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アメリカ研究プロジェクト特別講演
主催:科学研究費・基盤研究(B)
「マニフェスト・デスティニーの情動的効果と21世紀惑星的想像力」
後援:グローバルセキュリティ研究所アメリカ研究プロジェクト
講師:牧野有通(明治大学元教授・日本メルヴィル学会会長)
司会:巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
日時:2014年12月16日(火)14:45-16:15
会場:三田キャンパス 西校舎515教室(アクセス/キャンパス)
特別講演2「メルヴィルのオリエンタリズム―『白鯨』の描く異教の世界」
講師:斎木郁乃(東京学芸大学准教授)
司会:巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
日時:2014年1月13日(火)14:45-16:15
会場:三田キャンパス 西校舎515教室(アクセス/キャンパス)
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特別講演1「メルヴィルと平和への意志」
講師:牧野有通(明治大学元教授・日本メルヴィル学会会長)
特別講演「メルヴィルと平和への意志」
講師:牧野有通(明治大学元教授・日本メルヴィル学会会長)
司会:巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
日時:2014年12月16日(火)14:45-16:15
会場:三田キャンパス 西校舎515教室(アクセス/キャンパス)
*講演内容
日本におけるメルヴィル評価の先導者阿部知二は、単に『白鯨』の本邦初訳者であるだけでなく、彼自身の小説『裂氷』の中で、戦争をもたらす盲目的動因を「モビー・ディック」に喩えているが、現代においてメルヴィルを高く評価する作家大江健三郎も、いくつかの評論集の中で、冷戦期の戦争をもたらす動因を、「モビー・ディック」のごとき核兵器への脅威と関わらせている。このことは、直ちにメルヴィル文学の本質とも関わってくるように思われる。メルヴィルは人間の「不合理にして暴虐的」な側面を直視するがゆえに、文学に反戦・平和の強力な立脚点を求めているからである。この論点をさらに追求すれば、現在表層的に語られることの多い「文学の非有効性」を打破することが可能となる。その意味でもまさしくメルヴィル文学は、現代の人間救済への道を示唆していると言えるのである。
*講師紹介
牧野有通。明治大学元教授。日本メルヴィル学会会長。日本におけるハーマン・メルヴィル研究の第一人者であり、近代をテーマとしてメルヴィル作品が内包するイデオロギーを多角的に研究している。研究対象はメルヴィルに留まらず、ウィリアム・フォークナーからメルヴィル作品の翻訳のみならず、自身が作家として知られる阿部知二まで多岐にわたる。代表的な著作には『世界を覆う白い幻影-メルヴィルとアメリカ・アイディオロジー』(南雲堂、1996年)や、編著として Melville and the Wall of the Modern Age (Nan’un-do, 2010) などがある。
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特別講演2「メルヴィルのオリエンタリズム―『白鯨』の描く異教の世界」
講師:斎木郁乃(東京学芸大学准教授)
特別講演「メルヴィルのオリエンタリズム―『白鯨』の描く異教の世界」
講師:斎木郁乃(東京学芸大学准教授)
司会:巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
【関連書籍】
牧野有通『世界を覆う白い幻影―メルヴィルとアメリカ・アイディオロジー』(南雲堂、1996年)
牧野有通編 Melville and the Wall of the Modern Age (南雲堂、2010年)
【関連リンク】
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特別講演2「メルヴィルのオリエンタリズム―『白鯨』の描く異教の世界」
講師:斎木郁乃(東京学芸大学准教授)
特別講演「メルヴィルのオリエンタリズム―『白鯨』の描く異教の世界」
講師:斎木郁乃(東京学芸大学准教授)
司会:巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
*講演内容
メルヴィルが晩年の詩の中でノスタルジックに南太平洋を称して「異教の海に浮かぶ真のエデン」と述べたように、『白鯨』においてもキリスト教的な世界観とそれを拡張しつつ批判する異教的な世界観が融合している。19世紀のアメリカでは、聖地巡礼のブームを通して、アジアとそこで暮らす人々が聖書を具現化する存在と見なされ、同時にマニ教やゾロアスター教などのアジアの異教にも関心が高まったと考えられ、『白鯨』もその歴史的流れを色濃く反映している。本論では、主にエイハブとフェダラー、イシュメイルとクィークェグの間をつなぐアジア的かつ異教的なものに焦点を当てながら、メルヴィルのオリエンタリズムについて一考察を加える。
*講師紹介
斎木郁乃。東京学芸大学准教授。メルヴィルとオリエンタリズムや南北戦争文学におけるジェンダー規範の撹乱をテーマとして研究を進める。Facing Melville, Facing Italy (U of Rome P, 2014), Melville and the Wall of the Modern Age (Nan’un-do, 2010)、それに“Whole Oceans Away”: Melville and the Pacific (Kent State UP, 2008)などに論文を発表している。
【関連書籍】
牧野有通『世界を覆う白い幻影―メルヴィルとアメリカ・アイディオロジー』(南雲堂、1996年)
牧野有通編 Melville and the Wall of the Modern Age (南雲堂、2010年)
Jill Barnum and Christopher Sten eds. "Whole Oceans Away": Melville and the Pacific (Kent State UP, 2008)
【関連リンク】
- 日本メルヴィル学会(The Melville Society of Japan)
- 米国メルヴィル学会(The Melville Society)
- 第10回国際メルヴィル学会、研究発表の応募締切が一ヶ月延長され、2014年9月15日となりました(2015/06/25-29@慶應義塾大学三田キャンパス)(CPA: 2014/08/10)
- 巽先生が副会長を務められる、日本メルヴィル学会公式ホームページが開設され、2015年国際メルヴィル会議(@慶應三田キャンパス)のプロポーザルがアップされています。(CPA: 2012/10/30)