今月の研究発表は、結城正美先生(青山学院大学)による「アメリカ西部の文学的磁力」です。ご発表前半は、フロンティア、アウトロー、自由、アメリカンドリーム等の概念で神話化されてきたアメリカ西部が、20世紀末以降、神話と現実の乖離およびその乖離自体において再考されてきた軌跡を概観され、後半は、Joanna Pocockの Surrender: The Call of the American West (2018) を対象に、著者の複眼的な思索と語り口をネイチャーライティングの新たな段階を予感させるものとして読解されます。また、ロンドン在住アイルランド系カナダ人作家による本作をアメリカ文学として読むことの是非も併せてご検討されます(※日本アメリカ文学会東京支部 HPも併せてご確認ください)。ご関心のある方は、ぜひご来聴ください!
研究発表
アメリカ西部の文学的磁力
講師:結城正美(青山学院大学)
司会:波戸岡景太(明治大学)
分科会
近代散文
The Portrait of a Ladyにみる無-限定性について
加茂秀隆(一橋大学・非)
現代散文
「名誉」と「優しさ」——Eudora Welty, Delta Weddingにおける南部プランテーション社会の規範
杉浦牧(東京大学・院)
詩
ロバート・フロストのメタポエムズ
笠原一郎(東京工業大学・非)
演劇・表象
リエナクトメントの人種主義技法——『国民の創生』とウォーグラフの血脈
鈴木俊弘(桜美林大学・非)