2017/05/18

05/20:日本ヘミングウェイ協会 2017年 5月ワークショップ「“My Old Man” を読む」のお知らせ@静岡大学静岡キャンパス 人文社会科学部 B棟 4階 402教室 10:00-12:30

5月 20日(土)に、静岡大学静岡キャンパスにて、日本ヘミングウェイ協会 2017年 5月のワークショップ「“My Old Man” を読む」が下記のとおり開催され、大学院 OBの松井一馬さんがご登壇されます!ご関心のある方は、ぜひご来聴ください!

日本ヘミングウェイ協会 2017年 5月 
ワークショップ「“My Old Man”を読む」
日時:2017年 5月 20日(土)10時〜12時30分
場所:静岡大学静岡キャンパス 人文社会科学部 B棟 4階 402教室
(静岡県静岡市駿河区大谷 836 アクセス / キャンパス

メンバー:司会・講師:小笠原亜衣(関西学院大学)、講師:水野尚之(京都大学)、森瑞樹(広島経済大学)、松井一馬(慶應義塾大学・非)

【概要】日本ヘミングウェイ協会 HPより
5月のワークショップではここ数回、ひとつの短編作品を複数人で論じる形式を採用している。今回は『われらの時代に』(1925) 所収の “My Old Man” (「ぼくの父さん」) を 4人の発表者で論じる。

ヘミングウェイが “My Old Man”を書きだしたのはパリに到着して半年あまり経った 1922年 7月から 9月頃と考えられている。夏の競馬シーズンにあたるこの時期、実際の競走馬 Ksar(ヘミングウェイは本作でも『午後の死』でも “Kzar” と表記)と Kircubbin が本命馬だった 7月の特定のレースを利用して作品が書かれたという(ちなみにこのレースは八百長レースではない)。『移動祝祭日』( 1964) の「偽りの春」でも書かれるように、ヘミングウェイはパリ時代に競馬場にでかけレースに興じた。こうした知識や経験は “My Old Man” での競馬場の正確な描写や、音が聞こえるようなレースの臨場感に活き活きと結実している。Michael Reynolds は、直接の観察をニュース等から得た二次情報と結びつけて虚構作品に仕立て上げるヘミングウェイの能力こそオリジナルなものであり、これはシャーウッド・アンダソンからもエズラ・パウンドからも、あるいはガートルード・スタインからも学んだものではない、と当時の師匠的存在を並べて強調するが (“Hemingway’s ‘My Old Man’: Turf Days in Paris” 1990)、Reynolds がこのようにやや執拗な調子で言わなければならないほどに、初期の批評は “My Old Man” をアンダソンの短編 “I Want To Know Why” (「わけを知りたい」) との比較・影響関係で論じるものが多かった。その後も批評対象として取り上げられることは決して多いとは言えず、Susan Beegel 編の Hemingway's Neglected Short Fiction (1989) にも対象作品として含まれてはいるが、しかし、語り手の少年 Joe Butler の語りの二重性に着目する議論(物語時間と語っている時間にずれがある)や、「書くことについて」“On Writing” でニックが “My Old Man”の作者とされていることからニック=『われらの時代に』作者説(いわゆる「メタフィクション」論)を拓くなど、近年は興味深い論考も続いている。

本ワークショップではヘンリー・ジェイムズあるいはアメリカ演劇がご専門の水野尚之氏、森瑞樹氏、松井一馬氏にご登壇いただき、フレッシュな視点でご議論いただきます。ヘミングウェイ作品における広い意味での暴力と八百長、競争馬のメタファー、騎乗法「モンキー乗り」=黒人の乗り方という連想から拓かれる人種意識、『われらの時代に』の他作品・中間章がつなぐ馬と戦争の連関、疾走する馬と初期映画がつなぐ視覚/語りの実験など、さまざまな視点が予定されています。ぜひご出席ください。(文責:小笠原亜衣)


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