2008/07/22

巽先生のメルヴィルについてのエッセイ、雄松堂のネットマガジンにて掲載!

今年5月、雄松堂から、アメリカ文学ライブラリー第3巻『ハーマン・メルヴィル事典』(ロバート・L・ゲイル著、福士久夫訳)が刊行されました。その出版に際して、雄松堂のネットマガジンの「アメリカ文学ライブラリー」リレーエッセイの特別編に、メルヴィル研究家として有名な巽先生のエッセイが掲載されています!タイトルはずばり、「零度のエスニシティ: ロバート・L・ゲイル『ハーマン・メルヴィル事典』の余白に」


エッセイの中には、150年以上前の作品であるにも関わらず、メルヴィルがあたかも21世紀現在のことを予期して書いたかのようなテクスト『白鯨』(1851年)や、黒人奴隷たちの反乱と陰謀により絶望の淵にたたずむスペイン人船長ドン・ベニトの物語「ベニト・セレノ」(1855年)が登場します。
そして、アメリカ・ロマン主義文学の代表格である白人作家メルヴィルと逃亡奴隷の黒人作家フレデリック・ダグラスという異色の組み合わせから、再び話は『白鯨』(1851年)に戻り、エイハブ船長の腹心の友である謎の男フェダラーに焦点を当て、「人種のサラダボウル」とも言われるアメリカ合衆国の民族性(エスニシティ)へと迫ります!!


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アメリカ同時多発テロなど、現代アメリカと密接な関わりをもつメルヴィル作品に関するエッセイ。ぜひ、一読してみてください!また、この「アメリカ文学ライブラリー」リレーエッセイでは、様々なアメリカ人作家が取り上げられており、著名な先生方のエッセイが目白押し!特に、学生の方々、必見です!