2006/12/01

過去のCPA Recommends:2006

●坂本光・坂上貴之・宮坂敬造・岡田光弘・巽孝之編『情の技法』

巽先生もコーディネーターとして参加している文学部総合講座の2003年度~2004年度オムニバス授業「情の技法」がこのほど一冊の書籍にまとまり、刊行されます。90年代に提唱された「知の技法」とは異なるアプローチとして、「情」を深く掘り下げる本論集には、『「甘え」の構造 』の著者として名高い土居健郎氏、女優・吉行和子氏など多彩な執筆陣が参加しています。



坂本光・坂上貴之・宮坂敬造・岡田光弘・巽孝之編
『情の技法』
A5判並製/458頁
慶應義塾大学出版会より2006年9月11日刊行
4,410円 (本体:4,200円)

*目次
はじめに---坂本光
第一部---<情>の構図
I 反知識人とは何か──ひとつのアメリカ的伝統---巽孝之
II 反感情移入の陥穽──クリストフ・マルターラーの『ヨーロッパ人をやっつけろ!』における観客の自己欺瞞---平田栄一朗
III 「本当の自分」の政治学──公と私における情の技法---岡原正幸
IV 「甘え」概念について 土居健郎、[プレゼンター]巽孝之
V 音楽における時間、構造、および情緒について---ジョセフ・ゴーギャン、良子・ゴーギャン
VI 情行為試論──悲しいから泣くのではない。環境事象があるから泣き、悲しむのである。---坂上貴之
第二部 <情>を読み解く
VII 世論操作と「情」---川上和久
VIII 情の建築──戦争・記念碑・癒し・忘却---生井英考
IX 情の技法のもつれ──アメリカの創作科と文学批評---吉田恭子
X 国文学作品における情---石川透
XI 女性たちは愛をどのように生きたか──近代フランスに則して---小倉孝誠
XII ストウ夫人のメロドラマ──『キリスト教徒の奴隷』(一八五五)にみる〈情の技法〉---常山菜穂子
XIII 恋のベストセラー──E・M・ハルの『シーク』を中心に---河内恵子
第三部 <情>を使う
XIV 花柳界の粋──“もてなしの芸”に見る芸者の情と心意気---浅原須美
XV 舞踊における怪物的身体---石黒節子
XVI クラシック歌曲におけるアート・オヴ・パッション(情の技法)---ボニー・ホーク
XVII 血と蜜──作詞と歌における情について---宝野アリカ
XVIII ロボットを創ることとは?---藤田善弘、長田純一
XIX ニコラ・テスラと発明の世紀──魔術師たちの時代の終焉---新戸雅章
XX フィクションに生きる──女優・吉行和子による情の技法---吉行和子、[聞き手]宮坂啓造
編集後記---坂上貴之

***慶應義塾大学文学部総合講座「情の技法」についてはこちらをご覧下さい。


●巽孝之・荻野アンナ共編『人造美女は可能か?』

巽先生と荻野アンナ・本塾文学部教授の共編による『人造美女は可能か?』が刊行されます。2005年12月に開催された慶應義塾大学藝文学会シンポジウム 「人造美女は可能か?」がきっかけとなって生まれた本書では、宝野アリカ氏(ALI PROJECT)、小谷真理氏(SF・ファンタジー評論家)、スーザン・J・ネイピア氏(タフツ大学教授)など多彩な10人の著者が、それぞれの専門分野から「造られた架空の美女」の魅力に迫ります。



巽孝之・荻野アンナ共編
『人造美女は可能か?』
四六判上製/272頁
慶應義塾大学出版会より2006年8月29日刊行
定価:2,625円 (本体:2,500円)

