2004/12/01

過去のCPA Recommends:2004

●巽孝之訳『メタファンタジア』収録
レム・コレクション第2回配本『高い城・文学エッセイ』

2004年10月に行われた『ソラリス』刊行記念トークショーも大盛況だったスタニスワフ・レムコレクションですが、このたび第2回配本『高い城・文学エッセイ』が刊行されました。本書には巽先生が英訳版から訳出した「メタファンタジア」を収録。この邦訳は当初、<SFの本>1984年5月号(新時代社)に掲載されていたもので、20年あまりの時を経て再び刊行が実現しました。今回の収録に際しては徹底的な改訳が施されています。本書にはこのほか、少年時代を綴った自伝『高い城』に加え、『SFと未来学』『偶然の哲学』といった主要評論からの抄訳が収められています。



スタニスワフ・レムコレクション
第2回配本
『高い城・文学エッセイ』
四六変形判・上製 448頁
国書刊行会より2004年12月24日刊行
定価2940円

『自然と文学のダイアローグ―都市・田園・野生 』

2003年3月、琉球大学にて行われたシンポジウム「国際シンポジウム沖縄2003」がこのたび一冊の本にまとまりました。アメリカ・韓国・台湾・日本の環境文学を考える作家、詩人、研究者が出席したこのシンポジウムには、「自然―都市、田園、野生」をテーマにした討議も行われ、巽先生や大学院巽ゼミOBの中垣恒太郎氏も参加しています。




山里勝己・高田賢一・野田研一・高橋勤・スコット・スロヴィック編
『自然と文学のダイアローグ―都市・田園・野生 』
A5判上製・295頁
彩流社より2004年9月15日刊行
価格(税込価格):2,940円

 
*目次
1. 基調講演 ゲーリー・スナイダー
2. 自然―都市、田園、野生 
司会(山里勝己)、巽孝之、シェリル・グロットフェルティ、スコット・スロヴィック、伊藤詔子、中垣恒太郎、結城正美
3. アジアの自然と文学
(司会 野田研一)、高銀、森崎和江、崎山多美、劉克襄、吉田美津
4. 環境から何を学ぶか
(司会 乳井昌史)、加藤幸子、ロバート・マイケル・パイル、カレン・コリガン=テーラー、高田賢一、山城新



『アメリカナイゼーション ――静かに進行するアメリカの文化支配』

マクドナルド、コカコーラ、ディズニーランド…。私たちの生活に深く浸透したアメリカ文化。アメリカによる文化支配=アメリカナイゼーションは現在、そしてこれからの世界にどのような影響をもたらすのか。このたび刊行された『アメリカナイゼーション 』は、アメリカ文化の圧倒的な支配下におかれつつある現代世界に警鐘を鳴らす一冊です。



津田幸男、浜名恵美編
『アメリカナイゼーション ――静かに進行するアメリカの文化支配』
四六判並製・320頁
研究社より2004年9月15日刊行
価格(税込価格):2,625円

*目次
第1章:アメリカナイゼーションがライフスタイルを変えている(浜名恵美)
第2章:ゴジラを待ちながら(巽孝之)
第3章:「星条旗」とアメリカナイゼーション(土屋英雄)
第4章:「個人主義」や「民主主義」はアメリカナイゼーションなのか?(伊藤陽一)
第5章:英語化とアメリカナイゼーション(津田幸男)
第6章:アメリカナイゼーションと情報化(海後宗男)
第7章:アメリカナイゼーションと戦後教育(中村敬)
第8章:アメリカナイゼーションと日本(吉原ゆかり)
第9章:アメリカナイゼーションと韓国(リー・スンリョル)
第10章:アメリカナイゼーションとフランス(小松祐子)
第11章:アメリカナイゼーションとロシア(臼山利信)
第12章:不死身のコロンブス(長岡真吾)
第13章:アメリカ化する国際関係(ハラルド・クラインシュミット)
第14章:グローバリゼーションはアメリカナイゼーションなのか?(鈴木一人)


『事典現代のアメリカ』

巽先生が編集に携わった『事典現代のアメリカ』が間もなく刊行されます。この事典はアメリカの政治、経済、歴史、文化からサブカルチャー、日常生活に至るトピックを幅広く取り上げて110項目にまとめ、105名の各分野の第一線の専門家が執筆にあたっています。多彩な相貌を見せるアメリカを総合的に捉えた画期的事典です。



