metal Apache: Transactions Between Cyberpunk Japan and Avant-Pop America (Duke UP, 2006)
八木敏雄、巽孝之編『エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携』(研究社、2009年)
巽孝之『E・A・ポウを読む (岩波セミナーブックス)』(岩波書店、1995年)
巽孝之、下河辺美知子、鷲津浩子『文学する若きアメリカ―ポウ、ホーソン、メルヴィル』(南雲堂、1989年)
笠井潔『群衆の悪魔 下 (デュパン第四の事件) (創元推理文庫)』(東京創元社、2010年)