*目次
はじめに---巽孝之
第一部---紙と言葉で造られた永遠の乙女たち
マラルメの効用---立仙順朗
ヴェルヌとルーセル、その人造美女たち---新島進
聖人造少女領域---宝野アリカ
死んだ美女、造られた美女──ポウ、デイキンスン、エリオット---巽孝之
REPORT:天然メイドの人造慰霊祭---荻野アンナ
第二部---人造美女の歴史と変容
ゴシックの位相から---高原英理
オリンピアとマリア──E・T・A・ホフマンの『砂男』とフリッツ・ラングの『メトロポリス』---識名章喜
ゲイシャとT・レックス---小谷真理
バービーは仏像かもしれない---茅野裕城子
ロスト・イン・トランジション──世界の終わりの人形たち---スーザン・J・ネイピア
おわりに---立仙順朗

*執筆者一覧
(順不同)
巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
荻野アンナ(慶應義塾大学文学部教授)
立仙順郎(慶應義塾大学名誉教授)
識名章喜(慶應義塾大学商学部教授)
新島進(早稲田大学非常勤講師)
宝野アリカ(ALI PROJECT)
小谷真理(SF・ファンタジー評論家)
高原英理(作家・評論家)
茅野裕城子(作家)
スーザン・J・ネイピア(タフツ大学教授)


●上杉忍/巽孝之編著『アメリカの文明と自画像 (シリーズ・アメリカ研究の越境)』

上杉忍氏(横浜市立大学国際総合科学部教授/アメリカ史)と巽先生による編著『アメリカの文明と自画像』が刊行されました。文化・社会・経済などあらゆる局面において「アメリカ式モデル」が普遍性を持ちつつある現在、多彩な論者がさまざまな角度から「アメリカとは何か」という問いについて考えます。



上杉忍/巽孝之編著
『アメリカの文明と自画像』
ミネルヴァ書房より2006年6月20日刊行
A5/360ページ
価格:3675円(税込)

*目次
序 今「アメリカの世紀」のアメリカとは何かを問う---上杉忍 
一 統合の論理としての伝統的アメリカ文明論
1 宗教的使命感と理想に燃えるアメリカ---森本あんり
2 アメリカ社会と反知性主義---前川玲子
3 異端の歴程---後藤和彦
4 「白人優越主義」再考---中條献
5 「文明化された」家族の国アメリカ---橋裕子
6  「アメリカ」を輸出する国アメリカ---宮本陽一郎
二 新しいアメリカ人像の模索
7 戦争とアメリカ化---中野耕太郎
8 マイノリティー集団の自画像とアメリカ像の変容---新田啓子
9 多文化主義教育におけるアメリカ像の変容---坪井由実
三 世界のアメリカ像
10 トクヴィルからネグリまで---宇野邦一
11 約束の地と堕落した女---池内恵
終 自画像は炸裂する---巽孝之


●共著『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』

双風舎より刊行される共著『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』に小谷真理さんが論考を寄稿しています。ジェンダーフリー、フェミニズムなどの運動に対する「バックラッシュ」=反動的な動きが大きくなっている現状を踏まえ、その原因や問題点を探ります。他にも宮台真司、上野千鶴子、斎藤環など多数の論客が参加しています。



『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』
双風舎より2006年6月刊行
定価:1900円(+税)

***本書についての詳細はこちらをご覧下さい。


●Takayuki Tatsumi Full Metal Apache: Transactions Between Cyberpunk Japan And Avant-Pop America

巽先生による英文単著Full Metal Apacheが今夏、いよいよデューク大学出版局から刊行されます。S・フィッシュとF・ジェイムソンが共同編集しているシリーズ“Post-contemporary Interventions”の一冊として発表される本著は、日米のさまざまな文学や演劇、映画など文化全般を射程に収め、そこに見られる相互交渉、混成文化のダイナミクスを鮮やかに読み解いていく一冊です。
“I have always thought that Takayuki Tatsumi had (and still has) the most interesting lines into whatever it is that I've been doing with fiction, culture, and technology. He showed up before 99 percent of American academics had ever heard of me and seemed immediately to know what I was talking about―often before I did myself.”―William Gibson
CONTENTS
Preface Larry---McCaffery
Contents
Figures
Acknowledgments

