先月逝去された小松左京氏による序文が含まれた、笠井潔氏と巽先生監修の『3.11の未来―日本・SF・想像力』が、今月作品社より刊行されます。
本書は、【座談会】「小松左京の射程―『日本沈没 第二部』をめぐって」での小谷真理氏のお話や、押井守氏のインタビューなどが掲載されているほか、2006年度慶應義塾大学訪問教授であったスーザン・ネイピア氏、巽ゼミ・大学院OBの海老原豊氏といった方々も寄稿されています。ぜひ手にとってみてください。
『3.11の未来―日本・SF・想像力』
笠井潔・巽孝之監修、海老原豊・藤田直哉編
400ページ
1800円(税別)
作品社より、2011年8月26日刊行
※書籍詳細は、こちらからご覧いただけます。
<内容目次>
■はじめに
小松左京「序文―3.11以降の未来へ」
目次/趣旨文・編集一同
■第一部 SFから3.11への応答責任
笠井潔「3.11とゴジラ/大和/原子力」
【鼎談】笠井潔・巽孝之・山田正紀「3.11とSF的想像力」
豊田有恒「原発災害と宇宙戦艦ヤマト」
スーザン・ネイピア「津波の時代のポニョ―宮崎駿監督に問う」
■第二部 科学のことば、SFのことば
瀬名秀明「SFの無責任さについて―『311とSF』論に思う」
【座談会】谷甲州・森下一仁・小谷真理・石和義之「小松左京の射程―『日本沈没 第二部』をめぐって」
八代嘉美「『血も涙もない』ことの優しさ」
長谷敏司「3.11後の科学とことばとSF」
田中秀臣「物語というメビウスの環」
仲正昌樹「SFは冷酷である」
海老原豊「一九七三年/二〇一一年のSF的想像力」
■第三部 SFが体験した3.11
新井素子「東日本大震災について」
押井守「あえて、十字架を背負う」
野尻抱介「原発事故、ネットの混沌とロバストな文明」
大原まり子「3.11以降の未来への手紙」
クリストファー・ボルトン「流れ込む、分裂する言葉―3.11以降の安部公房」
■第四部 3.11以降の未来へ
桜坂洋「フロム・ゼロ・トゥ・201X」
新城カズマ「3.11の裡に(おいて)SFを読むということ」
鼎元亨「3.11後の来るべき日本」
藤田直哉「無意味という事」
■結語―またはゼロ年代の終わりに
巽孝之
■資料
ブックガイド40作