2017/02/22

02/24:科研費研究会 2016年度第 2回「Dos Passosと兵士の身体」のお知らせ@成蹊大学 10号館 2階 第 2中会議室 18:30-20:30

2月 24日(金)に成蹊大学にて、巽先生が携わっている文部科学省科学研究費主催 2016年度第 2回研究会「Dos Passosと兵士の身体」が下記のとおり開催されます。

基調発表では、越智博美先生(一橋大学)が「名もなき者たちの物語−−寄せ集めとしてのU.S.A. 三部作」をお話しくださいます。ワークショップ「“The Body of an American” を読む」では、大学院ゼミ在籍の志賀俊介さん(博士課程)がご発表されます。ご関心のある方は、ぜひご来聴ください!


2016年度第 2回研究会
Dos Passosと兵士の身体
日時:2017年 224日(金)18:30-20:30
会場:成蹊大学 10号館 2階 第 2中会議室(アクセス/キャンパス
主催:科学研究費・基盤研究 (B)「マニフェスト・デスティニーの情動的効果と21世紀惑星的想像力

研究代表者:下河辺美知子(成蹊大学)
研究分担者:巽孝之(慶應義塾大学)・舌津智之(立教大学)・日比野啓(成蹊大学)

※どなたにも無料で参加していただけますが、会場整理の都合上、hibinoあっとまーくfh.seikei.ac.jpに事前のご連絡を下さいますようお願いいたします。

【プログラム】
基調発表
名もなき者たちの物語−−寄せ集めとしての U.S.A. 三部作
越智博美(一橋大学)

ワークショップ
“The Body of an American”を読む
徳永裕(成蹊大学大学院博士前期課程)
志賀俊介(慶應義塾大学大学院博士後期課程)
桐山大介(ニューヨーク州立大学オールバニー校大学院博士後期課程)
コメンテイター:越智博美


【研究会概要】※フライヤーより
本基盤研究(B)は、マニフェスト・デスティニーというレトリックの国際政治における意義を歴史的にたどると同時に、その心理的・精神的効果がアメリカ国民の情動を操作するナラティヴとしていかに機能してきているかに焦点をあて、地球規模でのアメリカの位置を読み直すことを目指している。

今回は、第一次大戦を経験した「ロスト・ジェネレーション」の一人とされる John Dos Passos に光を投じ、戦争と国家をめぐる諸問題を掘り下げる。彼はしかし、その代表作である U. S. A. 三部作を、狂騒の20年代ではなく、大恐慌の30年代に発表した。資本主義や愛国の情動に翳りが見え始める中、作家の社会意識はアメリカ合衆国の輪郭をどのように再定義したのであろうか。

まず基調講演では、越智博美氏が、U.S.A. 三部作を多様な文章スタイルと多様な人からアメリカ合衆国を表象しようとした壮大な実験であると捉え、作品の諸要素を整理する。最初と最後に “U.S.A.” および “Vag” という短い文章を置くことで別個に発表された三作品は三部作しての構成が与えられているが、そこに挟まれた三作品が想像するアメリカ合衆国とはいかなるものであったかの考察を試みる。

その後はワークショップ形式とし、Dos Passos の “The Body of an American”に焦点を絞り、若手研究者 3名に自由なそれぞれの視点からテクストの分析を行って頂く。1919(1932年)の最後を飾るこのスケッチには、歴代大統領の人気ランキングで常に最下位を争う Hardingの演説が引用されているが、今後彼のライバルとなるであろう新大統領が就任演説を終えた 2017年の今、「アメリカ人の身体/遺体」は我々に何を語りかけるのか?


【関連リンク】
研究会ウェブサイト
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