2017/06/20

『環境人文学 II−−他者としての自然』(勉誠出版)絶賛刊行中!巽先生の論文「真珠湾攻撃の内宇宙―バラード SFとエコ・テロリズム」と波戸岡景太先生の論文「ミッキー・ウルフマンなんか怖くない―オオカミ/パラノイア/『LAヴァイス』」が寄稿されています!

本書『環境人文学 II−−他者としての自然』は、『環境人文学 I−−文化のなかの自然』に続く第二巻。三部構成。第一部「人間と動物のあいだ」は、動物や死者といった他者の表象をめぐる(不)可能性を探究。第二部「日本とアメリカのあいだ」は、ネイチャーライティングの源流としてのソローを起点としつつ、ビート世代以降の作家や SFおよびポストモダン作家を取り上げ、アメリカ環境文学に新たな光を投じます。第三部「これからの環境人文学」は、「環境人文学」の歴史的文脈を確認した上で理論的枠組みを提示し、スコット・スロヴィック氏へのインタビューで閉じられます。

巽先生の論文「真珠湾攻撃の内宇宙−−バラード SFとエコ・テロリズム」は、1982年第 21回日本 SF大会に寄せられたバラードの単行本未収録文章を起点としつつ、1990年『新潮』 SF特集に寄せられた短篇「夢の積荷」を序曲としたバラード作品におけるエコ・テロリズムの潮流を浮き彫りにします。加えて、小松左京原作・樋口真嗣監督リメイク版『日本沈没』とバラード『沈んだ世界』の交点を照らすことを通じ、バラードの SF的位置を再考されます。

また、波戸岡先生の論文「ミッキー・ウルフマンなんか怖くない−−オオカミ/パラノイア/『LAヴァイス』」は、ヒトラーとディズニー映画『三匹の子ブタ』に通底する「オオカミ」の比喩に注視し、ピンチョン『LAヴァイス』における「ミッキー・ウルフマン」と「子ブタたちの世界」の関係を、『偉大なるギャツビー』や『競売ナンバー 49の叫び』などを参照しながら、読み解きます。

ご関心のある方は、ぜひご一読ください!


『環境人文学 II−−他者としての自然』
編著:野田研一、山本洋平、森田系太郎
表紙画:神山千晶
A5 / 352頁 / 勉誠出版
2017年 5月、3,240円 (本体3,000円)
勉誠出版による本書紹介

【目次】
はじめに 山本洋平

Ⅰ 人間と動物のあいだ
  • 【鼎談】鳥の影―二一世紀になお自然を描くとは 加藤幸子×梨木香歩×野田研一
  • イヌはいかに人間の言うことを理解するのか―マルチスピーシーズ民族誌の可能性 奥野克巳
  • 越境する動物がもたらす贈物(ギフト) 矢野智司
  • 彷徨(さすらい)といふ救済/ザネリの夜―『銀河鉄道の夜』『もののけ姫』に寄せて 北條勝貴
  • 内なる、環境からの声―失われた〈時間〉を語るためのことば 李恩善

Ⅱ 日本とアメリカのあいだ
  • 環境意識と文学の意匠―ソローにみる異化の技巧 フランソワ・スペック(翻訳:藤原あゆみ)
  • バートルビーの眼をとじる―超越主義的ネットワークにおける視覚、身体、他者 山本洋平
  • ゲーリー・スナイダーの『終わりなき山河』―惑星文学の可能性 山里勝己
  • 真珠湾攻撃の内宇宙―バラードSFとエコ・テロリズム 巽孝之
  • ミッキー・ウルフマンなんか怖くない―オオカミ/パラノイア/『LAヴァイス』 波戸岡景太
  • 生きることは動くこと(Living is Moving)―アニー・ディラードの受動性 中川直子

Ⅲ これからの環境人文学
  • 環境人文学の現在 結城正美
  • 未来の種、未来の住み処(すみか)―環境人文学序説 ウルズラ・K・ハイザ(翻訳:森田系太郎)
  • 自然/文化、環境/文学―記号の儀式と擬制の祝宴 小山亘
  • 「二五年後」のエコクリティシズム スコット・スロヴィック(聞き手:森田系太郎[編集・翻訳]、山本洋平)

おわりに―〈他者〉の政治学と環境人文学の地平 森田系太郎


【関連リンク】


【関連書籍】
野田研一、山本洋平、森田系太郎編著『環境人文学 II−−他者としての自然』(勉誠出版、2017年)


野田研一、山本洋平、森田系太郎編著『環境人文学 I−−文化のなかの自然』(勉誠出版、2017年)

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