日本初の怪談専門誌『幽(ゆう/yoo)』は、『ダ・ヴィンチ』の連載企画「怪談之怪」を母胎とし、2004 年に創刊。日本古来の文化である「怪談」を切り口に、文芸作品、怪談会、絵物語の世界など、この世とあの世の境界をめぐる物語をさまざまな角度から紹介し、「潤いと陰影に富む怪談のある暮らし」を提案しています。
最新第 20 号の目玉は二つの特集!第一特集「怪談文芸アメリカン」では、日本の怪談文芸に多大な影響を及ぼしてきた、E・A・ポーやアンブローズ・ビアス、ラヴクラフトやスティーヴン・キングなどアメリカ怪奇幻想文学の魅力と歴史に注目。巽先生のご論考「怪談作家ポー—非生命の幽霊、非人間の幽霊」では、怪談の起源を十九世紀アメリカ・ロマン派作家のポーに求め、かの傑作短篇「アッシャー家の崩壊」と「黒猫」に見られるその比類無き恐怖と魅惑について余さず教えてくださいます。
また、第二特集では、第八回『幽』怪談文学賞と第五回『幽』怪談実話コンテストの選考会リポートと受賞作が全文掲載!ほかにも、京極夏彦氏、山白朝子氏、恒川光太郎氏らの怪談小説や、怪談実話、怪談漫画などなど、読みどころは満載。ご興味・ご関心のある方は、ぜひこの機会にお手に取ってみてください!
第 20 号/ 2014年 02月号
ダ・ヴィンチ二月号増刊
判型:雑誌
出版:KADOKAWA メディアファクトリー
刊行: 2013年12月
価格:1850円(本体1762円)
*『幽』公式サイトによる詳細
【目次】
第一特集 怪談文芸アメリカン
【対談】紀田順一郎 × 荒俣宏「日本に新しい文学をもたらした米国怪談と作
家たち」
【世界怪談紀行】「ラヴクラフトの故地を訪ねて」東雅夫
【エッセイ】「ふるさと怪談リポート in TEXAS」門賀美央子
【対談】風間賢二 × 東雅夫「怪奇小説からモダンホラーへ—現代作家に色濃
い影響を与えた米国怪談」
【論考】
「アメリカの地方に顕れた宇宙的恐怖」ピーター・バナード
「怪談作家ポー—非生命の幽霊、非人間の幽霊」巽孝之
「センセーショナル・ルポライターの誕生」池田雅之
【エッセイ】「西海岸の幽霊たち」田辺青蛙
【アメリカ怪談私の一冊】柴田元幸/金原瑞人/中村融/若島正
【翻訳】円城塔訳「ジキニンキ」(ラフカディオ・ハーン著)
【エッセイ】「翻訳にあたって」円城塔
第二特集 決定!第八回『幽』怪談文学賞&第五回『幽』怪談実話コンテスト
【リポート】第八回『幽』怪談文学賞選考会リポート
【短編部門大賞受賞作】沙木とも子「そこはかさん」
【リポート】第五回『幽』怪談実話コンテスト選考会リポート
【大賞受賞作】郷内心瞳「調伏」「お不動さん」
巻頭グラビア/Ghostly Providence
ラヴクラフトが愛した街 プロヴィデンス面影紀行 東 雅夫 写真/文
怪談小説
京極夏彦 鬼談「鬼慕」
山白朝子 「呵々の夜」
恒川光太郎 「青天狗の乱」
怪談実話
怪談実話コロシアムy (石井光太 vs 吉田悠軌 vs 貝田和)
福澤徹三 「怖の日常」
小池壮彦 「日本の幽霊事件」
安曇潤平 「山の霊異記」
工藤美代子 「日々続々怪談」
立原透耶 「ひとり百物語」
松村進吉 「セメント怪談稼業」
怪談漫画
花輪和一 「タルシル珠」
諸星大二郎 「見下ろす女」
高橋葉介 「アン・デッドはじめました」
押切蓮介 「招かれざる聞き手達」
伊藤三巳華 「伊藤三巳華の憑々草」
岸浩史 「むげん散歩」
怪談逍遥
中山市朗 × 三木大雲 「上方怪談 街あるき」
南條竹則 「幽的民譚(ゴーストリイ・フォークロア)」
エッセイ
唐沢俊一 「漫画についての怪談(アヤシイハナシ)」
高原英理 「江戸怪談実話の迷い道」
東 雅夫 「怪談マガジン採訪」
山田誠二 「怪談映画語り」
村上紀夫+笹方政紀(東アジア恠異学会)「霊(モノ)ガタリの系譜」
インタビュー
「スポットライトは焼酎火」右田千代+松本卓臣+佐野広記
ほか
【関連リンク】
・怪談専門誌『幽』
・巽先生の1984年のご論文(エドガー・アラン・ポー論)特別掲載!
(CPA: 12/09/2013)
・日本ポー学会
【関連書籍】
巽先生翻訳『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集〈1〉ゴシック編 (新潮文庫)』(新潮社、2009年)
巽先生翻訳『モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 (新潮文庫)』(新潮社、2009年)
巽先生著『NHKカルチャーラジオ 文学の世界 エドガー・アラン・ポー 文学の冒険家 (NHKシリーズ)』(NHK出版、2012年)
八木敏雄先生・巽先生著『エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携』(研究者、2009年)
巽先生著『E・A・ポウを読む (岩波セミナーブックス)』(岩波書店、1995年)
巽先生・下河辺美知子先生・鷲津浩子先生著『文学する若きアメリカ―ポウ、ホーソン、メルヴィル』(南雲堂、1989年)