慶應義塾の機関誌『三田評論』(明治 31年 3月創刊、毎月 1回 1日発行)の最新 2020年 11月号は、「歴史にみる感染症」を特集。本特集収録の巻頭座談会「文学に現れる感染症」は、小川公代先生(上智大学外国語学部)、小倉孝誠先生(本塾文学部)、ピーター・バナード先生(本塾文学部)、巽先生(司会、本塾文学部)がお集まりになり、それぞれのご専門——イギリス文学、フランス文学、日本文学、アメリカ文学——から、種々文学に現れてきた感染症を概観されたうえで、表象としての病がもつ問題系に切り込みます。
文学に現れてきた感染症——ハンセン病、マラリア、ペスト、天然痘、黄熱病、コレラ、スペイン風邪、結核、エイズ等々——、これらの不条理な病を契機の一つにして、共同体や社会や人間のいかなる部分を文学は浮き彫りにしてきたのか、ときに「差別のメタファー」として機能してきた諸相、昨今の Black Lives Matterがかわらず体現してやまない「分断」の諸相も考慮に入れながら、新型コロナと世界中が生きざるを得ない現代の視座より、感染症文学がもつ可能性が探られます。ご関心のある方は、ぜひご一読ください!(三田評論 ONLINEにて全文お読み頂けます)
表紙絵:清川泰次
慶應義塾大学
価格:451円(本体 410円)
(三田評論 ONLINEによる本誌詳細)
【目次】
特集:歴史にみる感染症
座談会:文学に現れる感染症
- 小川公代(上智大学外国語学部英語学科教授)
- 小倉孝誠(慶應義塾大学文学部仏文学専攻教授)
- ピーター・バナード(慶應義塾大学文学部英米文学専攻助教)
- 巽孝之(司会)(慶應義塾大学文学部英米文学専攻教授)
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特別鼎談:コロナ禍の不安とともに
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連載
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