
百年前、アメリカでもっとも有名な「日本人」は、「ハシムラ東郷」という名のコラムニストだった。新聞や雑誌に書いた辛辣で滑稽なアメリカ批評で人気を呼び、多くのアメリカ人に愛されたが、日本との戦争中は憎まれ、戦後は忘れられていった。彼の奇妙な名が示すように、「ハシムラ東郷」は白人風刺作家ウォラス・アーウィンの作り上げた架空の日本人像であったのだ。
宇沢先生の『ハシムラ東郷』は、「ハシムラ東郷」を人物造型した原作者ウォラス・アーウィンの抱腹絶倒の作品群を克明に分析し、イエローペリルとジャポニズム全盛のアメリカを再検討するというもの。同作品は単行本としてはまず第一に重厚なアメリカ文学研究書であり、これによって宇沢先生は本塾より文学博士号を取得しました。
宇沢先生の12年間にも及ぶ研究をもとに書かれた『ハシムラ東郷』が、坂手氏率いる劇団・燐光群によって待望の舞台化!どうぞお楽しみに!
11月20日(金)から東京公演がスタートする、燐光群『ハシムラ東郷』についての詳細はこちらから。
※なお、11月24日(火)は、坂手氏とのアフタートークのゲストとして宇沢先生が出演します。