本書は、「まえがき」の今福氏ご自身の言葉を借りると、「一九七〇年代以降の〈知の連鎖〉が与えてくれた刺戟を糧にして自己形成を遂げた者の経験と思考をめぐる、集合的なアーカイヴ」として、1992年から2017年までに行われた17篇の対話を収録するものです。そのなかには、『世界』(1998年7月号)の特集「アメリカ――本当に強いのか」における巽先生との対談も収められています。アメリカ合衆国という国家ではなく、南北アメリカを含む複数形の「アメリカス」が内包する多様性・雑種性に光をあてるとともに、『ニュー・アメリカニズム』と『クレオール主義』が接する地点を探る対談は、現在においてさらに示唆的です。さまざまな領域の研究者・思想家・作家と交わされた言葉の集成は、1970-80年代がもたらしたジャンル横断的な知の豊穣を伝えます。ご関心お持ちの方は、ぜひお手にとってみてください!
著:今福龍太
判型:A5並製
頁数:426頁
出版:水声社
刊行:2019年4月20日
価格:4000円+税
※水声社による本書詳細はこちらです
【目次】
まえがき
1992 終わりなき旅の途上で 沢木耕太郎との対話
1995 ポリローグの都市 沼野充義との対話
1997 ゆらめく境界あるいはトラヴェローグをめぐって――汀にて 多木浩二+上野俊哉との対話
1997 クレオール、デジタル・ライティング、トランスレーション 西谷修との対話
1998 ラテンアメリカのモデルニスモ 多木浩二との対話
1998 「複数のアメリカ」像を掘り起こす 巽孝之との対話
2000 音楽の時間 高橋悠治との対話
2001 聖と俗――錯誤としての歴史 島田雅彦との対話
2001 「アフリカ」を探して 山口昌男との対話
2003 島を渡る──ヴィジュアローグ 伊藤俊治との対話
2006 反転、嘔吐、筒――『アーキペラゴ』をめぐって 吉増剛造との対話
2011 戦間期――シモーヌ・ヴェイユ、愛、恩寵 港千尋との対話
2013 山口昌男が遺したもの 大塚信一との対話
2013 多木浩二、深い傾きの人 吉増剛造との対話
2015 叛乱者たちが創る世界 中村隆之との対話
2016 光源の島――東松照明と南島世界 伊藤俊治との対話
2017 ポスト・トゥルースに抗して 中村隆之+松田法子との対話
人名索引
まえがき
1992 終わりなき旅の途上で 沢木耕太郎との対話
1995 ポリローグの都市 沼野充義との対話
1997 ゆらめく境界あるいはトラヴェローグをめぐって――汀にて 多木浩二+上野俊哉との対話
1997 クレオール、デジタル・ライティング、トランスレーション 西谷修との対話
1998 ラテンアメリカのモデルニスモ 多木浩二との対話
1998 「複数のアメリカ」像を掘り起こす 巽孝之との対話
2000 音楽の時間 高橋悠治との対話
2001 聖と俗――錯誤としての歴史 島田雅彦との対話
2001 「アフリカ」を探して 山口昌男との対話
2003 島を渡る──ヴィジュアローグ 伊藤俊治との対話
2006 反転、嘔吐、筒――『アーキペラゴ』をめぐって 吉増剛造との対話
2011 戦間期――シモーヌ・ヴェイユ、愛、恩寵 港千尋との対話
2013 山口昌男が遺したもの 大塚信一との対話
2013 多木浩二、深い傾きの人 吉増剛造との対話
2015 叛乱者たちが創る世界 中村隆之との対話
2016 光源の島――東松照明と南島世界 伊藤俊治との対話
2017 ポスト・トゥルースに抗して 中村隆之+松田法子との対話
人名索引
【関連リンク】
【関連書籍】
今福龍太『クレオール主義』(ちくま学芸文庫、2003年)
巽孝之『ニュー・アメリカニズム―米文学思想史の物語学(増補新判)』(青土社、2005年)