2019/04/12

『三田文學』最新号(特集:世界SFの透視図;2019年春季号)刊行されました!

『三田文學』最新号(2019年春季号)が発売中です!

第25回三田文学新人賞が決定し、受賞作の望月なな氏「炭酸の向こう」および佳作の桐本千春氏「紅い烙印」が選評とともに掲載されています。

続いて、巽先生が責任編集を務められた特集「世界SFの透視図」には、沼野充義氏、立原透耶氏、新島進氏、識名章喜氏による座談会が収められるとともに、川又千秋氏、草野原々氏、王晋康氏、リチャード・コールダー氏の小説が掲載されています。また、巽ゼミOBの海老原豊氏(SF評論家)による評論「日本・SF・ポストヒューマン――『AKIRA』と『ナウシカ』を中心に」、慶應義塾大学SF研究会OB草野原々さん(SF作家;北海道大学・院)の小説「理由農作錬金術師アイティ」も読みごたえたっぷりです。豪華特集のしめくくりは、巽先生の「特集の終わりに――世界SFの未来」です。

高橋睦郎氏「墓をめぐって」が巻頭を飾るとともに、収録作品には、最果タヒ氏の「4、5、6」、岳真也氏の「葬儀の日――放たれる」があります。ながく連載されていた高橋昌男氏の「京極為兼の本懐」は最終回を迎えます(戦後第六次『三田文学』の初代編集長を務められた作家の高橋昌男氏は、本連載完結ののちご逝去されました。つつしんでご冥福をお祈りいたします)。また、入沢康夫氏を偲んで、林浩平氏と杉本徹氏が寄稿されています。

書評セクションでは、巽先生の最新刊『パラノイドの帝国――アメリカ文学精神史講義』 が取り上げられています。そして、連載セクションには、今福龍太氏の「迷宮の夢見る虎」、佐藤元状氏の「電影的温故知新」、大和田俊之氏の音楽評「ラップの詩学」も引き続き掲載されています。

この機会にぜひお手にとってみてください!


No. 137( 2019年春季号)
三田文学会
2019年 4月 10日発売
定価 980円(税込)
※ご購入は三田文学会 HPの専用ページからどうぞ

【目次】
巻頭詩
「墓をめぐって 駱英に」  高橋睦郎


「4、5、6」  最果タヒ

小説
「葬儀の日 放たれる」  岳真也

第二十五回三田文学新人賞 発表
受賞作 「炭酸の向こう」  望月なな
佳作 「紅い烙印」  桐本千春
選評 いしいしんじ/小池昌代/青来有一/持田叙子

特集 世界SFの透視図
座談会
「世界SFの透視図」  沼野充義 × 立原透耶 × 新島進 × 識名章喜/司会・巽孝之

小説

  • 「執着の浜辺 ~Paranoiac Beach~」  川又千秋
  • 「理由農作錬金術師アイティ」  草野原々
  • 「プロメテウスの火」  王晋康/訳・泊功

解説
「中国SF四天王の一人、長老的作家 王晋康」  立原透耶
小説
「控えの間、あるいは、世界小史」  リチャード・コールダー/訳・増田まもる
解説
「コールダーの新たな言語実験」  増田まもる

評論
「日本・SF・ポストヒューマン ――『AKIRA』と『ナウシカ』を中心に」  海老原豊
「特集の終わりに」  巽孝之

追悼 入沢康夫
  • 「入沢康夫氏を悼む」  林浩平
  • 「詩の中心の炉」  杉本徹


短歌/随筆
「千年を隔てた恋の歌のやりとり」 [第十一回]  水原紫苑

俳句/随筆
「死季折々」 [第十一回]  髙柳克弘

映画評
「電影的温故知新」 [第三回]  佐藤元状

音楽評
「ラップの詩学」 [第二回]  大和田俊之

書評

  • 末延芳晴『慶應義塾文学科教授 永井荷風』 小平麻衣子
  • 巽孝之『パラノイドの帝国 アメリカ文学精神史講義』 武・アーサー・ソーントン

連載
  • 〔最終回〕「京極為兼の本懐」  高橋昌男
  • 〔最終回〕「やんばるの深き森と海より」  目取真俊
  • 〔最終回〕「ラカンと女たち」  立木康介
  • 「迷宮の夢見る虎] 5 夢見られた私 今福龍太
  • 「『Dの研究』を中心にした柄谷行人論(二)――マルクスとエンゲルスの「新たな協働」序章」 浅利誠

その他
  • 「ろばの耳」 岩﨑弘晃
  • 「新 同人雑誌評」 柳澤大悟/加藤有佳織

イベント
  • 「芝居は一期一会――永井荷風評伝劇初日迫る」  上本浩司(劇団民藝制作部)
  • 「展覧会 没後20年江藤淳展」  鎌田邦義(神奈川近代文学館)

【関連リンク】

【関連書籍】
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『三田文學』136号(特集: 現代詩の明日へ;2019年冬季号)

『三田文學』135号(特集:永井荷風と慶應義塾;2018年秋季号)

『三田文學』 133号(特集:イギリス小説の現在;2018年春季号)

『三田文學』 130号(特集:アメリカの光と影;2017年夏季号)