『事典現代のアメリカ』
*編集委員
小田隆裕(朝日新聞東京本社国際本部長)
柏木博(武蔵野美術大学教授)
巽孝之(慶應義塾大学文学部教授)
能登路雅子(東京大学大学院総合文化研究科教授)
松尾弌之(上智大学外国語学部教授)
吉見俊哉(東京大学大学院情報学環教授)


A5判・上製函入・1548ページ(見込)
大修館書店より2004年9月24日刊行

●W.ギブスンの新作『パターン・レコグニション』の解説を巽先生が担当

ウィリアム・ギブスンの長編第7作目となる新作『パターン・レコグニション』の解説を巽先生が担当しています。前作『フューチャーマチック』から4年ぶりに発表された今作のキーワードは、<フッテージ>と呼ばれるネット上にランダムに流される断片映像。主人公・ケイスは新商品の売れ行きを直感的に判断できる「クールハンター」で、クライアントから<フッテージ>の正体を突き止めるよう指示される…。現代のロンドン、東京、シカゴ、モスクワを舞台に繰り広げられるギブスン文学の新機軸となる今作は、すでに映画化も決定しています。



『パターン・レコグニション』
ウィリアム・ギブスン著/浅倉久志訳/解説・巽孝之
角川書店より2004年5月30日発行
定価(税込):2310円
四六判・349頁



●日本ペンクラブ編集の反戦アンソロジー
『それでも私は戦争に反対します。』

日本ペンクラブ編集の反戦アンソロジー『それでも私は戦争に反対します。』に巽先生・小谷真理さんが寄稿しています。これは、イラクへの自衛隊派遣など依然として不安定な状況が続く国際情勢を受けて、45人に及ぶ文学者・ジャーナリスト・研究者の創作・手紙・エッセイなどによる緊急アピールをまとめた一冊。第一線で活躍する文化人が様々な角度から「反戦」を訴えています。
早くも5刷決定!



『それでも私は戦争に反対します。』
日本ペンクラブ編
平凡社より刊行中
定価:本体1,600円(税別)
四六判並製 448頁

***日本ペンクラブのホームページはこちら

●一橋大学言語社会研究科国際シンポジウム『文明の未来―混成か、純化か』が書籍に

2002年4月26日から4月28日にかけて、一橋大学言語社会研究科主催の国際シンポジウム『文明の未来―混成か、純化か』が開催されました。世界各国から様々な領域の研究者が集まったこのシンポジウムでは巽先生も「アメリカ文学史の世界システム―アシュトン、タイラー、メルヴィルを中心に」と題する報告を行ないましたが、このほどこのシンポジウムを記録した書籍『文化アイデンティティの行方』が刊行されます。


『文化アイデンティティの行方―一橋大学言語社会研究科国際シンポジウムの記録』
A5判上製、457頁
彩流社より2004年3月15日刊行
本体価格:4800円

*目次
第1章 混成か純化か
〈基調講演〉
未来にためされる根おろしと移動 エミール・オリヴィエ・恒川邦夫訳
文明の終わり? ウォルター・ベン・マイクルズ・三浦玲一訳
第2章 坩堝と四散―解題 恒川邦夫
第3章 ドイツ語圏文化アイデンティティの多様性―解題 古澤ゆう子
第4章 アジアからの視線―解題 坂井洋史
第5章 イスラムの問題―解題 鵜飼 哲
第6章 合州国の文学から考える―解題 三浦玲一
第7章 ハイブリッドとは何か―解題 中井亜佐子
*関連書籍
『ユリイカ』2002年10月号「特集 ニール・スティーヴンスン」には、本シンポジウムで巽先生とともにセッションに参加し、基調講演も行ったウォルター・ベン・マイクルズの論考が掲載されています。こちらも併せてどうぞ。

ポスト歴史主義の世界で──スティーヴンスンが象徴する現代文学 ウォルター・ベン・マイクルズ(三浦玲一・訳) 151-173頁


●今月から全国公開され大きな話題となっている押井守監督の待望の新作『イノセンス』。そこでCPAでは今回『イノセンス』に関連する書籍を一挙にご紹介します。

『イノセンス』(押井守監督作品/2004年)
35mm/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル・DTS/99分
2004年3月6日(土)から全国東宝洋画系にて公開中


●<押井守『イノセンス』公開記念Recommends 1>
ダナ・ハラウェイ著『サイボーグ・フェミニズム』

1985年の発表と同時に一大センセーションを呼び起こしたダナ・ハラウェイの名著。2001年に増補版として刊行された本作には、ハラウェイ「サイボーグ宣言」、サミュエル・ディレイニー「サイボーグ・フェミニズム」、ジェシカ・アマンダ・サーモンスン「なぜジェンダーを呼びもどすのか?」、巽孝之「M.バタフライ、あるいは」に加え、新たにハラウェイvs巽対談「サイボーグ・フェミニズムの文学」(50枚)、小谷真理による書下ろし解説「サイボーグ・フェミニズムの新世紀」(64枚)を収録。『イノセンス』を語るうえで欠かすことのできない一冊です。



