国境を越えたアメリカ文化の学際的研究の拡大を目指すアメリカ研究ウェブ雑誌The Journal of Transnational American Studies(JTAS)。巽先生が編集委員を務める本誌の最新号(Volume 3, Issue 2)が刊行され、こちらからご覧いただくことができます。
ドイツ系ユダヤ人移民であったアメリカの政治哲学者ハンナ・アーレントの国家横断的思考、世紀転換期に広く読まれたアフリカ系アメリカ人の雑誌Colored American Magazineとその編集に携わっていたポーリーン・ホプキンズの分析、さらには、ジョン・アップダイクの2006年に刊行された最新作Terroristにおける国家横断的読みといったように、多岐にわたるトピックを扱う論文から構成された最新号。特に、トランスナショナルな主題に関する話題の最新研究書の序文をそろえた"Forward Section"をはじめ、国境を越え、かつそれを横断的に捉える視点の必要性を説き続けているシェリー・フィッシャー・フィシュキン氏(スタンフォード大学教授)が提唱するDEEP MAPSに関するご自身の論文や、そのフィシュキン氏によるDEEP MAPS提起をめぐる討論をも含む、読みどころ満載の内容となっております。ぜひご覧ください!
なお、この最新号と同様に、巽先生が編集長を務めている英文号Maik Twain Studies第二号(日本マーク・トウェイン協会)の"The War-Prayer"特集の再録や、大学院巽ゼミOBの辻秀雄さん(首都大学東京)、有光道生さんも論文を寄稿した創刊号、W・E・B・デュボイスの未発表論考"The Afro-American"や、本ウェブジャーナル(JTAS)の編集顧問であられ、2009年に逝去されたエモリー・エリオット氏の"Terror, Aesthetics, and the Humanities in the Public Sphere"が収録された第2号、そして、2009年ワシントンD.C.で開催されたアメリカ学会(American Studies Association)での、国家の枠を越えた市民権とコスモポリタニズムという新たな見解をテーマにしたシンポジウムRedefinitions of Citizenship and Revisions of Cosmopolitanism―Transnational Perspectivesに基づく論文が掲載された第3号も、オンライン上で読むことができますので、こちらもあわせてどうぞご覧ください。