大学院巽ゼミOBの波戸岡景太先生(明治大学)の『コンテンツ批評に未来はあるか』が、昨年11月、水声社より刊行されました。
データベース化が進行し、人間と社会とがますます乖離してゆく現在、『コンテンツ』はどのように語りうるのか?アニメ化も話題のゲーム『シュタインズ・ゲート』から、『もののけ姫』、村上春樹、エミネム、そして波戸岡先生のご専門のトマス・ピンチョンまでといった多彩な表現を通して、21世紀の読み直しに挑む本書。ぜひ、手にとってみてください!
波戸岡景太著『コンテンツ批評に未来はあるか』
四六判上製232頁/2500円+税
水声社より2011年11月刊行
※書籍詳細は、こちらからご覧いただけます。
目次
Dメールが届いたら
・物質と記憶
・『シュタインズ・ゲート』とコンテンツ産業
・「原作」という名の起源神話
八・六光年の孤独
・新海誠の速度と時間
・数値化される「孤独」
・ノスタルジアの時間圧縮
予告篇の男
・円城塔の自動記述
・始まる前から終わっている物語
・永久機関のように語ること
アトムとタワーとラーメンズ
・にぎやかだった未来
・平凡な二十一世紀
・なつかしさの力学
サンプリング・ザ・フューチャー
・タイムトラベルとリーダーシップ
・ジョージ・マクフライふたたび
・マーティー世代の未来は今
ゴーストシティに生まれて
・ヒップホップという場所
・エミネムのアメリカ
・二重否定の「ビューティフル」
廃墟というコンテンツ
・記憶の町、ラスト・チャンス
・ゴーストタウンの「原作者」
・批評家たちの砂漠的ヴィジョン
永遠にSFになり切れない
・コンテンツとしてのピンチョン文学
・ピンチョンはSFなのか?
・二段構えのノスタルジア
独白者はかく語りき
・ハルキからハルヒへ
・ライトノベルの綿布団
・森見登美彦の二枚舌
クマが自伝を書く理由
・たとえの連鎖
・調教の記憶――『雪の練習生』
・予告する自伝
うぬぼれ鏡の向こう側
・鏡というメディア
・コンテンツ作家・伊丹十三
・技術と表現のはざま
ノイズ・ノイズ・ノイズ
・『1Q84』のマゾヒズム
・レキシをかきかえる
・コンテンツ化する世界の終わりで
見えない樹木たち
・「風景」の使用法
・村上春樹と丸谷才一
・俳句とハイク
日本の森のあいまいな私
・『もののけ姫』の企画書
・大江健三郎と『ひぐらしのなく頃に』
・そして〈森〉はループする
【巻末エッセイ】サルスベリの立つところ
参考文献
謝辞