『サイボーグ・フェミニズム』
(巽孝之編・巽孝之+小谷真理訳;第2回日本翻訳大賞思想部門受賞)
水声社より刊行中
本体価格:3000円

●<押井守『イノセンス』公開記念Recommends 2>
『押井守論―MEMENTO MORI』

『イノセンス』公開に合わせて出版された『押井守論―MEMENTO MORI』は、アニメだけでなく、文学や漫画、SFなど様々な切り口から押井作品を分析する本格的な研究書。小谷真理さんは「第五章 流体反射論」において、瀬名秀明・萩尾望都らとともに「押井守への11人からのメッセージ」に参加しています。



日本テレビ編
『押井守論―MEMENTO MORI』
2004年3月刊行
本体価格:2286円

*「押井守への11人からのメッセージ」
天野義孝・飯田譲治・大塚明夫・大原まり子・小谷真理・瀬名秀明・千葉繁・萩尾望都・兵藤まこ・堀越徹・四方田犬彦


●<押井守『イノセンス』公開記念Recommends 3>
ユリイカ2004年4月号『特集=押井守 イノセンスのゆくえ』

『イノセンス』公開を記念し、ユリイカも押井守を特集します。単なる映像作品の枠を超え、フェミニズムをはじめとする様々な批評理論に影響を与える押井作品について、徹底的に分析。小谷真理さんもテクノゴシック系の批評を展開しています。他にも東浩紀・上野俊哉・斎藤環・森川嘉一郎といった研究者が寄稿している注目の一冊です。

小谷真理「ふたたび問う、ジェンダーをなぜ呼びもどすのか?」

ユリイカ2004年4月号『特集=押井守 イノセンスのゆくえ』
2004年3月28日青土社より刊行
本体価格:1238円

●<国文学 解釈と鑑賞>別冊「女性作家《現在》」に小谷真理さんの論考が掲載

間もなく刊行される<国文学 解釈と鑑賞>別冊「女性作家《現在》」に小谷真理さんの論考が掲載されます。明治から現在までに至るまでの女性作家とその表現をめぐる様々な議論をまとめたこのムックは7部構成からなり、そのうちの一つ「テクスチュアル・ハラスメント」の項で、この語の紹介者でもある小谷真理さんが概説を担当しています。「テクスチュアル・ハラスメント」に関しては、このCPA Recommendsでも過去に長谷川清美『叩かれる女たち』を紹介していますが、今回のムックにおいて国文学の枠組みで議論されていることで、「テクスチュアル・ハラスメント」が日本の文学研究においても重要なキーワードとなっているのが分かります。

菅聡子編集
<国文学 解釈と鑑賞>別冊「女性作家《現在》」
至文堂より刊行

*内容
・カノンをめぐる諸問題
・<戦争>と女性作家
・変容する家族/ジェンダー/セクシュアリティ
・都市/メディア/女性
・言葉・表現の争闘
・テクスチュアル・ハラスメント
・物語/小説のゆらぎ

*関連リンク
女性の著作権を考える会


●レイモンド・カーヴァー論集『レイ、ぼくらと話そう―レイモンド・カーヴァー論集』に巽先生が参加

今月出版されるレイモンド・カーヴァー論集『レイ、ぼくらと話そう―レイモンド・カーヴァー論集』に、巽先生が共著者として参加されています。青山南、柴田元幸など10人の「小説好き=カーヴァー好き」が寄稿した本書において、巽先生はロバート・アルトマン監督の名作映画『ショート・カッツ』を題材にユニークなカーヴァー論を展開。他のヴァラエティに富んだ執筆者の多様な論評も合わせて、カーヴァーの魅力を再発見させてくれる一冊です。



平石貴樹・宮脇俊文編著
レイモンド・カーヴァー論集
『レイ、ぼくらと話そう―レイモンド・カーヴァー論集』
南雲堂より2004年2月20日発売
定価:本体2500円+税
*内容
信じられる世界を書く(レイモンド・カーヴァー)●インタビュー
カーヴァーが文章を書いていた場所(青山南)
カーヴァーの言い残したこと(篠原一)
ア・チャイルド・ハプンズ(後藤和彦)
カーヴァーの詩学(渡辺信二)
大地に吹く風(宮脇俊文)
コロスは殺せない(三浦玲一)
愛すれば、などと言ってみることも(平石貴樹)
『ショート・カッツ』への最短距離(巽孝之)
ケーキを食べた男(柴田元幸)
9.11/虹を超えて(千石英世)
年表(深谷素子)/資料

