2012/12/03

12/8:日本アメリカ文学会東京支部12月例会


12月8日(土)に慶應義塾大学三田キャンパスにて、日本アメリカ文学会東京支部12月例会が行われます。

今回の東京支部12月例会のシンポジウムでは、ポストコロニアリズムあるいは環太平洋的想像力といった今日的視点からアメリカン・ルネッサンスを再考した前回近代散文発題のシンポジウム(2010年)に続き、女性作家に焦点を当てて「アメリカン・ルネッサンス」が取り上げられます。

1980年代以降様々に進められてきた「男性中心主義のキャノン」に対するフェミニズム的観点からのアメリカン・ルネッサンスの読み直しに対し、最近ではヴィクトリア朝的な“separate spheres”の考えに基づく「領域」の問題を問い直す試みなど、新たな視点から19世紀半ばの文学的・社会的コンテクストと女性作家との関係が研究されてきています。そのような批評の流れの一環として、本シンポジウムでは、パネリストの先生方が女性作家たちがどのようにアメリカン・ルネッサンスと関わったのかを様々な観点から再考し、19世紀半ばの文学的状況の再検討をしてくださります。

また講師として、本塾文学部英米文学専攻准教授である大串尚代先生が、「もうひとりの女性異端者の物語―エライザ・バックミンスター・リーにみる19世紀アン・ハチンソン再評価」と題し、女性と宗教の問題についてお話されます。
ぜひご来聴ください!


日本アメリカ文学会東京支部12月例会
日時:12月8日(土)午後2時より
場所慶應義塾大学三田キャンパス研究室棟1階A・B会議室
(*地図はこちら

シンポジウム
「女性たちのアメリカン・ルネッサンス」
司会 新井景子(武蔵大学)
講師 大串尚代(慶應義塾大学) 
「もうひとりの女性異端者の物語―エライザ・バックミンスター・リーにみる19世紀アン・ハチンソン再評価」
講師 野口啓子(津田塾大学) 
「チャイルドの反奴隷制文学、『共和国のロマンス』」
講師 江田孝臣(早稲田大学) 
「Emily Dickinson の時代性と特異性 」



【関連書籍】

大串尚代 著 『ハイブリッド・ロマンス―アメリカ文学にみる捕囚と混淆の伝統』 (松柏社、2002年)


野口啓子・山口ヨシ子 共著 『アメリカ文学にみる女性改革者たち』 (彩流社、2010年)


ノースロップ・フライ 著 江田孝臣 訳 『ダブル・ヴィジョン: 宗教における言語と意味』 (新教出版社、2012年)



【関連リンク】

日本アメリカ文学会東京支部ホームページ