映画学叢書の四冊目の新刊として刊行された本書
『交錯する映画——アニメ・映画・文学』
監修:加藤幹郎
編著:杉野健太郎
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
頁数:370
出版年: 2013年03月20日
定価:本体4200円+税
*ミネルヴァ書房による本書詳細はこちら
【目次】
映画学叢書刊行にあたって
はしがき
第 I 部:映画とアニメ
第1章:日本アニメーションにおけるスタイルと演出
――草創期から第二次世界大戦まで(板倉史明)
1:『なまくら刀』と『浦島太郎』
——アクションの面白さ、物語を語る欲望
2:村田安司とコンティニュイティ編集
3:戦前作品における奥行表現と『くもとちゅうりっぷ』
第2章:宮崎駿と手塚治虫
――〈漫画の神様〉を超えた漫画映画(川勝麻里)
1:宮崎駿による手塚治虫批判の真意
2:模倣者の苦悩——漫画家としての宮崎駿
3:反・手塚としての、宮崎駿・大友克洋の「偽史」
4:見出された〈成長する〉キャラクター
5:視点とレイアウトに込められた「漫画映画の原点」
6:構図と映像の技法に見る、手塚漫画の影響
7:〈漫画の神様〉への劣等感とその克服
第 Ⅱ 部:映画と文学
第3章:ハンス・カストルプの映画見物
――トーマス・マンと〈映画論争〉(山本佳樹)
1:〈映画論争〉とは何か
2:ハンス・カストルプが観た映画
3:トーマス・マンの映画論
4:観客・検閲官・脚本家・原作者としてのトーマス・マン
第4章:アダプテーションをめぐるポリティクス
――『華麗なるギャツビー』の物語学(杉野健太郎)
1:小説と映画の構造分析
2:小説の語りと映画の語り
3:階級物語としての『華麗なるギャツビー』
4:『グレート・ギャツビー』と男に感情移入する語り手
5:『華麗なるギャツビー』と女の脱神秘化
6:アメリカン・ドリームの幻滅の完結性
第5章:ディアスポラ映画のジレンマ
――『その名にちなんで』における成長物語、家族物語、
アイデンティティ政治(山口和彦)
1:個人的経験と「民族的自伝」
2:成長物語と「民族」への回帰
3:視点人物の撹乱と解体される家族物語
4:問われるアイデンティティ政治
第 Ⅲ 部:メディア、ジャンルと映画
第6章:ゲルニカ×アメリカ
――ヘミングウェイ、イヴェンス、クロスメディア・スペイン
(塚田幸光)
1:ゲルニカ×ゲルニカ
2:『ライフ』ヘミングウェイ、スペイン体験
3:フィルム×ジャーナル——クロスメディア・スペイン
4:シネマティック・ゲルニカ——『スペインの大地』を見る
5:ゲルニカ×アメリカ——『スペインの大地』とFSA
第7章:文学と映画のアメリカ眼球譚
――エマソン、『西部開拓史』、『2001年宇宙の旅』
(川本徹)
1・火星のモニュメント・バレー
2:1836年眼球の旅
3:エマソンからシネラマへ
4:自然と視線のアメリカ文化史
5:2001年眼球の旅
6:スターチャイルドの環境レッスン
7:2154年眼球の旅
第8章:ポスト・ノワールに迷い込む古典的ハリウッド映画
――『ロング・グッドバイ』における失われた連続性
(小野智恵)
1:ジャンルとしての〈フィルム・ノワール〉
2:修正されたマーロウ像
3:導かないメロディ
4:見えない顔
5:信用できないズームイン
6:グレープフルーツ、コーヒーそしてコーク瓶
7:「フーレイ」・フォー・ハリウッド
第9章:少女・謎・マシンガン
――〈角川映画〉の再評価(御園生涼子)
1:少女の原光景
2:女優・薬師丸ひろ子——シャーマンとしての少女
3:暴力表象としての「マシンガン」
4:ユートピアの終焉
初出一覧
映画用語集
人名索引/映画タイトル索引
監修者・執筆者紹介
【関連リンク】
・ミネルヴァ書房
・映画学叢書
・日本アメリカ文学会東京支部9月例会(川本さんご発表)
(CPA: 09/22/2012)
・アメリカ学会第46回年次大会(川本さんご発表)
(CPA: 05/11/2012)
【関連書籍】
加藤幹郎監修/杉野健太郎編著『映画とネイション(映画学叢書)』
(ミネルヴァ書房、2010年)
*川本さん寄稿(第三章)/加藤幹郎監修/塚田幸光編著
加藤幹郎監修/杉野健太郎編著
(ミネルヴァ書房、2011年)