『3・11の未来――日本・SF・創造力』(笠井潔・巽孝之監修)の編者の一人であられる藤田直哉さんは、2008年「消失点、暗黒の塔——『暗黒の塔』第5部、6部、7部を検討する」で第3回日本SF評論賞・選考委員特別賞を受賞し、『SFマガジン』に掲載されデビュー。いま注目のSF・文芸評論家の一人です。2008年同年には、講談社BOX「東浩紀のゼロアカ道場」に参加され、ハンディカメラで街を撮影/ネット上にアップという批評方法で注目を集め、村上隆氏に「日本のウォーホル」と呼ばれます。
本書『虚構内存在――筒井康隆と〈新しい《生》の次元〉』は、藤田直哉さんの記念すべき第一著作。作家・筒井康隆氏の造りだした概念「虚構内存在」と、その前提となる「超虚構理論」を取り上げ、9.11からゼロ年代を経て3.11以後の現代を生きる私たちの、新たなる《生》の可能性を探求されています。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!
題:『虚構内存在——筒井康隆と〈新しい《生》の次元〉』
著:藤田直哉
頁数:334
出版:作品社
刊行:2013年1月
価格:本体2400円+税
*作品社による本書詳細
【目次】
はじめに 虚構内存在との新たなる生の次元にむけて
第一部 なぜ、いま筒井康隆が必要なのか
第一章:なぜ、いま筒井康隆が必要なのか
第二章:戦後史の中の筒井康隆——「武器としての笑い」と「楽器としての笑い」
第二部 超虚構理論と虚構内存在
第三章:超虚構理論とフリードリヒ・フォン・シラー
第四章:虚構内存在の存在論
第五章:内宇宙の神話——《集合的無意識》から「文化的無意識」へ
第六章:感情移入の理論
第七章:機械化した良識——『朝のガスパール』から『断筆宣言』まで
第三部 虚構内存在の切り拓く新たなる《生》の次元
第A章:虚構内存在の政治
あとがき
注
筒井康隆略年譜
【関連書籍】
藤田直哉『虚構内存在――筒井康隆と〈新しい《生》の次元〉』(作品社、2013年)
笠井潔・巽孝之監修/海老原豊・藤田直哉編『3・11の未来――日本・SF・創造力』(作品社、2011年)
【関連リンク】
・『虚構内存在』詳細(作品社ホームページ)
・小松左京氏が序文を寄稿した『3.11の未来―日本・SF・想像力』(笠井潔・巽監修/海老原豊・藤田直哉編)刊行(CPA 08/17/2011)