2017/03/26

ヴォネガットの遺作『国のない男』文庫版と、文藝別冊KAWADE夢ムック『サンタナ』が絶賛刊行中!巽先生による解説「ヴォネガット的瞬間」と「サンタナ、またはこの世のものとは思われぬ響き」がそれぞれ寄稿されています!

カート・ヴォネガットの遺作『国のない男』(金原瑞人訳)文庫版と、文藝別冊 KAWADE 夢ムック『サンタナ−−ラテン・ロックの守護神』が絶賛刊行中!巽先生による解説「ヴォネガット的瞬間」と「サンタナ、またはこの世のものとは思われぬ響き」が、それぞれ寄稿されています!

『国のない男』は、2007年に亡くなったカート・ヴォネガットの 2005年刊行の遺作。巽先生による解説「ヴォネガット的瞬間」では、ヴォネガットが自身を「国のない男」と呼んだ背景が探られています。また、文藝別冊『サンタナ−−ラテン・ロックの守護神』に寄稿された先生の「サンタナ、またはこの世のものとは思われぬ響き」では、1970年における先生自身のサンタナ経験を振り返りつつ、カルロス・サンタナのメキシコ生まれという出自を軸に、「今なぜサンタナか?」が問われています。同様に、大学院 OB長澤唯史先生による「「普遍の調べ」を追い続けて−−カルロス・サンタナのアイデンティティと音楽」もサンタナの回想録『普遍の調べ』(2014年)を起点としながら、そのアイデンティティの諸相からサンタナ音楽に迫ります。ご関心のある方は、併せてぜひご一読ください!



『国のない男』
A MAN WITHOUT A COUNTRY
カート・ヴォネガット、金原瑞人訳
文庫、208ページ
中央公論新社、2017年 3月、720円(税別)
中央公論新社による本書紹介


【目次】
  1. わたしは末っ子だった
  2. 「トゥワープ」という言葉をご存じだろうか
  3. 小説を書くときの注意
  4. ここで、ちょっとしたお知らせを
  5. さあ、そろそろ楽しい話をしよう
  6. わたしは「ラッダイト」と呼ばれてきた
  7. 二〇〇四年十一月十一日で、八十二歳になった
  8. 人間主義者とはどういう人を指すかご存じだろうか?
  9. 何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもその通りにせよ
  10. イプシランティの懐古的な女性
  11. さて、いい知らせがいつくつかと、悪い知らせがいくつか
  12. わたしはかつて、自動車販売会社の社長だった

  13. レクイエム
  14. 作者から
  15. 訳者あとがき
  16. 文庫版訳者あとがき
  17. 解説 ヴォネガット的瞬間(巽孝之)
  18. カート・ヴォネガット作品一覧



文藝別冊 KAWADE 夢ムック
『サンタナ−−ラテン・ロックの守護神』
河出書房新社編集部
ムックA5、 208ページ
2017年 3月、定価1,404円(本体1,300円)
河出書房新社による本誌紹介


【目次】
  • 交差するラテン的宇宙(横尾忠則インタビュー)
  • さまざまな魅力がありすぎる音楽の栄光と不幸(立川芳雄)
  • なぜ私がサンタナに似ているといわれるのか(小野瀬雅生)
  • ブラックなマジック・ウーマンを見たか(湯浅学)
  • サンタナ/ヒストリー(舩曳将仁)
  • アルバムでたどるサンタナの軌跡−−変貌しつつも変わらない偉大なアーティスト(大鷹俊一×後藤幸治)
  • サンフランシスコ・ミッション〜イースト・ロサンゼルス−−バリオの現在、サンタナの「周縁」から(宮田信)
  • サンタナ、またはこの世のものとは思われぬ響き(巽孝之)
  • 魂のサンタナ(今野雄二)
  • 70年代前半のサンタナはロック界に突如出現した“スクランブル交差点”だった(和久井光司)
  • 「普遍の調べ」を追い続けて−−カルロス・サンタナのアイデンティティと音楽(長澤唯史)
  • サンタナだから作り得たこと−−ワールド・ミュージックの祝祭(大鷹俊一)
  • 世界音楽ワールドミュージック志向、としてのサンタナ(小沼純一)
  • 混じり合わない融合と洗練の衝撃(松井巧)
  • ゆっくりと微笑みながら歩み続ける<カルロスの花道>(鈴木祐)
  • サンタナギター考察−−精神と肉体の調和を求めて(杉山達)
  • 2017年 1月 最新ライブ・レポート:ラスベガス、サンタナ体験記(元井欣一)
  • ディスクガイド(杉山達、鈴木祐、松井巧)


【関連リンク】


【関連書籍】
カート・ヴォネガット、金原瑞人訳『国のない男』(中央公論新社、2017年)


文藝別冊 KAWADE 夢ムック『サンタナ−−ラテン・ロックの守護神』(河出書房新社、2017年)


巽孝之『プログレッシヴ・ロックの哲学 増補決定版』(河出書房新社、2016年)


巽孝之監修、伊藤優子(YOUCHAN)編著『カート・ヴォネガット (現代作家ガイド)』(彩流社、2012年)