2014/04/22

鷹書房弓プレス刊行『〈平和〉を探る言葉たち―二〇世紀イギリス小説にみる戦争の表象』の巻頭に、巽先生の「アーサー・C・クラークの内宇宙―人類の未来と平和」が寄稿されています!

先日刊行された『〈平和〉を探る言葉たち―二〇世紀イギリス小説にみる戦争の表象』(鷹書房弓プレス)の巻頭に、巽先生の「アーサー・C・クラークの内宇宙―人類の未来と平和」が寄稿されています。


本書には、戦争と平和をテーマに、おもに二〇世紀のイギリス小説を題材とした十三本の論考(特別寄稿含む)、一篇の詩が収録されています。巻頭を飾るのは、巽先生による「アーサー・C・クラークの内宇宙―人類の未来と平和」!二〇世紀の戦争と科学技術が表裏一体であるならば、SF的想像力はどこへ向かうのか。必読です!なお、本書前半では、コンラッド、ジョージ・ムア、レベッカ・ウェスト、D・H・ロレンス、イェイツ、ヴァージニア・ウルフを扱った論文が掲載。後半では、戦争をいかに語るかというイギリス文学に限定されない問いも探究されています。ご興味のある方は、ぜひご一読ください!


題:『〈平和〉を探る言葉たち―二〇世紀イギリス小説にみる戦争の表象』
編著:津久井良充、市川薫
判型:A5
頁数:362
出版:鷹書房弓プレス
刊行:2014年4月
価格:本体3,000円

【目次】
はじめに 市川薫
巻頭 アーサー・C・クラークの内宇宙―人類の未来と平和 巽孝之
第一部 戦争を予感する作家たち
第一章 得体の知れない、不気味な「他者」との遭遇―コンラッド『ロー
    ド・ジム』に見る「失語」の経験を読み解く 津久井良充
第二章 ケルト神話と想像力の復権―ジョージ・ムアの小説 高倉章男
第三章 魔法の世界の崩壊―レベッカ・ウェスト『兵士の帰還』論 市川
    薫
第二部 戦争を語り始める作家たち
第四章 D・H・ロレンスの描いた一九一八年―「切符を拝見」と「盲目の
    男」に刻まれた第一次世界大戦の傷跡 岩井学
第五章 W・B・イェイツの「再臨」に見る終末のヴィジョン 伊達恵理
第六章 ヴァージニア・ウルフと戦争―戦間期に描かれた「人生」のかたち
    森田由利子
寄せられた一篇の詩 矢原繁長
第三部 戦争の記憶の中で
第七章 戦場の兵士に愛された小説―モーム『剃刀の刃』における読者の受
    容について 清水明
第八章 いびつで不気味な〈ユートピア〉―アンソニー・バージェス『時計
    じかけのオレンジ』に現れる全体主義への恐怖 武井博美
第九章 帝国を駆けめぐる少年たち―J・G・バラード『太陽の帝国』へ至る
    冒険少年の系譜とハイパー・リアルの帝国 岩井学
第四部 〈平和〉を探る言葉たち
第十章 記憶の再生と継承―パット・パーカー『再生』論序説 市川薫
第十一章 故郷喪失と帰属場所の不在―キャリル・フィリップス『はるかな
     る岸辺』の〈他者〉表象 木下昇
第十二章 暴力の表象と平和の可能性―イアン・マキューアン『土曜日』論
     谷田恵司
特別寄稿 記憶の道標―「ホロコースト」を語ること 早川敦子
あとがき 津久井良充
執筆者紹介
写真・図版出典一覧

【関連書籍】
巽先生巻頭寄稿/津久井良充、市川薫編著『〈平和〉を探る言葉たち―二〇世紀イギリス小説にみる戦争の表象』(鷹書房弓プレス、2014年)

巽先生著『『2001年宇宙の旅』講義 (平凡社新書)』(平凡社、2001年)


【関連リンク】
『2001年宇宙の旅』講義」書評集
2001 or A Cyberspace Odyssey
『A.I.』論:キューブリックの遺言
『A.I.』論:キューブリック監督とスピルバーグ監督