2012/05/12

大学院巽ゼミOBの波戸岡景太先生の『動物とは「誰」か?』が水声社より刊行されました

大学院巽ゼミOBの波戸岡景太先生(明治大学)の新著『動物とは「誰」か?—文学・詩学・社会学との対話』が水声社より刊行されました。

波戸岡先生ご自身の手により、文字化、文章化、編集された、3つの対話では一貫して、動物とは「誰」なのか、が問われ続けます。

大澤真幸さんの社会学者としての視点、古川日出男さんの小説家としての視点、管啓次郎さんの詩人としての視点はそれぞれ、波戸岡先生の批評家としての視点と肉声を通して反応し合い、最終章におさめられた論文「私は「誰」を食べているのか—サリンジャーの短編「フラニー」を誤読する」に行き着きます。ご興味のある方、ぜひこのダイアローグに耳をおすませください。



『動物とは「誰」か?
—文学・詩学・社会学との対話』
波戸岡景太著
単行本/210頁
水声社/2012年4月
定価2200円+税

***目次
—Ⅰ 動物論のための「アニマルズ」小論
—Ⅱ  人間、この猟奇的なもの 社会学者、大澤真幸との対話
1:こどもとしての動物
2:恋人としての動物
3:食肉としての動物
4:老いたるものとしての動物
5:隣人としての動物
—Ⅲ 擬態の文学 小説家、古川日出男との対話
1:動物の小説
2:血統への憧れ
3:聖餐と解体
4:『ベルカ、吠えないのか?』に続篇はない
5:「黒いアジアたち」と『ドッグマザー』
6:「のら猫」から「天皇制」へ
7:擬態の文学
8:『ゴッドスター』再読
—Ⅳ 毛皮を脱いで走る犬 詩人、管啓次郎との対話
1:動物のことは詩人に訊け
2:その猫は、メタファーではないのか?
3:この犬も、メタファーではないのか?
4:正しく殺す、とはどういうことか?
5:詩の倫理とは何か?
6:美学的戦争の戦線を確定するために
—Ⅴ 私は「誰」を食べているのか サリンジャーの短篇「フラニー」を誤読する
1:喋ること、食べること
2:クレアの妊娠
3:アダルト・チャイルドの苦しみ
4:カエルとカタツムリ
5:誤読という動物開放
参考文献
あとがき

***なお、大学院巽ゼミOBOGの方々の論文・業績はこちら
***波戸岡先生のこれまでの著書
『オープンスペース・アメリカ 荒野から始まる環境表象文化論』
(左右社、2009年)


『ピンチョンの動物園』(水声社、2011年)


『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社、2011年)


管啓次郎・波戸岡景太ほか著
『混成世界のポルトラーノ』(左右社、2011年)