いまこそヴォネガットを…という思いから生まれた待望の一冊。ヴォネガットの本邦初訳の短篇やエッセイ、大江健三郎氏との対談、巽ゼミにはおなじみのイラストレーターYOUCHANによる随所に散りばめられたイラストや漫画など、読みどころ見どころ満載の内容となっております。
さらに、2009年ハロルド・ブルーム編作家研究シリーズに収録された巽ゼミOG永野文香さんによる「第二次世界大戦の傷あと——ドレスデンと広島」も収録!後半の作品ガイド、巻末のキーワード事典や書誌目録もたいへん充実しております。ヴォネガットファン必読の一冊。ぜひご一読を!
『カート・ヴォネガット(現代作家ガイド)』
巽孝之監修、伊藤優子(YOUCHAN)編著
執筆(浅倉久志/伊藤典夫/大江健三郎/増田まもる/永野文香/中山悟視/吉田恭子/渡邉真理子)
彩流社
2012年9月10日発行
288頁
定価(本体2500円+税)
装丁・イラスト:YOUCHAN
【目次】
はじめに——人生で大事なことはすべてヴォネガットから学んだ(巽孝之)
ハイホー!——ヴォネガットの世界
- 「ハリスン・バージロン」(改訳決定版)(K.V. /伊藤典夫訳)
- 「魔法のランプ——オリジナル・バージョン」(K.V. /伊藤典夫訳)
- 【特別寄稿】ヴォネガットがいちばん笑えたころ(伊藤典夫)
- [漫画]ヴォネガットファンは新規読者獲得の夢をみるか1(YOUCHAN)
プーティーウィッ?——ヴォネガットとの対話
- 「『スローターハウス5』出版25周年記念版序文」(K.V. (Jr.) /伊藤典夫訳)
- 「20世紀への送別の辞」(K.V. /浅倉久志訳)
- ゆかりの地マップ(YOUCHAN 絵/永野文香協力)
- 【インタビュー】最後の言葉(K.V. × J・レンティリー/吉田恭子訳)
- ヴォネガット名言集(YOUCHAN)
- 【対談】テクノロジー文明と「無垢」の精神 (K.V. × 大江健三郎)
そういうものだ——ヴォネガットを語る
- ヴォネガット連続体——超兵器と超虚構のはざまで(巽孝之)
- 『スローターハウス5』とアメリカ戦争文学(渡邉真理子)
- 第二次世界大戦の傷あと——ドレスデンと広島(永野文香)
- テクノロジーへの反発——ヴォネガットのラッダイト主義(中山悟視)
- 無神論者の教え——ヴォネガットの宗教批判とヒューマニズム(中山悟視・永野文香)
- 徹底解剖(しない)!ヴォネガットの笑い(吉田恭子)
- トウモロコシとブタとライターズ・ワークショップ——アイオワのヴォネガット(吉田恭子)
- 【エッセイ】職業画家のジレンマ——ヴォネガットとアート(伊藤優子)
チリンガ・リーン!——ヴォネガットあれこれ
- 【徹底レビュー】ヴォネガット初の本格的伝記 And So It Goes を読む(増田まもる)
- カート・ヴォネガット・年譜(永野文香)
- カート・ヴォネガット・キーワード事典(伊藤優子)
- キルゴア・トラウト作品リスト(伊藤優子)
- ヴォネガット家系図/作家交友録(YOUCHAN)
- ヴォネガット映像化・CD化作品セレクション(伊藤優子)
- [漫画]ヴォネガットファンは新規読者獲得の夢をみるか2(YOUCHAN)
ナイス、ナイス、ヴェリ・ナイス——ヴォネガット作品ガイド
(伊藤優子・永野文香・中山悟視)
- 『プレイヤー・ピアノ』
- 『タイタンの妖女』
- 『母なる夜』
- 『猫のゆりかご』
- 『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』
- 『スローターハウス5』
- 『チャンピオンたちの朝食』
- 『スラップスティック』
- 『ジェイルバード』
- 『デッドアイ・ディック』
- 『ガラパゴスの箱舟』
- 『青ひげ』
- 『ホーカス・ポーカス』
- 『タイムクエイク』
- 短篇ほか(絵本・戯曲)
- エッセイ集
- A Visitor's Guide to Kurt Vonnegut——公式サイトとカート・ヴォネガット記念図書館(伊藤優子)
おわりに——編者あとがき(伊藤優子[YOUCHAN])
Bibliography——カート・ヴォネガット書誌目録(永野文香編)
執筆者紹介
【関連書籍】
Kurt Vonnegut (Bloom's Modern Critical Views)(Chelsea, 2009)
【関連リンク】
- カート・ヴォネガット公式サイト
- YOUCHAN公式ホームページ
- 『カート・ヴォネガット』YOUCHANによるフライヤー完成(CPA: 05/27/2012)
- 永野文香さんのヴォネガット論、作家研究シリーズに収録(CPA: 03/08/2009)