Prologue: Anatomies of Dependence
Part One THEORY
Chapter One: Mikadophilia, or The Fate of Cyborgian Identity in the Post-Millenarian Milieu
Chapter Two: Comparative Metafiction: Somewhere between Ideology and Rhetoric
Part Two HISTORY
Chapter Three: Virus as Metaphor: A Post-Orientalist Reading of the Future War Novels in the 1980s
Chapter Four: Deep North Gothic: A Post-Occidentalist Reading of Lafcadio Hearn, Kunio Yanagita, and Ryunosuke Akutagawa
Chapter Five: Which Way to Coincidence?: A Queer Reading of J.G.Ballard's Crash! 
Chapter Six: A Manifesto for Gynoids: A Cyborg Feminist Reading of Richard Calder
Part Three AESTHETICS
Chapter Seven: Semiotic Ghost Stories: The Japanese Reflection of Mirrorshades
Chapter Eight: Junk Art City: or, How Gibson Meets Thomasson in Virtual Light
Chapter Nine: Pax Exotica: Allan Brown's Audrey Hepburn's Neck, Michael Keezing's “Anna-chan of Green Gables, ” and William Gibson's Idoru
Part Four PERFORMANCE
Chapter Ten: Magic Realist Tokyo : Shuji Terayama's Avant-Garde Play “The Miraculous Mandarin” and the Psycho-Geography of Shibuya, Tokyo in the 1970s
Part Five REPRESENTATION
Chapter Eleven: Full Metal Apache : Shinya Tsukamoto's Tetsuo Diptych, or the Impact of American Narratives on the Japanese Representation of Cyborgian Identity
Epilogue: Waiting for Godzilla: Chaotic negotiations between Post-Orientalism and Hyper- Occidentalism

*APPENDIX One: Towards the Frontiers of Fiction: From Metafiction, Cyberpunk through Avant-Pop (a mutual correspondence with Larry McCaffery)
*APPENDIX Two: An interview with Richard Calder
NOTES
BIBLIOGRAPHY



Full Metal Apache: Transactions Between Cyberpunk Japan And Avant-Pop America
Foreword by Larry McCaffery
272 pages
デューク大学出版局より2006年7月刊行
ISBN 0-8223-3762-2 Cloth - $79.95
ISBN 0-8223-3774-6 Paperback - $22.95


●トマス・ディクソン・ジュニア『クー・クラックス・クラン 革命とロマンス』

巽ゼミOGの高橋あき子氏と奥田暁代・本塾法学部助教授の共訳によるトマス・ディクソン・ジュニア『クー・クラックス・クラン 革命とロマンス』が水声社より刊行され、巽先生が帯に推薦文を寄せています。巽先生の『リンカーンの世紀』や『アメリカ文学史』でも大きく扱われた問題小説の、本邦初訳です。
推薦の辞
巽孝之(慶應義塾大学教授・アメリカ文学専攻)
テロ国家アメリカは、この一冊から始まった!
南北戦争時代のリンカーン暗殺は決して過去の神話ではない。それはケネディ暗殺や同時多発テロでも反復され再演された合衆国の宿命である。アメリカ文学史上最も危険な預言書が、いまここに甦る!



トマス・ディクソン・ジュニア
『クー・クラックス・クラン 革命とロマンス』
高橋あき子、奥田暁代訳
本体価格 定価5,250円(本体価格5,000円+税)
水声社より2006年4月1日刊行
A5判/411ページ


Cinema Anime: Critical Engagements With Japanese Animation Edited by Steven T. Brown

Palgrave Macmillan社から刊行されている論文集Cinema Animeに巽先生が論考を寄せています。トランスナショナルな文化として今さまざまな方面から関心が寄せられている日本のアニメ/漫画について、ジェンダーや身体性との関わりを中心に、スーザン・ネイピア氏(テキサス大学オースティン校教授)など各国の研究者が寄稿しています。



