2019/11/02

『思想』2019年11月号が刊行されます/巽孝之先生・大串尚代先生と小林エリカさん・土田知則先生・川本徹先生・ピーター・バナードさんが寄稿されています!

『思想』2019年11月号が刊行されます!「危機の文学」を特集とする本号、池澤夏樹氏の巻頭言に続き、巽孝之先生が沼野光義先生(東京大学)・木村朗子先生(津田塾大学)とともに「〈提起〉 危機に立ち向かう文学」を寄せられています。全3部の本特集には、今わたしたちの目の前で起こっている「文学の危機」は「質的に新しい段階を迎えている」のなら(「〈提起〉」より)、何をするべきなのか、何ができるのかを問う論考が並びます。

〈第1部 文学の言葉とポスト・トゥルース〉 では、土田知則先生(千葉大学)が「ポストモダニズムと「真実の死」」を、〈第2部 越境と世界〉 では、ピーター・バナード先生(文教大学)が「「危きに遊ぶ文体」攷――世界の中の日本文学から異界の中の日本文学へ――」を寄稿されています。そして〈第3部 新たな倫理と可能性を求めて〉 には、大串尚代先生と小林エリカ氏の「言語の下をかいくぐる――ブンガクとマンガの振り子運動――」、巽先生の「パクス・モンゴリカの人新世――ディック、ウォン、ロビンスンに見る歴史改変の想像力――」、川本徹先生(名古屋市立大学)の「日記・ボンネット・西部劇――映画と文学のアダプテーション論の余白に――」が収めされています。ご関心お持ちの方は、ぜひお手にとってみてください!


『思想』2019年11月号(第1147号)
発行:2019年11月5日発行
出版:岩波書店
価格:1900円 + 税
ISSN: 03862755
※岩波書店による詳細はこちらです

【目次】
  • 思想の言葉  池澤夏樹
  • 〈提起〉危機に立ち向かう文学   沼野充義・巽 孝之・木村朗子
  • 世界(文学)とは何か?――理念,現実,実践,倫理   沼野充義
 〈第1部〉 文学の言葉とポスト・トゥルース
  • ポストモダニズムと「真実の死」   土田知則
  • 共感の製造――1930年代米ソにおけるライフヒストリー・プロパガンダ   亀田真澄
  • 「読む」ことをめぐる闘争――名和小太郎『著作権2・0』とテクストの複数性   紅野謙介
  • 記録・フィクション・文学性――「聞き書き」の言葉について   佐藤 泉
 〈第2部〉 越境と世界
  • 「危きに遊ぶ文体」攷――世界の中の日本文学から異界の中の日本文学へ   ピーター・バナード
  • ヨーロッパ越境文学の新展開――ドイツ語文学を拡大するハンガリー語からの翻訳者=作者たち   新本史斉
  • 日本語と英語の両方で書くということ   吉原真里
  • 「戦争は企業のものとなっている」,または忠誠心の行方――21世紀のジョン・ル・カレ   上岡伸雄
 〈第3部〉 新たな倫理と可能性を求めて
  • 戦後文学の倫理について武田泰淳が示したこと   木村朗子
  • 言語の下をかいくぐる――ブンガクとマンガの振り子運動   大串尚代・小林エリカ
  • 人形 (きかい) になりたい――身体と生殖をめぐるポスト・ウーマンの語り   生駒夏美
  • パクス・モンゴリカの人新世――ディック,ウォン,ロビンスンに見る歴史改変の想像力   巽 孝之
  • 日記・ボンネット・西部劇――映画と文学のアダプテーション論の余白に   川本 徹

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