2013/04/16

『交錯する映画』(ミネルヴァ書房)に、 学振研究員として大学院巽ゼミに所属されている川本徹さんが、「文学と映画のアメリカ眼球譚」を寄稿されています

ミネルヴァ書房より刊行された『交錯する映画——アニメ・映画・文学』 に学振研究員として大学院巽ゼミに所属されている川本徹さんが、「文学と映画のアメリカ眼球譚——エマソン、『西部開拓史』、『2001年宇宙の旅』」を寄稿されています(第7章)。

映画学叢書の四冊目の新刊として刊行された本書 は、「映画」を様々なメディアとの交錯からとき起こします。ご興味のある方はぜひご一読ください。

『交錯する映画——アニメ・映画・文学』
監修加藤幹郎
編著杉野健太郎
出版社ミネルヴァ書房
判型:A5
頁数:370
出版年: 2013年03月20日
定価:本体4200円+税
ミネルヴァ書房による本書詳細はこちら

【目次】
映画学叢書刊行にあたって
はしがき
第 I 部:映画とアニメ
第1章:日本アニメーションにおけるスタイルと演出
    ――草創期から第二次世界大戦まで(板倉史明)
 1:『なまくら刀』と『浦島太郎』
   ——アクションの面白さ、物語を語る欲望
 2:村田安司とコンティニュイティ編集
 3:戦前作品における奥行表現と『くもとちゅうりっぷ』

第2章:宮崎駿と手塚治虫
    ――〈漫画の神様〉を超えた漫画映画(川勝麻里)
 1:宮崎駿による手塚治虫批判の真意
 2:模倣者の苦悩——漫画家としての宮崎駿
 3:反・手塚としての、宮崎駿・大友克洋の「偽史」
 4:見出された〈成長する〉キャラクター
 5:視点とレイアウトに込められた「漫画映画の原点」
 6:構図と映像の技法に見る、手塚漫画の影響
 7:〈漫画の神様〉への劣等感とその克服

第 Ⅱ 部:映画と文学
第3章:ハンス・カストルプの映画見物
    ――トーマス・マンと〈映画論争〉(山本佳樹) 
 1:〈映画論争〉とは何か
 2:ハンス・カストルプが観た映画
 3:トーマス・マンの映画論
 4:観客・検閲官・脚本家・原作者としてのトーマス・マン

第4章:アダプテーションをめぐるポリティクス
    ――『華麗なるギャツビー』の物語学(杉野健太郎)
 1:小説と映画の構造分析
 2:小説の語りと映画の語り
 3:階級物語としての『華麗なるギャツビー』
 4:『グレート・ギャツビー』と男に感情移入する語り手
 5:『華麗なるギャツビー』と女の脱神秘化
 6:アメリカン・ドリームの幻滅の完結性

第5章:ディアスポラ映画のジレンマ
    ――『その名にちなんで』における成長物語、家族物語、
    アイデンティティ政治(山口和彦)
 1:個人的経験と「民族的自伝」
 2:成長物語と「民族」への回帰
 3:視点人物の撹乱と解体される家族物語
 4:問われるアイデンティティ政治

第 Ⅲ 部:メディア、ジャンルと映画
第6章:ゲルニカ×アメリカ
    ――ヘミングウェイ、イヴェンス、クロスメディア・スペイン
   (塚田幸光)
 1:ゲルニカ×ゲルニカ
 2:『ライフ』ヘミングウェイ、スペイン体験
 3:フィルム×ジャーナル——クロスメディア・スペイン
 4:シネマティック・ゲルニカ——『スペインの大地』を見る
 5:ゲルニカ×アメリカ——『スペインの大地』とFSA

第7章:文学と映画のアメリカ眼球譚
    ――エマソン、『西部開拓史』、『2001年宇宙の旅』
   (川本徹)
 1・火星のモニュメント・バレー
 2:1836年眼球の旅
 3:エマソンからシネラマへ
 4:自然と視線のアメリカ文化史
 5:2001年眼球の旅
 6:スターチャイルドの環境レッスン
 7:2154年眼球の旅

第8章:ポスト・ノワールに迷い込む古典的ハリウッド映画
    ――『ロング・グッドバイ』における失われた連続性
   (小野智恵)
 1:ジャンルとしての〈フィルム・ノワール〉
 2:修正されたマーロウ像
 3:導かないメロディ
 4:見えない顔
 5:信用できないズームイン
 6:グレープフルーツ、コーヒーそしてコーク瓶
 7:「フーレイ」・フォー・ハリウッド

第9章:少女・謎・マシンガン
    ――〈角川映画〉の再評価(御園生涼子)
 1:少女の原光景
 2:女優・薬師丸ひろ子——シャーマンとしての少女
 3:暴力表象としての「マシンガン」
 4:ユートピアの終焉

初出一覧
映画用語集
人名索引/映画タイトル索引
監修者・執筆者紹介

【関連リンク】
ミネルヴァ書房
映画学叢書
日本アメリカ文学会東京支部9月例会(川本さんご発表)
 (CPA: 09/22/2012)
アメリカ学会第46回年次大会(川本さんご発表)
 (CPA: 05/11/2012)

【関連書籍】
加藤幹郎監修/杉野健太郎編著『映画とネイション(映画学叢書)』
ミネルヴァ書房、2010年)

*川本さん寄稿(第三章)/加藤幹郎監修/塚田幸光編著

加藤幹郎監修/杉野健太郎編著
ミネルヴァ書房、2011年)