Edited by Steven T. Brown
Palgrave Macmillan社より2006年4月刊行
ハードカバー/256ページ

*Contents
The Anime Screen──Steven T. Brown
Part I: Towards a Cultural Politics of Anime
Excuse Me, Who Are You? Performance, the Gaze, and the Female in the Works of Kon Satoshi──Susan Napier
The Americanization of Anime and Manga: Negotiating Popular Culture──Antonia Levi
The Advent of Meguro Empress: Decoding the Avant-Pop Anime TAMALA 2010──Tatsumi Takayuki
Part II: Post-Human Bodies in the Animated Imaginary
Frankenstein and the Cyborg Metropolis──Sharalyn Orbaugh * Animated Bodies and Cybernetic Selves: The Animatrix and the Question of Post-Humanity──Carl Silvio
The Robots from Takkun's Head: Cyborg Adolescence in FLCL──Brian Ruh
Part III: Anime and the Limits of Cinema
The First Time as Farce: Digital Animation and the Repetition of Cinema──Thomas LaMarre
Such is the Contrivance of the Cinematograph’: Dur(anim)ation, Modernity, and Edo Culture in Tabaimo's Animated Installations──Livia Monnet


●千木良悠子『青木一人の下北ジャングル・ブック 』

巽ゼミOG(10期生、Panic Americana vol.5編集長)で舞台や映像作品でも活躍中の作家・千木良悠子さんの新刊『青木一人の下北ジャングル・ブック 』が刊行されました。ソニー・マガジンズの若手作家向けレーベル「ヴィレッジブックスエッジ」から発売された今作は、下北沢を舞台とした初の書き下ろし長篇小説です。



千木良悠子
『青木一人の下北ジャングル・ブック 』
本体価格 定価651円(本体価格620 円+税)
ソニー・マガジンズ「ヴィレッジブックスエッジ」より
2006年3月10日刊行
文庫判/224ページ

***関連リンク
巽孝之「アヴァンポップの娘」(『三田文学』2000年夏号学生小説コレクション)


『視覚のアメリカン・ルネサンス』

世界思想社より刊行される『視覚のアメリカン・ルネサンス』に巽先生がエミリー・ディキンスン論を、常山菜穂子・本塾法学部助教授がアメリカン・シェイクスピア論を寄稿しています。入子文子・関西大学教授と武藤脩二・中央大学名誉教授が共同編集を手がけ、アメリカン・ルネサンス期の作家と、さまざまな視覚芸術との関係を読み解いていきます。



武藤脩二・入子文子編著
四六判/302ページ
定価:2310円(税込)
2006年2月発行
発行:世界思想社

*目次
まえがき[入子文子]
第一部 ヨーロッパ・ルネサンスの伝統とアメリカ文学
第1章 小さな赤い手──〈あざ〉の図像学[入子文子]
第2章 挿絵は誰に何を見せるか──ホーソーン『おじいさんの椅子の全歴史』の場合[水野眞理]
第3章 リチャード三世の身体とアメリカン・ルネサンス[常山菜穂子]
第二部 アメリカン・ルネサンスの時代
第1章 超絶時代のフィルム・ノワール──エミリー・ディキンスンの形見函[巽 孝之]
第2章 ポーと新たなサブライムの意匠──ナイアガラ・スペクタクルから暗黒の海へ[伊藤詔子]
第3章 エマソン的〈視〉の問題──『自然』(一八三六年)再読[野田研一]
第4章 ホーソーンとコール──モラル・ピクチャレスクな風景[城戸光世]
第5章 ことばの画家ホーソーン──視覚芸術との出会いと展開[大杉博昭]
第6章 メルヴィルの美学の変遷[島田太郎]
第三部 ポスト・アメリカン・ルネサンスの時代
第1章 劇作家ヘンリー・ジェイムズ[水野尚之]
第2章 視覚文化のモダニズム──ヘンリー・ジェイムズにみる写真と言語テクストの邂逅[中村善雄]
第3章 マーク・トウェインの旅行記と絵画──『赤毛布外遊記』におけるヨーロッパと「オリエント」[里内克巳]
第4章 月夜と黄昏のコロセウム──ポーからウォートンまで[武藤脩二]
あとがき[武藤脩二]
索引




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