 
●学術雑誌PMLAの最新号に巽先生の論文が掲載

アメリカを代表する語学文学研究組織MLA(Modern Language Association)の機関誌、PMLAの最新号(2004年1月号)に巽先生の論文が掲載されています。今回の号では"Literatures at Large"と題し、グローバル文学研究の可能性を検討する特集が組まれており、南米や中欧、西欧など多様な文化的バックグラウンドを持つ研究者が論文を寄稿。その特集を締めくくる巽先生の論文"Literary History on the Road: Transatlantic Crossings and Transpacific Crossovers"は、現代におけるアメリカ文学史のあり方を考察するとともに、アメリカの帝国主義・植民地主義的性格そのものへの再検討を促すものとなっています。
今回の巽先生の論文は、『ニュー・アメリカニズム』から『アメリカ文学史』へと至るこれまでの論考を凝縮したコンピレーション版であると同時に、グローバル時代におけるアメリカ文学研究の新たな出発点と位置づけられるでしょう。

Tatsumi, Takayuki. "Literary History on the Road: Transatlantic Crossings and Transpacific Crossovers." PMLA 119.1(2004): 92-102.

***CONTENTS
Special Topic: Literature at Large 16
Global Literature and the Technologies of Recognition---SHU-MEI SHIH 31
American Literature in English Translation: Denise Levertov and Others---PAUL GILES 42
The Pedagogical Potential of Interessere---RAUL ANTELO 48
The Politics of Hispanism at Rice Univercity; or, When Is a Hispanic Part of a Minority?---BEATRIZ GONZAREZ-STEPHAN 58
Special Relationships: British Higher Education and the Global Marketplace---JEFFEREY GEIGER 69
No Room of One's Own: Women's Studies in English Departments in Germany---INA SCHABERT 80
Supernational English, American Values, and East-Central Europe---TIBOR FRANK 92
Literary History on the Road: Transatlantic Crossings and Transpacific Crossovers---TAKAYUKI TATSUMI

 
●地球史上初のエイリアン文学論『エイリアン・ベッドフェロウズ』いよいよ登場!

小谷真理さんの単著としては6冊目となる最新刊『エイリアン・ベッドフェロウズ』がいよいよ刊行されます。今作は、かつて<翻訳の世界>、<SFマガジン>をはじめとする雑誌に掲載されていた論考を、全面的な改稿を経て本格SF批評として一冊の本にまとめた刺激的な評論集。「SF作品ガイドブック」としても読むことのできるこの一冊、Panic Americana vol.5でもお馴染みの写真家・フカサワカズヒロ氏によるカバー写真や美しい装丁も要注目!



小谷真理
『エイリアン・ベッドフェロウズ』
(松柏社刊 定価:本体1900円+税)
2004年2月10日より店頭発売開始

*目次
はじめに エイリアン文学を読むこと
第I部 エイリアン文学論序説
□ロボット 造物主の聖典
□サイボーグ デウス・エクス・マグダレーナ
□錬金術師 零度のセクシュアリティ
□スラッシャー キャプテン・カークはキャプ翼の夢を見るか
□吸血鬼 ブラック・レズビアン・ヴァンパイア
□ガイノイド 猫と少女とガイノイド
□ネイティヴ 素晴らしき大航海
□ペット ペット上位時代
□人食い 美味しいフェミニズム
□女性統治者 コミュニケーション渇望症候群
□ゴーレム 女たちは荒野をめざす
□昆虫 むりやりスリップストリーム
□ハッカー 「罪」という名のもとに
□女性表現者 彼女のためのいちご白書
□双子神 盗まれた夢の記録
第II部 男から女へ症候群
□女装 肌を許して肌色売って
□有名人 エフェメラ男の優雅な道楽
□性転換 性転換レズビアンは主張する
第III部 グローバル・エイリアン
□仮死 『死ほどすてきな商売はない』
□探検家 『未踏の地』
□メイド 『骨磁鳩の秘密』
□タイム・トラベラー 『恐竜と生きた男』
□よみがえり 『復活劇』
□女の歴史 『ブラック・ワイン』
□異星人 『緑の少女』
□ゲリラ 『ホモ・エレスティス』
□クローン 『第三の解決』
あとがき/索引


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